【解説】 メイ氏は英首相だが権力は握っているのか 高まる辞任圧力
ローラ・クンスバーグBBC政治編集長

画像提供, AFP/ Getty Images
まだ、英首相官邸にいる。かろうじて。しかし、1人の閣僚経験者いわく、テリーザ・メイ氏が22日の夜に総理大臣でいるのはただ単に、「防空壕に内側から鍵をかけたから」に過ぎないという。
まだ首相の職に就いてはいるが、実のところ、権力を掌握しているわけではないと。
メイ氏は22日、閣僚から会議への参加を求められても断り続けた。その中には、彼女の退任を求める閣僚もいる。メイ氏はそうした閣僚との対決の場を、すべて避けようとしていた。
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与党・保守党の下院議員からも辞任要求が相次いでいるが、メイ氏はこれも受け流した。24日午前に党幹部と再び協議すると約束しただけだった。
そうこうしている内に騒ぎも静まり22日の夜は終わりを迎えるのかと思いきや、アンドレア・レッドソム下院院内総務が辞任した。閣僚級の辞任という事態にも、首相は耐えなくてはならなかった。
「エンドゲーム」
数週間前のことだが、その時点までメイ氏に忠実だった閣僚の1人が私にこう言った。事態は「試合終盤(エンドゲーム)」に差し掛かっていると。今ではそれが、本当に試合終了ギリギリ直前の、最後の数秒間のような感じがする。
首尾一貫して首相を擁護してきた関係者も、24日の朝になれば、自分が何を言わなくてはならないか首相は承知していると、そう言った。
2人の閣僚は今日の時点で私に、メイ氏が来月初めまで首相の座に留まることができるなら、そのまま続投すべきだし、ブレグジットを推進すべきだと話していた。
しかしほかの人たちは、すでに確信している。今週末の欧州議会選を過ぎてもメイ氏が首相を続けるのはもはや不可能だと。
そして今となっては、メイ氏の最新版ブレグジット案を復活させるなど、ほとんど誰も口にしようとしない。わずか24時間前に提出されたばかりの譲歩案だが、それこそが今の最後の辞任圧力のきっかけとなった。
メイ氏はすでに、ブレグジット立法を前に進められるかどうかと、自分の進退を結び付けている。
法案が最初の採決で否決されれば、それはメイ氏に対する否決に等しい。
なので単純な論理展開だ。もし法案が日の目を見ることさえなければ、首相としてのメイ氏はおしまいだ。
「ひどいことに」
政治的に次々と屈辱的な目に見舞われてきたメイ氏にとって、残された道は、みっともなくない堂々たる退任だと支持者たちは考えている。
首相が辞職の時期を早々に決めなければ、目を覆わんばかりの「ひどいこと」になるだろうと、下院議員の1人は警告する。
保守党はすでに「ひどいこと」になっているとも言えるだろうが。
メイ氏が退任したとしても、ブレグジットの問題が保守党にとっても下院にとっても、解決されるわけではない。
しかし、ひどいことになっている事態がますますひどくならないようにするには、残された頼みの綱はもはや首相の辞任しかないのだと、多くの保守党議員は考えている。それが当たっているかどうかはともかくとして。











