【解説】 ロシア、外交舞台に復帰 すぐ主導権握る振る舞い

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サラ・レインズフォード東欧特派員
ロシアとアメリカの高官が再び、巨大なテーブルを囲み、協議している。驚くべき光景だ。
これは多くの人にとって、とりわけ、大半のウクライナ人にとっては、かなり受け入れがたいことだろう。
ロシア政府はサウジアラビアで、ある大きなことを成し遂げた。3年におよぶ隣国ウクライナとの全面戦争と、西側諸国からの孤立を経ての、国際外交の「トップレベルのテーブル」への復帰だ。
だがそれだけではない。ロシアはまるで、自分たちが主導権を握っているかのようだった。
ウクライナ各地では今も、空襲警報が鳴り響いている。そうした状況でロシアは、主導権を握っているのは自分たちだというイメージを打ち出そうとしているのだ。
ロシアは敗北し、交渉のテーブルにつかされたのではない。アメリカが侵略者を招き、和平への条件を設定しようとしたのだ。
確かに、米政府関係者は、ロシアが和平に本気かどうかを探り、確認するためにこのプロセスを取ったと言っている。
しかし、ドナルド・トランプ米大統領はすでに、自らの結論を出している。12日にロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話で協議した後、プーチン氏について、「人々が死ぬのを止めたいと思っている」と述べたのだ。
トランプ氏は、軍を完全撤退させるようプーチン氏に求めることもできた。
しかし、そうしなかった。トランプ氏が昨年の米大統領選で有権者に約束した通り、ロシアと戦争を終わらせるために取引し、その先に進みたいと考えているのは明らかだ。
ロシアの本気度は
リヤドでの4時間を超える協議の後、マルコ・ルビオ米国務長官は記者団に対し、交渉にむけた最初の一歩を踏み出すことでロシアと合意したと発表した。両国は今後、交渉チームを設置するという。
ルビオ氏は、ロシアには戦争を終わらせるための「真剣なプロセス」に取り組む用意があるとした。
しかし、ルビオ氏はなぜ、それほどの確信を持ったのだろうか。
テーブルの反対側に着席したのは、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相だった。米財務省は、ロシアが「残忍な戦争を選択」したことをめぐり、ラヴロフ氏に制裁を科したままだ。
ラヴロフ氏はロシア・メディアに対し、アメリカから、エネルギー・インフラに対する攻撃についてのモラトリアム(一時停止)の提案があったと語った。
この提案に対し、ラヴロフ氏は「我々が民間のエネルギー供給を危険にさらしたことはなく、ウクライナの軍事に直接役立つものだけを標的にしていると説明した」という。
ラヴロフ氏の説明は、事実ではない。
私自身、ロシアのミサイルが直撃し、廃墟と化したウクライナの民間発電所を訪れたことがあるからだ。
アメリカは、こういう国と関わり合おうとしている。ロシアが信頼に足る相手ではないことを示す証拠は十分そろっている。
さらにロシアは、譲歩する気配をまったく見せていない。トランプ政権がすでに、ロシアの要求通り、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟する可能性も、ロシアに占領された領土を取り戻す可能性も否定している状況で、なぜ譲歩などしようと思うだろうか。
だからこそ、ウクライナの友好国にとっては、サウジアラビアのきらびやかなテーブルについた米ロ高官の姿だけでなく、彼らがどのように話をしたのかも気がかりだった。
将来的な投資のための「土台作り」という言い回しは、制裁解除を約束しているかのように聞こえる。そして、ロシアの侵略戦争の責任を追及することをしないのは、まるで報酬を与えるかのようだ。
もちろん、交渉はまだ始まったばかりだ。
しかし、ロシアの政府関係者や国営メディアは、ロシアが自分たちがいるべきだと考える場所、つまり、アメリカと対等に向き合う地位に復帰したと感じている。











