タイ洞窟の少年たち、救助後初の映像公開 救出作戦では鎮静剤か
タイ北部のタムルアン洞窟に閉じ込められ、10日夜までに救助された少年12人とサッカー・コーチの計13人が病院で治療を受けている様子が初めて公開された。
タイ政府が公開した動画では、何人かの少年が患者衣とマスクを付けている姿が映されている。少なくとも1人はカメラに向かってVサインを作った。
タイ海軍特殊部隊も、世界中の注目を浴びた3日間にわたる救出劇を収めた新しい動画を公開した。
一方、少年らとコーチは危険な救助活動中にパニックに陥らないよう、鎮静剤を与えられていたとの情報もある。
救助活動に参加した元海軍のチャイヤナンタ・ピーラナロン氏はAFP通信に対し、「眠っていた少年もいれば、ふらふらしながら指を動かしていた少年もいた。でもみんな息をしていた。自分の仕事は彼らを運ぶことだった」と話した。
少年たちは2人1組の救助ダイバーの片方にくくり付けられて水中を運ばれ、乾いた場所では担架に固定されて搬送された。
「ほんのわずかな希望」
タイ海軍特殊部隊のアーパコルン・ユーコンケウ司令官は11日、13人の救助によって「希望が現実になった」とBBCに語った。
「少年たちが生きているかもしれないという希望は、わずかでしかなかったが、やるしかなかった。前に進まなくてはならなかった」
「ほんのわずかな希望しかなかったが、それをもとにするしかなかった」

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画像提供, Thai government public relations department
3日にわたる複雑な救助作戦の結果、8日と9日にそれぞれ4人の少年が、10日に最後の4人とコーチが生還した。当局によると、救助隊に発見されるまでの9日間、少年たちは洞窟の壁面から落ちる水で生き延びていたという。
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少年たちは平均2キロほど体重が落ちたが、身体的には健康だという。少年たちはチェンライ県の病院に1週間入院し、さらに自宅で1週間療養する予定。
当局によると、最初に救助された4人の少年はすでに家族と面会しており、残りの少年たちも間もなく面会が許されるという。

画像提供, Thai Navy Seal
救出作戦が終わると、洞窟の出口に集まった救助関係者から大きな歓声が上がった。
チェンライ市では、全員脱出の知らせに往来の車は次々にクラクションを鳴らして喜んだ。子供たちやコーチが搬送された病院の外に集まっていた人たちは、一斉に拍手した。
ソーシャルメディアではタイ人の多くが、「#Heroes(英雄)」、「 #Thankyou(ありがとう)」などのハッシュタグを使って、それぞれに思いを表現していた。
また、サッカー界も少年たちとコーチの無事を大いに喜び、英マンチェスター・ユナイテッドやポルトガルのベンフィカが全員を試合に招待した。
発見から救出まで
少年らは11歳から17歳で、「ムーパ(イノシシ)」サッカーチームのメンバー。6月23日にサッカー監督と共に洞窟を訪れたところ、増水によって閉じ込められた。
少年たちは7月2日、暗闇の中で岩場に身を寄せ合っているのを英国人ダイバーに発見された。
しかし、体力を消耗している上に泳げない子どもたちの救出がいかに大変か明らかになると、発見の吉報は懸念へと変わった。

経験豊富なダイバーにとっても、少年たちのいる場所までの往復は重労働だった。ガイドロープをたどりながら、場所によって歩いたり、登ったり潜ったりする必要があった。
少年たちはどうやって生き延びた?
少年たちとコーチは、17日間にわたって地下に閉じ込められた。
報道によると、少年たちはチームメンバーの1人の誕生日を祝うために遠足で洞窟に入っていた。持ち込んだ菓子類が少年たちの命をつないだと考えられている。
アパコルン司令官によると、少年たちは発見以降は「医師の監督の下、消化しやすくビタミンやミネラルの入った高カロリー食品を与えられた」。

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当局者は、少年たちは地下でのストレスにうまく対処していたと話した。救助隊は食料のほか、電灯や家族からの手紙などを少年たちに差し入れた。
サッカーチームの助監督エーカポル・チャンタウォンさん(25)は、少年たちにストレスに耐えるための瞑想を教えていたという。エーカポルさんは、仏僧として10年以上の修行をした経験がある。













