玄関に人種差別の落書き、警察の対応遅れに批判 英マンチェスター

英マンチェスター近郊のサルフォードで10歳の男の子がアパートに玄関に人種差別的な落書きを見つけた問題で、警察の対応の遅れに批判が集まっている。
デイヴィッド・ヤンバさんは、サルフォードのアパートに引っ越してきた5日後の今月8日、同じアパートの玄関扉の3カ所に「No Blacks(黒人お断り)」という落書きを見つけた。
父親のジャクソンさんはその日のうちにグレーター・マンチェスター警察に届け出たが、17日になっても「捜査員が来ていない」とツイッターで訴えた。
警察はその後、ヤンバさん家族に謝罪し、対応を改善するとしている。

画像提供, Jackson Yamba
デイヴィッドさんは登校前に落書きを見つけた時のことについて、「自分がどうかされてしまうのか、誰かが待ち構えているのかと思って、泣いてしまった」と話した。
「怖くなってお父さんのシャツをつかんだ。(中略)けがしたくなかったから」
「お父さんに、まだ警察は来ないのかって何度も聞き続けた」
弁護士資格の勉強をしている父親のジャクソンさんが通報すると、電話を受けた警察職員は「とても親切で(中略)誰かを派遣してくれると言ってくれた」。
しかしその後、17日の夜に事態をツイートするまで「電話も訪問も、何もなかった」という。
ジャクソンさんは「1週間ほど前、サルフォードの我が家の扉にこのひどい人種差別的な落書きがされた。グレーター・マンチェスター警察に通報したけどまだ捜査に来てくれない。どうやったらトラウマを抱えてしまった10歳の子どもに、うちが安全だって言える?」とツイートした。
このツイートに、グレーター、マンチェスター警察のイアン・ホプキンス本部長が謝罪のツイートを返信した。
「ジャクソンさん、たった今これを見たばかりで、謝罪することしかできない。担当の副本部長に、ただちに訪問して捜査を始めるよう指示した。なぜ対応が遅れたのか、私に直接報告するようにも伝えている」
本部長はさらに、「率直に言って、対応はとてもまずかった。通報を受けたとき、ほかにも事件があったのかもしれないが、すぐに対応すべきだった。あなたやご家族は恐ろしい犯罪に巻き込まれた」と続けた。
ホプキンス本部長は、通報のあった8日の朝には「104件の未解決事件があった」と説明した上で、「電話では当初、被害者と同意する形で対応したが、その後に速やかに対応しなかったのが問題だ」と認めた。

17日にヤンバさん宅を訪れたデイヴィッド・ジルブライド主任警部は、「とんでもない犯罪だ。我々の社会に憎悪や偏見の入る余地はない」と話した。
「我々は常に市民に最高のサービスを提供し、適切な対応を取れるよう努力している。それができなかった場合、方針を再評価し、失敗から学ぼうとしている」
ジルブライド主任警部はこの事件を「憎悪犯罪として徹底捜査する」と述べ、情報提供を呼びかけた。
グレーター・マンチェスターのアンディー・バーナム市長は、「グレーター・マンチェスターに(憎悪犯罪の)居場所はない。警察が捜査していることは喜ばしいが、対応が遅れが理由を本部長が問いただすのは正しいことだ」とツイートした。

イギリスの憎悪犯罪(ヘイトクライム)
- グレーター・マンチェスター警察によると、2013年に記録した憎悪犯罪は2720件だったのに対し、2017年には7526件に増加した
- 2017年5月にマンチェスター・アリーナで起きた爆破テロ事件以降、憎悪犯罪の通報は増えているという
- イングランドとウェールズでは2017~2018年に9万4098件の憎悪犯罪を警察が記録した。うち76%が人種差別によるもの
- この数字は前年比17%の増加だった
- 内務省は、この増加は「警察記録の改善によるところが大きいが、2016年の欧州連合(EU)離脱の国民投票や2017年のテロ事件の後には急激な増加がみられる」と説明している
- 通報件数は倍増になったが、人種や宗教に起因した憎悪犯罪での検挙者数は減っている









