バングラデシュのハシナ前首相に死刑求刑、人道に対する罪 学生主導の反政府デモ弾圧で

青と緑系のグラデーションのサリーを頭にかけ、黒いフレームの眼鏡をかけたバングラデシュのシェイク・ハシナ前首相が、マイクに向かって話している

画像提供, Reuters

画像説明, バングラデシュのシェイク・ハシナ前首相は2024年8月、学生主導の反政府抗議デモの末に失脚し、インドに逃れた

バングラデシュの検察当局は16日、昨年7月に勃発した学生主導による反政府抗議デモを弾圧し、多数を死傷させたとして、人道に対する罪に問われているシェイク・ハシナ前首相に対し、死刑を求刑した。ハシナ氏は抗議デモの末に失脚し、インドに逃れた。

流出した音声記録によると、ハシナ氏は抗議者に対して「致命的な武器を使用」するよう治安部隊に命じたとされる。本人は罪状を否認している。

昨年7月から数週間にわたる反政府抗議運動では最大1400人が死亡。バングラデシュにおける暴力事案としては、1971年の独立戦争以来、最悪の規模となった。ハシナ氏は同年8月5日に首相を辞任し、15年にわたる長期政権は終幕を迎えた。

タジュル・イスラム主任検察官は、ハシナ氏には1400回の死刑判決がふさわしいが、「人間にはそれが不可能なため、少なくとも1回の死刑を求刑する」と述べた。

また、ハシナ氏の「目的は、自分と家族のために永久的に権力にしがみつくことだった」と指摘した。

「(ハシナ氏は)冷酷な犯罪者へと変貌し、自分が犯した残虐行為について一切反省を示していない」

反政府抗議は、1971年の独立戦争の退役軍人の子孫に公務員職の3分の1を割り当てるという制度をめぐり、昨年7月に始まった。しかし間もなく、ハシナ政権の打倒を掲げる大規模な運動へと発展した。

BBCの調査では、最も激しい流血の事態が起きたのは昨年8月5日だったことが分かっている。ハシナ氏はこの日、首都ダッカ市内の首相公邸を群衆が襲撃する前にヘリコプターで脱出した。

警察は同日、ダッカ市内の繁華街で少なくとも52人を殺害。バングラデシュ史上最悪の、警察による暴力事件の一つとなった。

ハシナ氏の国選弁護人は、警察は抗議者の暴力行為に対応するために、発砲せざるを得なかったと主張している。

ハシナ氏のほかに、アサドゥザマン・カーン・カマル元内相やチョウドリー・アブドゥラ・アル・マムン元警察総監も起訴された。

検察は、ハシナ氏と同様に逃亡中のカマル氏にも死刑を求刑している。マムン氏は7月に罪状を認めたが、判決は言い渡されていない。

ハシナ氏はすでに、法廷侮辱罪で禁錮6カ月を言い渡されている。また、汚職容疑でも起訴されている。

バングラデシュでは来年2月に総選挙が予定されており、ハシナ氏の政敵であるバングラデシュ民族主義党(BNP)が優位とみられている。ハシナ氏が率いていたアワミ連盟は、選挙を含むすべての政治活動を禁止されている。