タリバンが復権した首都カブールの状況 BBC記者が報告
マリク・ムダシール、BBCニュース、カブール

アフガニスタンの首都カブールを15日、タリバンが占拠した。政権の座から追われて20年後の復権だった。陥落した首都は翌日、どのような状況だったのか。

あらゆる場所にタリバンがいる。警察や軍がバリケードを設置していた検問所にもだ。
市内では昨日のようなパニック状態はあまり見られない。タリバンが交通整理をし、車両を検問している。特に調べているのは警察や軍が使っていた車両で、いまはタリバンがすべて没収した。
そうした車を運転しているのがたとえタリバン戦闘員でも、それも検問所で止められる。タリバンのふりをした泥棒が奪ったものではないか、確認しているという。
空港は悲惨な状況だった。手前2キロの道路には、家族や子ども、若者、高齢者たちの姿があった。皆がこの国から逃げようとしていて、ほとんどは道路中央の緑地でただ待っていた。
空港には1万人以上の人々が押し寄せた。正面入り口に続く道には、重装備のタリバンが空に向かって発砲し、人々を解散させようとしている。空港内に入ろうとする人は、壁やゲート、鉄条網すら乗り越えていた。誰もが何とか中に入ろうとしていた。

画像提供, Reuters
空港で立ち往生していた男性に15日、話を聞いた。ウズベキスタン行きの便に乗る予定だったが、実現しなかった。その後、当局は空港を放置した。航空券もパスポートも持たない人々が次々と空港に押し寄せた。そうした人たちは、思うままに飛行機に乗って世界中のどこにでも行けると考えていたと、この男性は話した。
空港内では何千もの人が行き場を失っていた。水も食べ物もなかった。女性や子ども、それに障害のある人たちもいた。
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市中心部の静寂
しかし、市中心部に行くと、普段通りの日常が続いているかのように見える。交通量は少なく、商店はほとんどが閉じている。それでも道行く人たちは、昨日よりはずっと落ち着いているように見える。昨日は誰もが激怒していた。大渋滞が起きていた。
通りに女性は数人しか見当たらない。付き添いのいない、単独行動の女性もいた。青色のブルカを着ている人もいた。医療用マスクとヘッドスカーフを着けている人もいた。タリバンは、それで満足のようだった。

通りでは音楽がまったく聞こえない。ホテルでは以前BGMが流れていたが、それも止まった。従業員は怖がっている。
それでも街は機能し続けている。落ち着いている。住民とはあまり話ができていないが、ふだん使っているタクシーの運転手は、タリバンの権力奪取をあまり心配していない様子だった。驚いたことに、タリバン戦闘員たちに声をかけてあいさつしている人たちもいた。「こんにちは、健闘を祈ります、幸運を」などと言いながら。
タリバン戦闘員たちも満足しているようだ。パトロール中の何人かに話しかけた。大統領府に入ろうとしたが、タリバンに止められた。上層部からの許可が必要だと言われた。ただ、私が会った戦闘員たちは友好的だった。
昨日は暴力的な事態が発生するのではないかと思い、少し恐ろしかった。だが運よく何もなかった。とても静かで落ち着いていた。首都の統治者が20年ぶりに入れ替わったというのにあまりに静かで、信じられない思いだった。










