トランプ氏は「ひどくいら立っている」と米補佐官 ゼレンスキー氏に鉱物取引に応じるよう要求

米共和党知事らの集会で演説したトランプ米大統領(20日)

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アメリカのドナルド・トランプ政権は、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に「ひどくいら立っている」――。マイク・ウォルツ米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が20日、そのように発言した。アメリカがウクライナにレアアース(希少鉱物資源)の提供を要求し、ゼレンスキー氏がこれを拒否したのを受けたもの。ウォルツ氏はゼレンスキー氏に、アメリカとの交渉に応じ、取引するよう求めている。

アメリカがウクライナにレアアースを求めていることについて、トランプ大統領は、ロシアと戦争中のウクライナに対してアメリカが提供してきた支援に見合う「取引」だとしている。

ゼレンスキー氏は19日、この要求をはねつけた。

ウォルツ氏は20日のホワイトハウスでの記者会見で、トランプ氏に対する「容認できない」侮辱だったと、ゼレンスキー氏を非難。さらに同日、「私たちはウクライナの人々に、全く信じられないほどの、歴史的な機会を提供した」と主張し、「持続可能」でウクライナが望み得る「最高の」安全保障だと述べた。

記者会見したマイク・ウォルツ米大統領補佐官(20日、米ホワイトハウス)

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ゼレンスキー氏は米側の提案について、「国を売ることはできない」として拒絶している。

ウクライナは、リチウムやチタンなどの重要鉱物や、莫大な石炭、ガス、石油、ウランなどの資源を保有している。

ゼレンスキー氏と米特使が会談

ウクライナ・キーウで会談したゼレンスキー大統領(左)とアメリカのケロッグ特使(20日)

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ウクライナの首都キーウでは20日、ゼレンスキー氏と、アメリカのキース・ケロッグ・ウクライナ担当特使が会談した。ケロッグ氏は退役陸軍中将で、トランプ第1次政権では国家安全保障会議(NSC)の主席補佐官などを務めた。

ゼレンスキー氏は会談終了後、対話は「生産的」だったと評価。ウクライナは戦争を終わらせるため、アメリカと「投資と安全保障で合意」する用意があると表明した。

今回の会談は、ウクライナにとって非常に重要なものだった。同国が何を必要としているのかを米政府に伝える役割を、ケロッグ氏に期待している。

ゼレンスキー氏がソーシャルメディア「X」に投稿した内容によると、ケロッグ氏とは「戦場の状況、捕虜の返還方法、効果的な安全保障について詳細に話し合った」という。

一方のケロッグ特使は、「話を聞く」ためにキーウを訪れるとしていた。会談後に記者会見が予定されていたが、直前になってキャンセルされ、同氏が公の場で話すことはなかった。

BBCの取材では、これはアメリカ側が決めたことだった。ウクライナの関係者は、ケロッグ氏が米政府から「脇に外された」とみている。

ゼレンスキーはこの日、カナダ、フィンランド、ノルウェー、南アフリカの首脳ともそれぞれ協議したと明らかにした。「X」には「ウクライナ抜きでウクライナに関することはあり得ない」と投稿した。

ゼレンスキー氏とトランプ氏はこのところ、批判の応酬を続けている。ゼレンスキー氏はトランプ氏について、ロシアの影響を受けた「偽の情報空間に生きている」とし、トランプ氏はゼレンスキー氏を「独裁者」と呼んだ