アフガニスタンで国際NGO、活動を停止 タリバンの女性職員禁止令で

ナターシャ・プレスキー、ネギーン・サディド、BBCニュース

Women at a Save the children clinic

画像提供, EPA

画像説明, 国際支援団体は、女性職員の活動禁止は救命活動に直接影響すると訴えている

アフガニスタンでイスラム武装勢力タリバンが非政府組織(NGO)で女性が働くのを禁止したことを受け、同国の5つの主要な非政府組織(NGO)が25日、活動を停止した。

アフガニスタンで支援活動をしている「ケア・インターナショナル(ケア)」、「ノルウェー難民評議会(NRC)」、「セーブ・ザ・チルドレン」は共同声明を発表。「女性職員がいなければ」活動は続けられないとした。

「国際救済委員会(IRC)」も活動を停止。「イスラミック・リリーフ」もほとんどの活動を中断しているとした。

アフガニスタンで実権を握っているタリバンは、女性の権利を徐々に抑圧し続けている。

タリバン政権の経済省のアブデル・ラフマン・ハビブ報道官は、外国の支援団体では女性職員が頭髪を覆うヒジャブを着けず、服装規定に違反していたと主張した。

タリバンは、今回の禁止令に速やかに従わない場合は、いかなる団体も免許を取り消すと警告した。

支援団体が抗議の発言

多くの支援団体は、女性が働き続けられるようにすることを求めて発言している。

ケア、NRC、セーブ・ザ・チルドレンのリーダーらは声明で、女性スタッフがいなければ、「2021年8月以降の、困窮している何百万人ものアフガニスタン人への共同支援は不可能だっただろう」と主張。

「今回の発表について詳しいことがわかるまで、私たちはプログラムを中断し、男性も女性も同じようにアフガニスタンでの救命支援を続けられるよう要求していく」とした。

アフガニスタン全土で3000人の女性を雇っているIRCは、「組織のすべてのレベルで、サービス提供を女性スタッフに頼っている」とし、女性を雇えなければ、「困窮状態の人々」への支援は不可能だと述べた。

イスラミック・リリーフは、「貧困家庭の生計を支えるプロジェクトや、教育、医療プロジェクト」など、「アフガニスタンでの救命以外の活動を一時的に停止する難しい決定」をしたと発表した。救命医療活動は継続するとした。

また、アフガニスタン当局に対し、直ちに禁止令を解除するよう求めていると説明。「この禁止令は、アフガニスタン全土の何百万人もの弱い立場にある男性、女性、子どもたちに壊滅的な人道的影響を与えることになるだろう」

国連も人道支援を停止する可能性

国連の人道調整官トップのラミズ・アラクバロフ氏は、BBCの取材に、国連として女性職員の活動禁止令を撤回させるよう努めていると説明。今回の禁止令は、「人道コミュニティー全体にとってのレッドライン(越えてはならない一線)」だと述べた。

同氏はまた、タリバン当局が禁止令を撤回しない場合、国連がアフガニスタンでの人道支援を停止する可能性があるとした。ただ、今回の命令でタリバンが何を意図しているのかは、まだ不明だと話した。

アラクバロフ氏によると、タリバンの保健相は国連に対し、支援機関は保健関連の仕事を続けるべきであり、女性は「職場に行って活動する」ことが可能だと言ったという。

また、他の省庁も国連に直接連絡を入れ、災害管理や緊急事態の分野での仕事は続けるべきだと話したという。

NRCのヤン・エグランド氏は、職員1400人のうち500人近くが女性であり、女性職員は「すべての伝統的価値観、ドレスコード、移動、オフィスの分離に従って」活動してきたと述べた。

そして、タリバンの決定が「数日のうちに覆される」ことを望むと表明。NGOの活動が妨害されれば、何百万人もが苦しむことになると警告した。

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Presentational white space

各NGO も、今回の禁止令が「とてつもない経済危機のさなかにある」労働市場に及ぼす影響についても懸念を示した。

家庭の主たる稼ぎ手として働くアフガニスタンの女性 NGO 職員たちは、働けなくなることによる恐怖と無力感を、BBCに語っていた。

そのうちの1人は、「私が仕事に行けなければ、誰が家族を支えるのか」と述べた。別の人は、今回のニュースを「衝撃的」だとし、自分はタリバンの厳しいドレスコードを守っていたと主張した。

今回の禁止令は国際的な批判を招いている。アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は、「何百万の人々にとって不可欠で、命を救うことになる援助を中断することになる」と警告した。

タリバンは昨年、アフガニスタンで政権を再び掌握。以来、女性の権利を徐々に制限している。ただ、1990年代に政権を握ったときよりも、規制はソフトなものになると約束していた。

NGO職員や女子大生に関する禁止令のほか、女子の中等教育についても、ほとんどの州で女子が排除されたままになっている。女子大生に関する禁止令については、今や武装警備当局が取り締まっている。

女性はさらに、公園や体育館といった公共の場にも行くことも禁じられている。