米ロ・ウの三者協議、初日が終了 ロシアはウクライナ各地に攻撃

コの字型に並べられた机に各代表団が座っている。アメリカの出席者の背後にはロシア、アメリカ、スイス、ウクライナの国旗が並べられている

画像提供, Rustem Umerov/Telegram

画像説明, ウクライナのウメロフ国家安全保障・国防会議書記が投稿した三者協議の写真。右側にウクライナ代表団、左側にロシア代表団、中央に仲介を務めるアメリカの出席者が座っている(17日、ジュネーヴ)
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ハフサ・ハリル記者、ラウラ・ゴッツィ記者

ロシアとウクライナの代表団は17日、アメリカが仲介したスイス・ジュネーヴでの和平協議の初日を終えた。ロシアによるウクライナへの全面侵攻は、来週で丸4年を迎える。

ウクライナ交渉団のトップ、ルステム・ウメロフ国家安全保障・国防会議書記は、18日午前から協議を再開すると述べた。

三者協議はこれで3回目となるが、ロシアはウクライナ領土に対する拡大主義的な要求を変えておらず、突破口への期待は低いとされている。

ロシア軍によるウクライナへの攻撃は連日続いている。氷点下の気温が続くなかで、すでに損傷が激しい同国の電力網にいっそうの被害が出ている。

ジュネーヴでの会合が始まる直前にも大規模な攻撃が行われ、ドローン約400機とミサイル約30発が、ウクライナの12地域を襲った。ウクライナ当局によると、少なくとも3人が殺された。

一方ロシア側は、自国の防空態勢が150機以上のドローンを迎撃したと発表。また、ウクライナのドローン攻撃を受けた製油所で火災が起きたとしている。

住宅の半分が損傷し、がれきになっている。まだ煙の上がるがれき上を、消防隊員らが見分している

画像提供, ウクライナ国家非常事態庁/Anadolu via Getty Images

画像説明, ウクライナ北東部スーミ市の住宅にもロシア軍の攻撃があった(17日)

今回の協議は、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで1月下旬に行われた三者協議に続くもの。ロシアが2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始して以来、ロシア、ウクライナ、アメリカが一堂に会した初の三者協議だった。

この協議では突破口を見いだせずに終わったが、その直後、数カ月ぶりとなる捕虜交換が行われた

今回の協議についてウメロフ氏は、17日夕にソーシャルメディアに声明を投稿。この日の協議では「実務的な問題と、可能な解決策の仕組み」に焦点が当てられたと説明し、協議結果をウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に報告すると述べた。

ゼレンスキー氏はその直後にビデオ演説を投稿し、アメリカがかつて両国に提案していた攻撃自粛に、ウクライナは応じる用意があると述べた。

ゼレンスキー氏は「戦争は必要ない」と述べ、ウクライナ国民は「国家と独立を守っている」と強調した。

「我々には、戦争を終わらせるための、価値ある合意に迅速に進む用意もある。わからないのはロシア側の態度だけだ。向こうは、何を望んでいるのか?」と、ゼレンスキー氏は述べた。

一方、ロシア国営RIA通信は消息筋の話として、17日の協議は6時間にわたり、緊張した雰囲気の中で、さまざまな二者間および三者間の形式で行われたと伝えた。

アメリカからは、スティーヴ・ウィトコフ大統領特使と、ドナルド・トランプ大統領の娘婿のジャレッド・クシュナー氏が仲介役として参加している。

ロシアの代表団は、ウラジーミル・プーチン大統領の側近、ウラジーミル・メジンスキー氏が首席交渉官を務めている。

また、ウクライナとロシアの双方が、代表団に幹部級の軍関係者を加えている。

トランプ氏は協議に先立ち、ウクライナに「早く交渉の席に着いた方がいい」と述べた。

トランプ氏はこれまでも、4年におよぶ紛争の解決が迅速に進まないことにいら立ちを示してきた。

ロシアは現在、ウクライナ領土のおよそ20%を占領しており、これには東部ドンバス地方(ドネツク州とルハンスク州)の広い範囲が含まれている。ロシアはこの地域の残りを引き渡すようウクライナに求めているが、ウクライナはこれを拒否している。

ウクライナは、ロシアとのあらゆる合意の前提として、アメリカを含む西側からの強固な安全の保証が必須条件だとしている。

ロシアの攻撃で電力インフラに大きな被害

ウクライナのアンドリー・シビハ外相はこの日、夜通し行われたロシア軍の攻撃を非難。「ロシアが和平努力をどれほど軽視しているか」を示すものだと述べた。

アルテム・ネクラソフ・エネルギー次官によると、16日深夜の攻撃のため、前線に近いスロヴャンスクの周辺で、エネルギー関連の作業員が少なくとも3人殺害された。

また、ゼレンスキー氏によると、国内各地で子どもを含む9人が負傷したという。10棟を超える住宅が被害を受け、鉄道インフラにも損傷が出ている。

ゼレンスキー氏はソーシャルメディアに「ロシアは、この侵略の責任を負わせられなくてはならない」と投稿。「平和を本物で公正なものにするためには、この侵攻の唯一の源を標的に行動しなくてはならない」と述べた。

ウクライナ政府によると、12地域が攻撃を受け、インフラが損傷した。南部の港湾都市オデーサでは、数千人が停電に見舞われている。

ウクライナ最大の民間電力会社DTEKは、オデーサ市内の電力インフラが「信じがたいほど深刻な」被害を受けており、復旧まで長時間かかると述べた。

ここ数カ月にわたるロシア軍の絶え間ない攻撃で、ウクライナではインフラが損傷し、厳しい冬の中で、深刻なエネルギー危機に直面している。

ウクライナも反撃の夜間攻撃を行った。ロシア南部クラスノダール地方にあるイルスキー製油所では、ウクライナのドローン攻撃を受けて火災が発生。石油製品を貯蔵するタンクも火災に見舞われたと当局が述べた。

ウクライナとの国境に近いベルゴロド地域でも攻撃が続いた。ウクライナが多数のドローンを発射し、電力インフラに深刻な被害が生じているという。

(追加取材:ヤロスラフ・ルキフ記者)