トランプ前米大統領をゴルフ場で狙ったとされる男性、暗殺未遂で起訴

ライアン・ウェスリー・ルース被告

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アメリカの検察当局は24日、ドナルド・トランプ前大統領を狙ったとしてフロリダ州のゴルフ場近くで逮捕されたライアン・ウェスリー・ルース被告(58)を、大統領候補に対する暗殺未遂罪で起訴した。

23日に裁判所に出された文書では、ルース被告が前大統領を殺すつもりだなどとするメモを事件の数カ月前に書いていたことが明らかになっていた。

ルース被告はすでに、銃犯罪に絡む二つの連邦法違反の罪で訴追され、最長20年の禁錮刑が科される可能性がある。

しかし、大統領候補の暗殺未遂という深刻な罪で有罪となった場合、終身刑となる可能性も出てきた。

米司法省のメリック・ガーランド長官は声明で、「公人を標的にした暴力は、わが国のすべてを危険にさらす」と述べ、ラウス被告の責任を追及するために「あらゆる手段を用いる」と述べた。

11月の大統領選の共和党候補であるトランプ前大統領は、政府がこの事件の扱いを誤っていると非難している。23日にはソーシャルメディアに、司法省は「フロリダ州に事件を任せるべきだ!」と投稿した。

しかし、ガーランド長官はこの主張をはねつけ、司法省は「法に則り」、州当局に「協力し、支援を求める」と述べた。

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8ページにわたる起訴状によると、ルース被告は暗殺未遂容疑に加え、暴力犯罪を助長する目的での銃器所持、重罪で有罪判決を受けた人物による銃器所持、シリアルナンバーが抹消された銃器所持、連邦職員への暴行の各罪状について起訴された。

ルース被告はシークレットサービスの特別職員に対し「暴行、反抗、妨害、威嚇、干渉をした」という。

同被告は30日に罪状認否のために出廷し、そこで申し立てを行う予定。

裁判文書によると、この訴訟は無作為抽出によってアイリーン・キャノン連邦地裁判事に割り当てられた。

南フロリダの連邦地裁のキャノン判事は昨年、トランプ候補の連邦機密文書訴訟を担当し、今年7月にこれを却下した。この判決は現在、控訴されている

別の判事は23日、ルース被告の拘留を命じた。検察は同被告について、逃亡の恐れがあり、地域社会にとって危険だと主張していた。

ラウス被告は事件当日の15日に逮捕されて以降、南フロリダの拘置所に拘留されている。

この事件では、トランプ候補がゴルフをしていたウェストパームビーチのトランプ・インターナショナル・ゴルフ・クラブで、茂みからライフル銃の銃身がのぞいているのを米大統領警備隊(シークレットサービス)が発見。そこにいたルース被告に向かって3発、発砲した。

ルース被告は発砲せず、武器などを置いて現場を離れた。シークレットサービスは、トランプ候補を安全な場所へと移動した。

ルース被告はその後、目撃者によって高速道路で発見され、拘束された。

23日には、ルース被告が数カ月間にわたってトランプ候補暗殺を計画していたことを示唆する証拠が、裁判書類から明らかになった。

氏名の明かされていない人物に送られた、「世界」に宛てた形式のメモは、今回の暗殺未遂事件をあらかじめ説明するような内容だった。

そこには、「これはドナルド・トランプを暗殺する試みだった」、「私は全力を尽くし、度胸のすべてを出し切った」と書かれていた。

また、「仕事を完遂してくれる人」には現金で報酬を支払うと書いてあった。

トランプ候補は7月にも、ペンシルヴェニア州の支援者集会で発砲され、負傷している。会場近くの建物の屋根からAR型のライフルで前大統領に向けて発砲したとみられるトマス・マシュー・クルックス容疑者(20)は、その場で射殺された。

息子を児童ポルノ所持容疑で逮捕

これとは別に、ルース被告の息子、オラン・ルース容疑者が24日、児童ポルノの受領と所持の連邦法違反容疑で逮捕された。

当局は先週末、父親のルース被告の捜査に関連し、ノースカロライナ州にあるオラン容疑者の住居を捜索。その際に「数百件」ものポルノ画像のファイルを発見したという。