バングラデシュ暫定政府、来年2月に総選挙実施と発表 前首相の国外脱出から1年

バングラデシュの、緑に赤い丸の描かれた国旗を振り回す群衆。大勢が国旗をあしあらった鉢巻を巻いている

画像提供, Reuters

バングラデシュの暫定政府は5日、抗議活動によってシェイク・ハシナ前首相が退陣して以来初となる選挙を、来年2月に実施すると発表した。暫定政府を率いるムハマド・ユヌス(85)が、自らの政権発足1周年にあたって明らかにした。

ユヌス氏は、一部で「第2の解放」とも呼ばれる記念日の祝賀行事の締めくくりとして選挙実施を発表した。

ハシナ前首相は昨年8月5日、数週間にわたる学生主導の抗議活動を受け、インドに逃亡した。これにより、15年間に及ぶ権威主義的な統治が終わった。

ノーベル平和賞受賞者のユヌス氏は、前首相逃亡の数日後に暫定政権の首席顧問として迎えられた。ユヌス氏は、貧困層を対象にした低利・無担保融資を行うグラミン銀行を創設したことで知られる。

ユヌス氏は改革を約束したが、政治的混乱や治安維持の困難が続く中で、その実現に苦慮しているとされている。

バングラデシュの政治家たちの間で意見が分かれていた争点の一つが、選挙の実施時期だった。ユヌス氏は当初、2026年6月の実施を提案していた。

しかし、前政権下で野党だったバングラデシュ民族主義党(BNP)に加え、イスラム主義政党・イスラム協会(JI)、学生主導の国民市民党(NCP)の代表らが5日、首都ダッカでユヌス氏と共に、式典の壇上に立った。

その後、ユヌス氏は選挙管理委員会に対し、「2026年2月のラマダン(断食月)前」に投票を実施するよう要請する書簡を送る意向を示した。

ユヌス氏はテレビ放送で、「長年にわたり、私たちは誰も投票できなかった」と語った。「今回は、私たち全員が投票する。誰一人、除外されない。『新しいバングラデシュを築く道をこの国が進み始めるよう、私は投票した』と、全員が言えるようにしよう」

ユヌス氏はまた、幅広い改革の実施を改めて表明し、「7月宣言」を読み上げた。この宣言は、ハシナ前首相を退陣に追い込んだ学生主導の抗議活動を憲法上で認めることを目指している。

この宣言の一部として、ユヌス氏は、蜂起で命を落とした人々を「国家の英雄」として認定する方針を明らかにした。

この文書には、法の支配と道徳的価値を尊重する民主国家の実現や、ハシナ政権下で暴力行為に関与した者への司法手続き着手も盛り込まれている。支持者らは、この宣言を制度改革の基盤と位置づけているものの、他方で象徴的な意味合いにとどまり、実効性に欠けるとの批判もある。

ハシナ氏は辞任を否定

ハシナ政権下では、広範な人権侵害の疑惑や、政敵の殺害・投獄が相次いだとされている。ハシナ前首相が率いたアワミ連盟政権の関係者は、反対意見を容赦なく弾圧したとされている。BBCは、国内各地に存在するとされる秘密拘束施設に「連行された」と語る人たちから複数の証言を得ている。

しかし、2024年7月から8月にかけて、学生らが公務員採用枠の廃止を要求する抗議活動を開始。政権の退陣を求める運動へと発展し、最終的にハシナ氏の国外逃亡を招いた。

政権は崩壊し、アワミ連盟はその後、活動を禁止された。専門家らは、過去12カ月間で数百人のアワミ連盟支持者が、裁判を受けることなく拘束されていると指摘している。

一方、ハシナ氏は4日、バングラデシュ国民に向けた公開書簡の中で、2024年の出来事を「クーデター」と表現し、自身は実際には退陣していないと主張した。

「一部の主張とは異なり、私は首相としての職務を辞任していない」とハシナ氏は述べた。

「私は皆さんを信じている。バングラデシュを信じている。そして、私たちの最良の日々はこれから訪れると信じている」

ハシナ氏は現在、バングラデシュで欠席裁判にかけられている。抗議者への致命的な弾圧に関連し、人道に対する罪に相当するとされる容疑で起訴されているが、本人はこれらの容疑を否認している。