アジア各地で日食観測 インドネシアでは皆既日食

画像提供, Reuters
インドネシアや太平洋中心地域で9日朝、太陽が月の陰に完全に隠れる皆既日食が観測された。
インドネシアでは現地時間午前6時19分(日本時間午前8時19分)に日食が始まり、月が太陽の前を通過し始めた。皆既日食に近づくと、月が太陽を完全に覆い隠し、地上は暗くなった。
皆既日食はスマトラ島、ボルネオ島、スワレジ島を含む幅150キロの地域の上空を通過。地上では9日朝に4時間ほど、日食を観測することができた。
マルク島のマバでは暗闇が3分間続いた。3分がインドネシアでは最長で、他の地域では2分ほど暗くなった。
同国のブリトゥン島では、大勢の人が海岸に集まり日食を観測。「魔法のような」経験だったと口々に話した。
インドネシアのほか太平洋中心部の地域から皆既日食が観測できたほか、オーストラリアや東アジアの一部が部分日食となった。

「皆既日食を見るにはインドネシアのブリトゥン島が絶好の場所だった」とBBCインドネシア語のジン・ジナンジャル記者は言う。
ジナンジャル記者は現地の様子をこう語る。「日の出前から約200人が島のオリビア・ビーチに集まっていた。中にはオーストラリアや欧州から来た外国人も30人ほどいた。オランダから来たビルマは、日食ハンターでこれまでに5回、経験しているという。日食が始まると、とてつもなく穏やかで静かな気持ちになり、何も聞こえなくなるという彼女は、魔法のような経験だと感動していた」。
島内各地では、多くの人がイスラム寺院やキリスト教の教会、仏教寺などで祈っていたという。

今回の日食では何が見えるのか
日食は日付変更線を通過するため、観測できる現地時間でいうと、9日に始まり8日に終わることになる。

画像提供, .
中国南部や東南アジア、オーストラリア、ハワイ、アラスカからは、太陽の一部が欠けているように見える部分日食が観測できた。
米航空宇宙局(NASA)の科学者たちは、日食の観測が太陽物理学の研究に役立つと説明している。
インドネシアからは偏光カメラを使い3分余りで太陽を59回撮影し、太陽表面の不安定な大気内部についてデータを集める。太陽の大気層は、日食で体表表面が暗くなった時にしか地球からは観測できない。

太陽大気のコロナ部分を観測すれば、「コロナ質量大量放出」と呼ばれる太陽からのプラズマ放出や、なぜ太陽表面よりコロナの方が高温なのかなど、太陽に関する謎を解明するデータが得られると期待されている。
NASAゴダード宇宙飛行センターのネルソン・レジナルドさんは、「太陽大気こそ、物理学にとって面白いことが起きている場所だ」と話す。

画像提供, Esa






