フランス極右、地方議会選で敗退 得票数は増えたが反対票も増え

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フランスで13日、地方議会選の決選投票が行われ、極右「国民戦線」はすべての地方圏で敗退した。国民戦線は6日の第一次投票では、13地域圏のうち6カ所で首位に立っていた。今回の選挙は11月13日のパリ連続襲撃事件以降、初の全国一斉選挙だった。
今回の選挙は、13の地域圏で地方議会の議長と議員を選ぶもの。14日朝に開票率98%で内務省が発表したところによると、国民戦線は第一次投票より得票数を602万票から680万票以上に伸ばしたが、得票率は27.73%から27.36%に微減した。
一方で、中道右派の共和党は得票率を26.65% から40.63%に、社会党は23.12%から29.14%にそれぞれ伸ばした。
投票者数は2260万人から2620万人に増えた。
フランスの地方議会は、地方の運輸・教育・経済発展政策について大きな権限をもつ。
13地域圏のうち共和党が7カ所、社会党が5カ所で勝利した。20年近く社会党が地元議会を抑えていたパリで、共和党が勝利したのが大きな番狂わせの一つだ。
国民戦線のマリーヌ・ル・ペン党首は敗北を認めた上で、戦い続けると約束。国民戦線を排除するために主要政党が協力し合ったせいだと批判し、自分たちは「嘘と情報操作による実に不当な形で」与えられるべき地位を奪われたと述べた。
ル・ペン党首は北部のノール・パ・ド・カレー・ピカルディーで出馬。めいのマリオン・マルシャル・ル・ペン氏は南部プロバンス・アルプス・コートダジュールで出馬した。2人とも一次投票では40%以上を得票したが、両選挙区で社会党候補が対抗票の分散を避けるために撤退し、共和党候補に票が集まるよう対抗措置をとった。
ル・ペン党首の得票率は約42.2%、共和党候補のグザビエ・ベルトラン氏は57.8%だった。
ベルトラン氏は、「勇気と結束がいかに大事か」フランス国民は今回学び、「国民戦線の前進をここで食い止めた」と勝利の意義を強調した。
一方でバルス首相(社会党)は慎重で、「極右がもたらす危険はなくなったわけではない。安心とは程遠い」と警告している。
共和党を率いるサルコジ氏は、安全保障や失業、欧州連合(EU)に対する不満感など「フランス人が心配している課題について、じっくり議論」すべき時だと述べた。

<分析>ヒュー・スコーフィールド、BBCニュース、パリ
今回の選挙結果がマリーヌ・ル・ペン党首にとって個人的な大打撃だと言うのは隠しようがない。
地域圏の行政を動かす機会を失い、自分たちの党は本気で政治に取り組んでいると世界に示す機会を失ったのだ。国民戦線がいかに強力に支持を集めようとも、権力の座の入り口はぴったりと閉ざされたままだと、あらためて思い知らされた形だ。
けれどもこれはある意味で、彼女の望むところだ。
なぜならフランスでは結局なにも変わっていないからだ。2大政党が引き続き自分たちでごちそうを分け合っているだけなのだ(しかも今回はわざと、彼女の取り分も横取りしてまで)。
その一方で失業率は上がり、テロは横行し、暗く反抗的な空気は広がり続ける。
マリーヌが権力を握る可能性は限られているかもしれない。しかし状況に不平や不満を抱く人の数が増え続けるフランスでは、彼女の求心力は衰えを知らない。
フランス人はホッとした時に「ouf(ふう)」と言う。しかしそれは同時に、腹に一発くらった時に漏れる音でもあるのだ。


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