アフガニスタンでインターネット復旧、タリバンによる遮断から48時間後 国民は歓喜

オレンジ色の服に緑色のシャツを羽織ったアフガニスタン人男性が、コンビニエンスストアの前で黒色のスマートフォンを操作している

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画像説明, アフガニスタンの国境の町スピン・ボルダックで、インターネットが復旧して使えるようになったスマートフォンを見る男性(1日)

アフガニスタン全土で1日、インターネットと通信サービスが復旧した。同国のイスラム主義勢力タリバンの政権による遮断から48時間後の再開に、国民は歓喜し、街頭に繰り出した。

アフガニスタンでは、タリバンが先月29日に通信を遮断したことに、非難の声が広がっていた。

現地の記者は1日、通信が再開されたと伝えた。一方で、インターネット監視機関「ネットブロックス」は、「接続が部分的に復旧」したことがネットワークデータで示されたと発表した。

タリバン政権の首相がインターネットの復旧を命じたことを、政権に近い情報筋はBBCアフガンに認めた。

48時間にわたった通信遮断は、ビジネスや航空便に混乱をもたらし、緊急サービスへのアクセスを制限した。2021年のタリバン復権以降、アフガニスタンで権利を著しく侵害されてきた女性や少女が、これまで以上に孤立するのではないかとの懸念も高まった。

首都カブールでは1日夜、数百人の市民が街頭に繰り出し、インターネットが戻ったことを伝えあった。

男性はBBCアフガンに対し、「みんな携帯電話を持って、親戚と話をして、喜んでいる」と語った。

「女性も男性も、タリブス(タリバンのメンバー)も、サービスが復旧してから電話をかけていた。街には以前より人が集まっている」

カタールにいるタリバンのスハイル・シャヒーン上級報道官は、1日午後までに「すべての通信」が復旧したと述べた。

タリバン政権は、通信遮断について正式な理由を説明していない。

アフガニスタン人男性が、カブール市内の屋台でチキンを焼いている
画像説明, カブールの街中には、インターネットや電話サービスの復旧を喜ぶ人々が集まった。画像は、通信の復旧後にカブール市内の屋台でチキンを焼く男性

一方で、北部バルフ州のタリバン側の知事の報道官は先月、インターネットの遮断は「不道徳防止のため」だと述べていた。

2021年の政権復帰以来、タリバンは独自のイスラム法(シャリア)の解釈に従い、数々の制限を課している。

現在、女性は12歳を超えて教育を受けることが禁じられている。そのため、インターネットが外の世界につながる命綱になっていると、複数のアフガニスタン人女性はBBCに語った。

女性の就労機会も大幅に制限されている。9月には女性が書いた書籍が大学から撤去された

インターネットの遮断を受け、国連は、アフガニスタンが外界からほぼ完全に遮断されたと指摘していた。

そして、「経済的安定を脅かし、世界最悪の水準の人道危機を悪化させるなど、アフガニスタン国民に重大な損害を与える」恐れがあるとしていた。

現地の人がBBCに話したところでは、通信が遮断されている間、カブール中心部はすっかり静まり返り、銀行は閉鎖され、ショッピングセンターも閑散としていたという。

外国為替市場ではすべての国際送金が停止され、国外にいる家族からの重要な資金がアフガニスタンに届かなくなった。

国外で暮らすアフガニスタン人たちは、国内に残る家族にメッセージが届くことを期待して、BBCアフガンのラジオ番組に電話をかけた。

旅行代理店は閉鎖されるか、顧客への情報提供だけに業務が縮小された。同国を離発着するフライトは欠航となった。

店主の1人は、「徐々に死んでいくようなものだ」とBBCに語っていた。「希望もなく、進歩する機会もなく、言論の自由もなく、子どもの未来に明るい展望もない。学んだことをいかせる場がなければ、事業が安定することもない」。

しかし1日にインターネットが復旧し、電話で連絡を取り合えるようになると、街の雰囲気は一変した。

宅配ドライバーのソフラブ・アフマディさんは、「まるで(イスラム教の祭りの)イード・アル・アドハーだ。礼拝に行く準備をしているような気分だ」と語った。

「みんな心の底からすごく喜んでいる」

2021年にアフガニスタンから逃れ、現在はイギリスで教育を受けている24歳のマフさんは、現地に残る家族とようやく話ができた時に涙が止まらなかったという。

「母と話せて、泣いてしまった。うれしくて」と、彼女は述べた。「少なくとも声は聞けたので」。

そしてこう続けた。「アフガニスタンでは次に何が起こるか分からない。何もコントロールできていないから」。