アメリカとインドネシア、関税交渉で合意 当初発表より引き下げ

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アメリカのドナルド・トランプ大統領は15日、関税交渉でインドネシアと合意したと発表した。両国によると、インドネシアに対する税率は、予定されていた32%から19%に引き下げられる。
トランプ氏は、米企業がインドネシア市場への「完全なアクセス」を得るのと引き換えに、関税で合意したとした。
インドネシアのプラボウォ・スビアント大統領は、この合意はアメリカとの「相互利益の新時代」の始まりを示すものだと、インスタグラムで書いた。また、16日にはジャカルタで記者団に、トランプ氏は「かなりタフな交渉相手」だと述べた。
トランプ氏は今月になって、停止中の各国への高率関税を8月1日から課す意向を伝える警告書簡を数十カ国に送っている。送付先には、欧州連合(EU)、カナダ、メキシコ、日本、韓国など、アメリカの主要貿易相手国すべてが含まれている。
インドネシアも先週、32%の関税を課すという書簡を受け取っていた。合意が近いと考えていたインドネシア政府の関係者らは、これに当惑したとされる。
トランプ氏は15日、プラボウォ氏と電話で協議した後に、この税率を19%に引き下げたと述べた。
また、インドネシアが米製品への関税を引き下げることに同意したと説明した。アメリカはこれまで、多くの農産物や特定の製品について、インドネシアが高率の関税を課していると不満を表明していた。
トランプ氏はその後、ソーシャルメディアへの投稿で、インドネシアがアメリカからエネルギー製品を150億ドル(約2.2兆円)、農産物を45億ドル、ボーイング製ジェット機を50機、それぞれ購入することに合意したとした。
「折り合えた」とインドネシア大統領
プラボウォ氏は、合意の具体的な条件は明らかにしなかったが、トランプ氏が示した条件について、記者団への説明の中で大まかに言及。「私たちは航空機が必要で、向こうは売りたがっている」、「ボーイングはとてもよい。エアバスとも仕事を続けていく」と話した。
また、「私たちには必要なものがある。たとえば燃料やガス、小麦、大豆などはまだ輸入している。そうした中で、私たちは折り合うことができた」と述べた。
プラボウォ氏は、米製品に対する関税がゼロになるのかは直接触れなかったが、「すべてについて交渉した」と述べた。
そして、「私たちにも立場がある。これが私たちのオファーであり、これ以上買う余裕はない。しかし、私にとって重要なのは、私たちの労働者が安全であることだ」とした。
インドネシアは、アメリカの貿易相手国のトップ25に入っている。昨年は衣類や履物、パーム油など約280億ドル相当の製品をアメリカに輸出した。
米カリフォルニア州のポモナ大学のスティーヴン・マークス教授(経済学)は、インドネシアにとって、今回の合意の利益は「経済的というよりも政治的なものだ」と述べた。
米政府が関税交渉で合意に至ったのは、今回のインドネシア以外では、イギリス、中国、ヴェトナムだけだ。これら3カ国との合意では、アメリカは高率の関税を維持し、重要な問題や条件については不透明または未解決となっている。
トランプ政権1期目で経済担当補佐官の一人だったエヴェレット・アイゼンスタット氏は、ホワイトハウスは今後数週間でさらなる合意を発表するだろうと述べた一方、多くの国は期待値を下げているように見えるとした。
同氏はまた、カナダのマーク・カーニー首相が15日、以前は考えられなかった税率の関税を受け入れる可能性を示唆したことに言及し、「トーンはかなり変わってきている」と指摘。
そして、合意はないよりあったほうがいいとし、「各国政府にとっては、交渉に背を向けるのではなく、テーブルにつくのがベストだと思う」と付け加えた。











