アフガニスタンのタリバン政権とパキスタン、短期の停戦で合意

停戦前の首都カブールの爆発現場から立ち上る煙(15日)

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画像説明, 停戦前、アフガニスタンの首都カブールの爆発現場から立ち上る煙(15日)

ハイフィズラ・マルーフ(BBCアフガン語)、マフーズ・ズバイデ(BBCプロデューサー)、キャリー・デイヴィーズ・パキスタン特派員

アフガニスタンのタリバン政権とパキスタンは15日、一時的な停戦に合意したと発表した。両国間ではこの日、国境付近で新たな衝突が発生したほか、パキスタンがアフガニスタンの首都カブールと同国第2の都市カンダハルに空爆したと報じられている。

両国は、相手側が48時間の停戦を要請したとそれぞれ主張している。パキスタンは、停戦がグリニッジ標準時15日午後1時(日本時間午後10時)に発効したと述べている。

これに先立ち、2023年からアフガニスタンを掌握しているイスラム主義組織タリバンの報道官は、パキスタン軍の攻撃により民間人12人が死亡し、100人以上が負傷したと述べた。両国とも、相手側に多数の死傷者が出たと主張しているが、死者数を独立して確認することはできない状況となっている。

一連の暴力は、アフガニスタンで先週、爆発が発生して以降激化しており、タリバン政府はこの爆発の責任をパキスタンにあると非難している。一方タリバンは、パキスタンを標的とする武装勢力をかくまっているとの指摘を否定している。

15日には、両国が互いに致命的な衝突を先に仕掛けたと非難し合った。

パキスタン軍は、自国の部隊がスピン・ボルダク国境地区で「アフガンのタリバン15〜20人」を殺害し、多数を負傷させたと発表した。一方、タリバン政権の報道官は、多数のパキスタン兵が死亡したと述べている。

その後、カブールとカンダハルで爆発が発生し、緊張がさらに高まった。爆発から1時間以内に、パキスタンは停戦を発表した。

「この期間中、双方は建設的な対話を通じて、この複雑ではあるが解決可能な問題に対し、前向きな解決策を見いだすために誠実な努力を行う」と、パキスタン外務省は述べた。

タリバン政権の報道官は、部隊に「誰も攻撃を仕掛けない限り」停戦を尊重するよう命令したと述べた。

パキスタン国営メディアは、同国軍がカンダハル州およびカブールの標的に対して空爆を実施したと報じている。

空爆については、パキスタン軍からの公式な発表はなく、タリバン政権も正式に確認したとはしていない。タリバン政権の報道官はソーシャルメディアに、石油タンカーと発電機が爆発したと投稿したが、この爆発をパキスタンとの戦闘と関連付けてはいない。

しかし、タリバン政権の関係者はBBCに対し、カブールが2回の空爆を受けたと語った。首都上空には黒煙が立ち上り、タリバン当局は一部の道路を封鎖した。

カブールの緊急外科センターは、爆発後に40人を受け入れたと発表。うち5人は搬送時にすでに死亡していたという。

暗い色の服を着てターバンを頭に巻いた男たちが、緑色のミサイル発射台の周りに座っている

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画像説明, パキスタン軍とタリバン政府は、アフガニスタン国境のスピン・ボルダク地区での攻撃について、互いに相手が始めたと非難し合っている

両国は、国境での主導権争いだけでなく、ソーシャルメディア上で相手により大きな損害を与えていると主張し、世論の支持を得ようとしている。

一連の戦闘は、週末に激しい国境衝突が発生した後に起きたもの。タリバン側はパキスタン兵58人を殺害したと主張している。一方、パキスタンは「タリバンおよび関連するテロ組織」200人を殺害したと述べている。BBCは、両国が発表した死者数を独自に確認できていない。

15日の戦闘は、数日間続いていたもろい平穏を打ち砕いた。

戦闘およびその余波とされる映像が、インターネットやメッセージングのグループ上で共有されている。これには、死者とされる人物の映像や、夜間暗視カメラによる粗い映像に、破壊された検問所とされる場所が映っているものなどが含まれている。BBCはこれらの映像を検証していない。

アフガニスタンのスピン・ボルダクにいる情報提供者はBBCに対し、現地時間25日午前4時ごろに衝突が発生したと語った。スピン・ボルダクの国境検問所から約1キロメートルの場所に住む別の住民は、「非常に激しい衝突がほぼ5時間続いた」と述べた。

「ドローンや戦闘機が頭上を飛んでいるのが見える。親族の中には負傷した者もいる」と、その人物は語った。

スピン・ボルダクの病院の医師はBBCに対し、「病院に運ばれてきた遺体は7体、負傷者は36人だった」と述べており、その中には男性、女性、子どもが含まれていたという。

医師は、状況は「緊迫している」とした上で、さらに多くの負傷者が病院に搬送されていると語った。

アフガニスタンのスピン・ボルダクにいるタリバン幹部はBBCに対し、「昨夜からの激しい衝突により、数百世帯が避難を余儀なくされている」と述べた。この幹部は、パキスタン軍の戦闘機によってタリバンの複数拠点が攻撃されたことを受け、「厳戒態勢にある」と語った。また、パキスタン軍兵士2人の遺体を確保していると付け加えた。

一方、パキスタン北西部の国境地帯でも、夜間に別の衝突が発生。パキスタン軍はタリバンおよびパキスタンのタリバンの戦闘員25〜30人が殺害された「とみられる」と発表している。

こうした衝突を受けて、中国やロシアを含む各国から緊張緩和を求める声が上がっている。アメリカのドナルド・トランプ大統領も、和平の仲介に乗り出す可能性を示唆している。

国連のリチャード・ベネット・アフガニスタン人権状況特別報告者は15日、「民間人の死傷および避難に関する報告に深く懸念している」とソーシャルメディアに投稿した。

「すべての当事者に対し、最大限の自制を求める。民間人を保護し、国際法を遵守するよう強く訴える」と、ベネット氏は述べている。

パキスタンは長年にわたり、アフガニスタンのタリバンが、「パキスタンのタリバン運動」(TTP)として知られる武装組織に自国領内での活動を許し、パキスタン政府に厳格なイスラム主義体制の導入を求めて戦うことを許していると非難してきた。

タリバン政権は、一貫してこの主張を否定している。