アフガニスタンでインターネット遮断、タリバンの「道徳的措置」か

画像提供, WAKIL KOHSAR/AFP via Getty Images
アフガニスタンのイスラム主義勢力タリバンの暫定政権は29日、全国的に通信を遮断した。同国では数週間前から、光ファイバーによるインターネット接続が切断され始めていた。
インターネット監視団体「ネットブロックス」は同日夜、「アフガニスタンは現在、タリバン当局による道徳的措置の実施により、インターネットが全面遮断されている。複数のネットワークが朝にかけて段階的に切断される。電話サービスも現在影響を受けている」と、ソーシャルメディアのマストドンに投稿した。
複数の国際的な通信社は、首都カブールのオフィスと連絡が取れなくなったとしている。モバイル通信や衛星テレビにも、深刻な障害が全国で生じているもよう。
タリバンは、遮断について正式な理由を説明していない。2021年の政権復帰以来、タリバンは独自のイスラム法(シャリア)の解釈に従い、数々の制限を課している。
タリバンの当局者は、通信遮断は追って通知があるまで続くと述べた。
アフガニスタンの民間メディアのトロ・ニュースは、同社のテレビとラジオに支障が出ると予想されるとし、ソーシャルメディアの同社のページで最新情報を得るよう伝えている。
現地メディアによると、カブール国際空港を出発予定の航空便にも支障が出ているという。フライト追跡サービス「フライトレーダー24」によると、同空港で30日に発着予定だった少なくとも8便がキャンセルとなったという。
カブール市民らがBBCに話したところでは、先週の平日が終わる26日午後5時(日本時間午後9時半)ごろに、光ファイバーのインターネット通信が使えなくなったという。
そのため多くの人は、銀行業務やその他のビジネスが再開される30日朝まで、その影響に気づかないとみられた。
光ファイバーケーブルは超高速でデータを転送し、世界のインターネットの大部分で使用されている。
ビジネス界が影響を懸念
アフガニスタンのいくつかの州ではしばらく前から、インターネットの通信の遅さや、接続できないことに不満の声が出ていた。
タリバンは、インターネットアクセスの代替ルートが作られるとしていたが、詳細は明らかにしていない。
アフガニスタンの人々は、インターネットの禁止が続けば、自分たちのビジネスや生活に深刻な打撃が及ぶと話している。
ニュースチャンネルの「1TV」の元編集長ハミド・ハイダリ氏は、インターネットが遮断された後、「国全体が孤独に包まれた」とXに投稿。「アフガニスタンはいま、北朝鮮との(インターネットの)切断競争で、公式に1位になった」とした。
アフガニスタンの元国会議員で、現在はアメリカに拠点を置くマリアム・ソライマンクヒル氏は、「アフガニスタン国内からアフガニスタン人の声が聞こえないオンラインの沈黙は、耳をつんざく」と、Xのオーナーのイーロン・マスク氏のタグを付けて投稿した。
今回の遮断は、タリバンが政権に復帰して以来実施している、一連の制限措置の最新例だ。
今月初めには、タリバンは人権やセクシャル・ハラスメントの教育を違法とする新たな禁止令の一環として、女性が書いた本を大学教育システムから排除した。
アフガニスタンでは、子どもを含めた女性が、タリバンの規制の影響を特に大きく受けている。女性は12歳を超えて教育を受けることが禁じられている。助産師の養成コースは、女性が教育を受け続けられる数少ない道筋になっていたが、2024年末にひっそりと廃止された。
タリバンは2021年、米軍などの外国軍が撤退した数週間後に、電光石火の首都進入でアフガニスタンを掌握した。











