豪政府、ISに加わった国民の帰国2年認めず シリアの収容キャンプに滞在

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オーストラリア政府は18日、武装組織「イスラム国(IS)」と関わりのある、シリアにいる自国民1人について、入国を最長で2年禁止すると発表した。
この人物は、シリアの収容キャンプから解放されて帰国を試みたオーストラリア国籍の女性と子ども、合わせて34人のうちの1人。このグループは現在、シリア当局により「技術的な理由」でキャンプに送り返されている。
オーストラリアのトニー・バーク内相は、入国禁止措置は「治安機関の助言に基づいて」発令されたものだと説明。一方、残る33人については入国禁止の「法的要件を満たしていない」と述べた。
豪当局はこのグループの帰国を認めていない。グループはIS戦闘員の妻や未亡人、子どもからなり、うち23人が子どもだとされている。
アンソニー・アルバニージー豪首相は、これらの家族が帰国のために政府の支援を受けることはないと強調。「自ら選んだ行動の結果は、自らが負うものだ」と述べた。
「こうした人々は、我々の生活様式を損ない破壊しようとする、残虐で反動的な思想に同調して、海外に行くことを選んだ」
しかし司法の専門家らは、政府には自国民に帰国の権利を認める義務があると警告している。また、このグループが有効なオーストラリア旅券を所持していたとの報道を受け、アルバニージー氏は、自身の政権が「オーストラリア法に違反することはない」と述べた。
シリア北部のアル・ロジ収容キャンプにいるこのグループは、2019年にISがシリアで最後の拠点から排除されて以来、同国各地の収容施設や刑務所で拘束されてきた数十人のオーストラリア国民の一部だ。
一方、野党議員らは、これらのオーストラリア国民が帰国する可能性について、安全保障上の懸念があると指摘している。
自由党のジョノ・ダニアム上院議員は17日、「このグループのうち、なぜ1人だけが危険と判断され、残りが問題ないとされるのか」と発言。より多くを入国禁止にできるよう、法律改正に協力する意向を示した。
アル・ロジ収容キャンプには、40カ国以上の2000人超が生活しており、その多くは女性と子どもだ。
その中には、2019年に国家安全保障上の理由でイギリス国籍を剥奪された、シャミマ・ベガム氏もいるとみられている。
豪ABCの取材に対し、同キャンプの責任者ハクミエ・イブラヒム氏は、取り残されている自国民がいる各国に向けて「国民を引き取ってほしい、子どもたちと女性たちを引き取ってほしい」と訴えた。
イブラヒム氏は、特に子どもたちがキャンプ内で「危険な思想やイデオロギー」に囲まれて育っていると述べ、「時間がたつほど状況は複雑化する」と語った。
一部の収容キャンプは、女性や子どもが深刻な栄養不良状態にあり、日用品へのアクセスすら欠いていると報じられ、注目されてきた。
オーストラリアのほか、フランスやオランダ、イギリスなども、シリアで拘束されている自国民の大半の送還を拒んでいる。











