アフガニスタンの「テロの温床」化望まず=英首相 英大使は空港で希望者のビザ手続き

ローレン・ターナー、BBCニュース

Boris Johnson
画像説明, ボリス・ジョンソン英首相

イギリスのボリス・ジョンソン首相は15日、反政府組織タリバンがアフガニスタンの首都カブールに進攻したのを受け、同国が「テロの温床」となることは誰も望んでいないと述べた。また、イギリス大使がカブール国際空港にとどまり、イギリス行きを希望する人の書類手続きを急いでいると話した。

アフガニスタンのアシュラフ・ガニ大統領は、タリバンが全権を掌握するのを目前に国外に出た

ジョンソン英首相は緊急治安閣僚会議(COBRA)を終えた後、アフガニスタンの状況は「極めて困難なままだ」とし、今後さらに難しくなるだろうと述べた。

そして、「同じ考えの」国々が協力し、いかなる新政府も合意のないまま「早々に」承認しないよう呼びかけた。

英議会は18日に招集され、アフガニスタン情勢を討議する予定。BBCのトニー・ボンシニョー政治担当編集委員は、政府にとって、タリバンの威力をひどく見誤った理由や大惨事が迫っている中での軍の撤収決定について説明を求められる、困難な議会になるだろうと説明した。

英大使が空港でビザ申請を処理

カブール国際空港から出国しようとする人たち
画像説明, カブール国際空港から出国しようとする人たち

ジョンソン氏はこの日、「私たちが優先すべきは、イギリス国民と、過去20年にわたりイギリスの取り組みを支えた人たちに対する義務を確実に果たし、できる限り早期に出国させることだ」と話した。

また、それを実現するため、カブールにとどまっているサー・ローリー・ブリストウ駐アフガニスタン大使が、カブール空港で査証(ビザ)申請の処理を「休まず続けている」と述べた。

さらに、「現状では、カブールで新たな政権が出現する可能性が高い。どんな政権になるのか、まだよく分からない」とした。

カブールからの報道によると、タリバンは大統領府を占拠した。同市ではここ数週間、数多くの市民らが避難しようとしてきた。

A woman holding her child in Kabul, Afghanistan

画像提供, Getty Images

画像説明, カブールではここ数週間、多くの市民が避難しようとしている

ジョンソン氏は、イギリスが国連安全保障理事国や北大西洋条約機構(NATO)加盟国と協力し、アフガニスタンが「テロへ逆行」しないように努めるとした。また、西側諸国による「国際的な取り組み」が必要だとした。

米軍のアフガニスタン撤収の決定については、「事態を加速させた」との見方を示した。ただ、「この方向に進むことは、皆がかなり前から分かっていた」とした。

動画説明, タリバンの支配から逃れようと……アフガン首都で混乱 空港や銀行に市民殺到

<関連記事>

出国支援に英軍部隊を派遣

イギリスの外務・英連邦・開発省は、アフガニスタン駐在の外交スタッフは削減したが、英政府として「英国民とアフガン職員に支援を提供し続ける」と表明した。

「アフガニスタン出国を希望する英国民がそうできるよう全力を尽くしている」と報道官は述べた。

アフガニスタンには4000人超の英国民がいるとみられ、外務省は出国を勧告している。

英国民、アフガン職員、通訳の出国を支援するため、600人規模の英軍部隊が派遣され、アフガニスタンに到着した。

ジョンソン氏は、英政府が人々の出国を「とても素早く」進めているとし、「私たちは出国の方法を確保している」と述べた。

英国防省関係者は、イギリスの大使館職員のほとんどがすでに軍用機で出国しているとBBCに明らかにした。カブール出発の商用機はすべて運休となっている。

taliban

外相は休暇から帰国

ジョンソン氏は15日、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長、国連のアントニオ・グテーレス事務総長と協議した。

首相官邸によると、ジョンソン氏は高度な国際的協議を実現するため、NATOの北大西洋理事会と、国連の安全保障理事会を早急に開くよう要請したという。

野党・労働党のキア・スターマー党首は、アフガニスタン情勢を「衝撃的」と表現。イギリスの職員と支援スタッフの出国を優先すべきだと主張した。

外務・英連邦・開発省は、ドミニク・ラーブ外相が休暇中かとの質問に、15日にイギリスに戻ると説明した。

ラーブ氏はこれより前に、「アフガニスタンの将来への深い憂慮」を表明していた。

労働党からは、こうした時期に外務トップが休暇を取っていることへの批判が出ている。

一方、スコットランド自治政府のニコラ・スタージョン第一首相は、英政府が「危険な立場のアフガン国民に対し、できる限りの避難」を提供するよう要求。

スコットランド自治政府は、可能な支援はすべて行うと述べた。