金正恩氏、中国の軍事パレード出席へ プーチン氏も参加

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ローラ・ビッカー中国特派員、ジーン・マケンジー・ソウル特派員
中国政府は28日、来月3日に北京市内で行われる軍事パレードに北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が出席すると発表した。金氏が多国間交流の場に参加するのは初めてで、歴史的な訪問となる。軍事パレードにはロシアのウラジーミル・プーチン大統領も出席する予定。
金氏の多国間交流の場への参加が実現すれば、中国主導の新たな世界秩序を推進する習近平国家主席にとって、外交的勝利となり得る。
アメリカが、ウクライナでの戦争終結に向けてロシア政府との合意を模索する中で、習氏がプーチン氏と金氏に対する一定の影響力を示すものとなる。
アメリカのドナルド・トランプ大統領は軍事パレードには出席しないが、金氏との再会を望んでいると今週初めに発言している。金氏が核兵器保有を増強し、ロシアへの支持を強めていることに、西側諸国は悩まされている。
26カ国の首脳らも出席
中国の「戦勝記念」パレードは、第2次世界大戦における日本の降伏と戦争終結80年を記念する式典の一環。
プーチン氏と金氏は、ほかの26カ国の首脳と共にパレードに参加する予定。北朝鮮の指導者が中国の軍事パレードに出席するのは1959年以来。
中国は、数百もの航空機や戦車、対ドローン・システムなど最新兵器を披露するとみられる。軍事パレードで中国軍の新たな戦力構造が全面的に披露されるのは、今回が初めて。
精密に演出されるこの行事では、中国軍の45の部隊の兵士や退役軍人ら数万人が、歴史的な天安門広場を隊列を組んで行進する。
習氏は会場で、70分間にわたる軍事パレードを見届ける予定で、アナリストや西側諸国の関係者たちから注目されると予想される。
中国外交部(外務省)は28日の記者会見で、中国政府は隣国である北朝鮮との数十年にわたる「伝統的な友好関係」をたたえるとしたうえで、両国は「地域の平和と安定」のために引き続き協力していくと述べた。中国は北朝鮮の最も緊密な友好国の一つ。
北朝鮮は、2015年の中国の戦勝記念軍事パレードに崔竜海(チェ・リョンヘ)党書記(当時)を派遣しているが、今回は北朝鮮のトップが出席する。
金氏がプーチン氏や習氏と並んで出席する今年の式典は、意義深いものになるだろう。習氏にすれば、両首脳から直接情報を得ることで、トランプ氏とのいかなる会談にも、これまで以上に自信を持って臨めるようになる。
ホワイトハウスは、トランプ氏が数週間後にアジアを訪問する可能性を示唆している。公式には認めていないが、トランプ氏は関税交渉などで合意するために習氏との会談には前向きとみられる。
金氏が北京を訪れるのは、両国の国交樹立70年記念行事に出席した2019年以来6年ぶり。
2018年にも3度北京を訪れた。海外渡航に消極的な金氏としては、とりわけ外交活動が活発な年だった。

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西側諸国の大半の指導者は、ロシアによるウクライナ侵攻に反対し、プーチン政権に制裁を発動していることから、今回の軍事パレードには出席しないと見られる。
一方で、中国政府はこれまでのところ、プーチン氏が始めた戦争を批判していない。むしろ、軍事侵攻を支援していると、アメリカやその同盟国などから非難されている。中国はこれを否定している。金氏は、軍事侵攻のためにロシアに武器を提供し、兵士を派遣している。
軍事パレードに出席する指導者の顔ぶれは、中国の台頭と、中国と世界の関係の変化を反映している。
出席者にはインドネシア大統領とマレーシア首相が含まれる。これは、中国が東南アジア諸国との関係強化に取り組んでいることを改めて示している。シンガポールなどは、下級代表団を派遣するという。
国際的に孤立し、中国との貿易や援助に大きく依存しているミャンマーの軍事政権トップ、ミンアウンフライン総司令官も出席する予定。
欧州連合(EU)加盟国からの出席者は少なく、首脳レベルはスロヴァキアのロベルト・フィツォ首相のみ。ブルガリアとハンガリーは代表団を派遣する。
2015年の軍事パレードには、チェコのミロシュ・ゼマン大統領(当時)が出席したほか、ポーランド、フランス、ハンガリー、イタリア、オランダ、イギリスは国会議長や政府特使を派遣した。











