【東京五輪】 スポーツクライミング、独特の「仲間意識」で魅了

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「スピード」、「ボルダリング」、「リード」。この3種目でメダルを争う、東京オリンピックの新競技スポーツクライミングは、最近になって最後に一語が追加された五輪のモットー「より早く、より高く、より強く、共に」を文字通り具現化している。
スポーツクライミングは競技初日、グーグルの検索トレンドで五輪種目のトップとなった。つまり、大勢の関心を素早く引き寄せたようだ。
国際オリンピック委員会(IOC)は東京オリンピックで、5競技を新たに採用した。この決定は、現代の「オリンピックプログラムにおける最も総合的な進化」と評された。
野球、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンという「若者に焦点を合わせた」競技が、世界中の視聴者を魅了し、オリンピックを21世紀に合ったものにすることが期待された。
中でもスケートボードは、銅メダルを取ったイギリスのスカイ・ブラウン(13)ら才能あふれる若者たちが、世界最高レベルの技術と競技者たちの感動的な友情で、人々を夢中にさせた。
では、新競技の中で一番遅く初日を迎えたクライミングは、どうだったか?
ちなみに、イギリスの歌手ティム・バージェスは、「スピードクライミングは僕の新しいお気に入り」とツイートしている。
「ボルトにマラソンとハードル走を求めるようなもの」
スポーツクライミングは3種目あり、通常は別々に大会が実施される。しかし東京五輪では、それらを合わせ、複合として実施された。
「スピード」では、選手たちは高さ15メートルの壁を隣り合って登り、速さを競う。「ボルダリング」では、制限時間内に決められたルートをどれだけ登れるかで勝負する。
「リード」は6分以内に1回の挑戦で、12メートル以上の壁をどこまで登坂できるかで争う。
イギリス唯一の代表選手ショーナ・コクシー(28)は、この競技方式について、「(陸上短距離の)ウサイン・ボルトに、マラソンを走って、その後にハードル走をするよう求めるようなもの」と述べた。
男子複合で7位となったコリン・ダフィー(アメリカ)は、「ベストなスコア制度ではなかった」と話した。「2024年には違った方式となる。できれば、もう少しうまくいってほしい」。
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「みんなで仲間を応援」
選手にとってはスコア制度が頭の痛い問題かもしれないが、見る者にとっては間違いなく素晴らしいショーだった。トップ選手の平均年齢が21歳というのも、若者を引き付けるというIOCの狙いにマッチしている。
5日には、18歳のアルベルト・ヒネス・ロペス(スペイン)がこの競技最初の五輪金メダルを手にし、歴史を作った。スペイン男子の金メダル獲得者の最年少記録も更新した。
6日にはヤンヤ・ガルンブレト(22、スロヴェニア)が、女子複合の金メダルを勝ち取った。
会場の青海アーバンスポーツパークでは、伝統競技にありがちな熾烈(しれつ)なライバル争いとは違う、競技者たちの仲間意識がはっきりと見て取れた。
「アウトドアのクライミングから来ていることだと思う。友人と登る時、問題を解決するために力を合わせる。それが競技にも持ち込まれている」と、男子で銀メダルを獲得したナサニエル・コールマン(アメリカ)は話した。
「僕たちはみんなで仲間を応援する。(ほかの選手が)登るのを見ている間、どれだけ大変か分かるし、うまくいく時にどれだけ最高な気分か知っているから、うまくいってもらいたい」

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「画期的な時」を迎えたが今後は?
4歳でボルダリングを始めたイギリスのコクシーは、予選で負傷し、6日の決勝は棄権した。
個人としては残念な思いをしたが、クライミングがオリンピックの競技となった意義は大いに感じている。
「私たちの競技にとっては画期的なことだ」
「より多くの人に見てもらえる。クライミングを見て、心から好きになって情熱を傾けられる何かを発見できれば、その人にとってはものすごく大きなことだ」
「この競技のプロ化も大きい。私の前には、イギリスにプロ競技者はいなかった。それ自体、この競技における変化だ」

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サーフィンやスケートボードと共に、クライミングは次のパリ五輪でも競技となることが決まっている。パリ五輪では、ブレイクダンスを競技化した「ブレイキン」も採用される。
東京五輪では、男女20選手ずつの計40選手が2つの金メダルを争った。2024年のパリ五輪では、出場枠が68選手に拡大され、金メダルも4つに増える予定だ。「スピード」は独立した種目になる。
クライミング用の壁がある国はすでに140カ国を超え、クライマーは世界で3500万人以上いる。真に世界的な観客を得た今回、この競技は関心のピークを迎え、素晴らしい時を味わっている。
「このために猛練習をしてきた。猛練習の成果を見せることができて本当にありがたかった」と、男子で銅メダルを獲得したヤコプ・シューベルト(オーストリア)は言った。
「メダルを勝ち取った意味は大きい。オーストリアの多くの人がクライミングを見るようになる。もう少し多くの世界各地の子どもたちに、多くの喜びが得られるこの競技の良さを見つけてほしい」











