英下院、ブレグジット法案を6月初めに審議へ 夏休み前のEU離脱に意欲

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イギリス政府は14日、6月第1週に欧州連合(EU)離脱協定法案を議会に提出すると発表した。
議会はブレグジット(イギリスのEU離脱)に際し、EUから離脱する条件をまとめたEU離脱協定を可決した後、これを離脱協定法として国内法に置き換える必要がある。
首相官邸は、議会の夏季休暇前にブレグジットを実現するには、この日程でなくてはならないとしている。
イギリスは3月29日にEUを離脱する予定だったが、議会が離脱協定を3度にわたり否決したため、EUは離脱期限を10月31日まで延長した。
政府は現在、最大野党・労働党と離脱協定の譲歩案を模索し、協議を続けている。
労働党の広報担当は、ジェレミー・コービン党首は「譲歩案にたどり着く能力がテリーザ・メ首相にあるのか」問題視していると語った。
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BBCのイアン・ワトソン政治担当編集委員は、メイ首相は法案提出日を決めたことで、与野党協議がこう着する中、夏までにブレグジットを実現するという意思を明確にしたと説明した。
また、離脱協定の可否を決めるいわゆる「意味ある投票」と、今回発表された離脱協定法案の決議は別のものだという。
一方、離脱協定法案をめぐる日程が決まったことで、与野党協議を続ける「余地と、時間的余裕」が生まれたと指摘した。

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離脱協定法案とは
イギリスは昨年制定した現行のEU離脱法で、ブレグジット協定を国内法に置き換える必要があると定められている。
ブレグジット協定が国内法になって初めて、協定で定められた市民の権利がイギリスの裁判所の下で施行され、欧州司法裁判所(ECJ)との関係も定まる。
また、離脱のための「清算金」の支払いや、アイルランドと北アイルランドの国境に敷かれる「バックストップ条項」も、このプロセスを経てから可能となる。
審議では下院議員は法案の修正を求めることができる。政府側にも、労働党との協議でまとめた譲歩案に修正を加える機会が与えられることになる。
野党やEU離脱派は反発
離脱協定法案についての発表を受け、労働党のコービン首相は、離脱協定がまとまる前に法案を支持することを拒否したと報じられている。
また、EU離脱派のスティーヴ・ベイカー保守党議員は、与党が閣外協力している北アイルランドの民主統一党(DUP)を「素通り」して法案を提出することは、「議会での与党の優勢を損なう」ことになるだろうと指摘した。
DUPのナイジェル・ドッズ議員は、「もしメイ首相が離脱協定法案を議会にかけるなら、知りたいのは『一体何が変わったのか?』だ」と話した。
「バックストップ問題について何か新しい策を提示しない限り、離脱協定はまたしても否決される可能性が非常に高い」
バックストップは、通商協定がまとまらない場合に北アイルランドとアイルランドの国境に厳格な検問所等を設置しないための措置だが、イギリスとEU双方の合意がないとバックストップから離脱できないことから、この状態が恒久化するとの懸念がある。
与野党協議に進展は?
離脱協定をめぐるこう着状態を打破するため、与野党は4月から協議を続けているが、進展の兆しはみられない。
労働党はかねて、ブレグジット後もEUとは恒久的な関税同盟を結び、税関や関税を避けたい考えを示している。
しかしEU離脱派は、関税同盟を結べばイギリスはEUの規則に従う必要があり、他国との通商協定も結べなくなると反対している。
先には1922年委員会(保守党党首の不信任動議を扱う委員会)のグレアム・ブレイディー委員長と13人の元閣僚がメイ首相に対し、関税同盟を含む譲歩案で合意しないよう求める書簡を提出した。
メイ首相とコービン党首は14日に会談し、与野党協議の進ちょくについて話し合った。
首相官邸は、党首会談は「有用で建設的なものだった」としている一方、労働党の報道官は、コービン党首が政府に「さらなる前進」を促したところ、メイ首相は「15日に新たな提案を持ってくる」ことで合意したと話した。











