トランプ大統領、習主席がTikTok取引を承認と発表 来月にも首脳会談

画像提供, Reuters
バーンド・デブズマン・ジュニア記者(ホワイトハウス)、リリー・ジャマリ記者(サンフランシスコ)
アメリカのドナルド・トランプ大統領は19日、中国の習近平首相と電話会談を行い、動画共有アプリ「TikTok」のアメリカ事業の今後に関する合意を、両者が承認したとホワイトハウスで記者団に述べた。また、来月韓国で開催されるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議で習氏と会談する予定だと発表し、来年には中国を訪問する意向も示した。
今回の合意によって、TikTokのアメリカ事業が、アメリカの投資家グループに売却されるものとみられる。
アメリカはかねて、国家安全保障上の懸念を理由に、TikTokを運営する中国企業バイトダンスに対し、事業売却かアメリカでのサービス停止を迫っていた。
しかしトランプ氏は、これまで4回にわたりこの期限を延期し、今週初めにも、期限を12月まで延長していた。
トランプ氏は自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、「生産的な」電話だったと記し、合意の承認について習氏に「感謝している」と述べた。
また、ホワイトハウスの記者団に対し、合意にはまだ署名が必要だと述べ、近く正式な手続きが行われる可能性があることを示唆した。
トランプ氏は、「この合意が成立することを楽しみにしている」とし、アメリカがこのアプリを「非常に厳格に管理する」ことになると付け加えた。
一方、中国の国営・新華社通信は、両首脳の協議の結果について明確には伝えておらず、習近平国家主席が「TikTokに関する交渉を歓迎する」と述べたと報じた。
また、中国政府のTikTokに対する立場は「極めて明確」であり、企業が「市場のルールに基づいて商業交渉を行い、中国の法律および規制、ならびに利害の均衡に適合する解決策に到達すること」を歓迎すると報じた。
同紙によると、中国政府が「アメリカが中国企業の対米投資に対し、開かれた、公平で、差別のないビジネス環境を提供することを望む」と表明しているという。
バイトダンスが発表した声明も、取引の進展状況にいっそうの疑念を投げかけている。
同社の広報担当者は19日、「バイトダンスは、TikTok USを通じてアメリカの利用者がTikTokを引き続き利用できるよう、適用される法律に従って対応する」と述べた。
そのうえで、「アメリカ国内でTikTokを維持するための両首脳の尽力に感謝する」としている。
交渉における難航点のひとつは、TikTokをアメリカで利用する1億7000万人にコンテンツを配信する強力なアルゴリズムは、誰が所有権するのかだとみられている。
報道によると、この取引では、オラクルを含むとされるアメリカ企業のグループが、バイトダンスからライセンス供与を受けたアルゴリズム技術を用いて、TikTokがアメリカ国内での運営を継続できるようにする見通しだ。オラクルは、トランプ氏の盟友でもあるラリー・エリソン氏が共同創業した。
トランプ大統領も第1期の在任中はTikTokの禁止を求めていたが、その方針を転換。今月18日には、このTikTokを2024年の選挙活動における重要な要素と見なしていると述べた。
訪英中のこの日、キア・スターマー英首相と並んで発言したトランプ氏は、TikTokにはアメリカにとって「非常に大きな価値がある」との認識を示した。
「この事業に投資している人々は、世界でも屈指の投資家たちだ」とトランプ氏は述べ、「彼らは素晴らしい仕事をするだろう。我々はこれを、中国と連携して進めている」と述べた。
それでもなお、米与党・共和党内の議員を含む多くの米連邦議会議員が、この取引に対して不安感を示している。その理由として、バイトダンスと中国共産党との関係に対する継続的な懸念を挙げている。
米連邦下院の中国共産党特別委員会で委員長を務めるジョン・モーレナー議員(共和党、ミシガン州)は声明で、「報道されているライセンス契約では、新たなTikTokがバイトダンスのアルゴリズムに引き続き依存する可能性があり、それによって中国共産党による支配や影響力が続くかもしれないと懸念している」と述べた。
米司法省も以前、TikTokがアメリカの利用者データにアクセスできることが、「極めて深刻かつ幅広い国家安全保障上の脅威」をもたらすとの懸念を示していた。
習氏との会談を発表、来年の訪中も示唆
トランプ氏は「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、習氏との電話会談では貿易問題についても「進展があった」と報告。10月末に韓国・慶州市で開催予定のAPEC首脳会議で習氏と会談する予定だと述べた。
「習国家主席と、韓国でのAPECサミットで会うこと、そして来年早々にも自分が中国を訪問することで合意した」とトランプ氏は述べ、習主席も「適切な時期」にアメリカを訪問するだろうと付け加えた。
習主席とトランプ大統領による電話会談は、今年に入って2回目となる。
6月、両首脳は中国によるレアアース(希土類)の輸出について協議し、中国側がアメリカ企業に対して「一定数」の輸出許可を承認すること、また、これらの鉱物から製造された磁石の輸出も認めることで合意した。
ここ数カ月間で、中国とアメリカの当局者は4回にわたり協議を重ねており、現時点では極めて高い関税や厳格な輸出規制の実施を見送っている。
アメリカ政府はすでに、合成麻薬フェンタニルの密輸に関連しているとする一部の中国製品に対して、20%の関税を課している。
技術輸出規制や中国によるアメリカ農産物の購入など、その他の難題については、現時点では解決に至っていない。










