アフガニスタン東部地震、死者800人超える 生存者は屋外で一夜過ごす

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アフガニスタン東部で8月31日夜に発生したマグニチュード(M)6.0の地震で、2日朝までに死者は800人を超え、負傷者は数千人に上った。生存者が屋外で一夜を過ごす中、救助活動が続けられた。
死者の大半は、震源地に最も近かった山岳部クナル州で犠牲になった。複数の村全体が壊滅したことから、死者数がさらに増える可能性があると当局は警告している。
すでに複数の国が支援を表明しているが、一部の村にはなかなかたどり着けない状況が続いている。また、地元の医療施設はひっ迫している。
地震発生の前からアフガニスタンは、深刻な干ばつに見舞われている。さらに、2021年にイスラム主義勢力タリバンが政権を掌握したことを受けて国際的援助が打ち切られ、世界食糧計画(WFP)から「前例のない飢餓危機」に直面していると指摘されている。そうした中で、今回の災害が発生した。
米地質調査所(USGS)などによると、地震は午後11時47分(日本時間1日午前4時17分)ごろ発生した。震源地は、東部ナンガルハル州の州都ジャララバードから27キロメートルの地点。震源の深さは比較的浅い8キロメートル。
クナル川沿いのアサダバードで暮らすファリドゥラ・ファズリ氏は、自宅で眠っていたところ、地震の揺れで目を覚ましたという。
「とても強い地震で、恐ろしい音が聞こえた」と、ファズリ氏はBBCに話した。
「朝まで眠れなかった。(最初の)地震の後も小さな揺れが続いたし、今も揺れが続いている」
ファズリ氏は町の診療所に向かい、ナンガルハル州南部の病院へ向かう救急車に死傷者を乗せるのを手伝ったという。
「とても怖い状況で、ただただ不安と恐怖が漂っていた」と、ファズリ氏は述べた。
クナル州ヌルガル地区マザル・ダラの住民によると、村の95%は破壊された。どの家庭にも、5~10人の負傷者が出たという。

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被害が最も深刻だったクナル州は険しい山岳地帯で、農地が限られている。ここでは曲がりくねった山道が多く、住宅は粘土や石、泥で造られている。
この地域では、数日前に大規模な洪水や地滑りも発生し、多くの場所が孤立していた。
道路が寸断されているため、政府は空からの救助活動を行っている。救助隊がヘリコプターで被災地に到着できたのは、1日朝になってからだった。
クナル州のタリバン当局者は、「複数の村全体が壊滅し、山奥へ続く道路の封鎖が続いている。我々にとっていま優先されるのは、がれきの下の遺体を捜索することではなく、負傷者にたどり着くことだ」と述べた。
がれきの下に何時間も閉じ込められ、救助を待つ間に死亡した事例が複数報告されている。
救助活動に参加しているサイード・ラヒーム氏は、これまでに多くの人が救出されたものの、まだ閉じ込められている人がいるかもしれないと述べた。
「複数の家屋が倒壊し、岩の下に閉じ込められたままの人たちがいるというメッセージが、私たちに届いている」と、ラヒーム氏はBBCに話した。
山間部の村人たちは助け合いながら、倒壊した建物の中で死傷者を捜索している。
地元の赤十字報道官ジョイ・シンガル氏は、カタールの衛星放送局アル・ジャジーラに対し、生存者たちは余震を恐れており、たとえ自宅が倒壊していなくても、中に入ることをためらうだろうと話した。被災地でテントが不足しているとも述べた。
地震発生を受け、中国、インド、イギリス、スイスなど複数の国が支援を表明している。デイヴィッド・ラミー英外相は、イギリスの緊急資金は「最も被害の大きい地域に対して重要な医療と緊急物資を届ける、パートナー国を助ける」ものだと述べた。

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ナンガルハル州ジャララバードの主要病院は、隣国パキスタンから強制送還される数万人のアフガニスタン人の移動経路に位置しており、すでにひっ迫している。
1日には、負傷者や、親族を探す人々、ボランティア、救助隊が病院内を走り回るなど、混乱した光景が広がっていた。
地震で家族を失い悲しみに暮れる女性や、ぼう然として誰とも話せない様子の高齢男性の姿もあった。
医師によると、地震発生以来、約460人の被災者が搬送され、うち250人が入院し、残りは治療を受けて病院を離れたという。
被災地域ではもともとインターネットの接続が限られていたため、通信や調整が困難な状況にある。

アフガニスタンは2021年8月からタリバンの支配下にある。タリバン政権を承認している外国政府は、ロシアのみ。
強硬なイスラム主義勢力タリバンが権力を掌握したことを受け、複数の援助団体やNGOはアフガニスタン国内での活動を停止した。
外国からのアフガニスタン支援の大半は停止されている。また、1990年代にタリバンが初めて政権を握った時代から続く制裁措置も依然として有効だ。一方で、人道支援に関しては一部例外が認められている。
イギリスは、国連人口基金と赤十字に緊急資金を拠出することになる。
アフガニスタンは、インドプレートとユーラシアプレートがぶつかる断層の上に位置しているため、地震が非常に起こりやすい。
2023年には、西部ヘラート州での一連の地震で1000人以上が死亡。その前年の地震では、東部パクティカ州で約2000人が死亡している。
今回の地震でこれほどの死者が出た原因は、震源の深さが8キロメートルと比較的浅かったことにある。首都カブールのほか、隣国パキスタンでも揺れが感じられた。震源が浅い地震とは、震源が地表から70キロメートルより浅いものを指す。
アフガニスタンでは震源が浅い地震はめずらしくない。特に、プレートテクニクス(プレートの運動によって地質現象が起こること)が起きるヒマラヤ山脈のふもとで見られる。












