サウジアラビア、酒類販売店を約70年ぶりオープンへ 一部外交官のみ購入可能

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禁酒国のサウジアラビアが、酒類を販売する店を70年以上ぶりに首都リヤドでオープンさせる見通しとなった。イスラム教徒以外の一部外国人を相手にするという。
サウジアラビアでは、1951年にアブドゥルアジズ国王の息子の一人が酒に酔って英外交官を射殺した事件を受け、翌年から飲酒や酒類の売買が法律で禁じられている。
このほどAFP通信とロイター通信が確認した文書によると、新たな店舗はリヤド中心部の西側にある外交館地区に置く。
販売相手は外交官に限定する。外交官らは長年、「外交行囊(こうのう)」と呼ばれる封印した公用の袋に入れて酒類をサウジアラビアに持ち込んできた。
サウジアラビア当局は販売店の開設について、「酒類の不法貿易」への対策だとしているという。
ロイター通信はこの計画をよく知る関係者の話として、オープンは数週間内だと伝えた。ただ、以下の制限がつくとした。
- 酒類の購入を希望する外交官は事前に登録し、政府の許可を得る必要がある
- 21歳未満は入店できない。店内では常時「適切な服装が要求される」
- 運転手などに代理購入させることはできない
- 1カ月当たりの最大購入量を設定する
AFP通信は、文書によればこれらはさほど厳格ではないと報じている。
1カ月当たりの最大量は240「ポイント」だという。ポイントは酒の種類によって異なり、1リットル当たりだと蒸留酒が6ポイント、ワインが3ポイント、ビールは1ポイントだという。
また、外交特権を持たない「普通の」外国人は、購入できるようになるとはされていない。
サウジアラビアの現行法では、飲酒や酒類の所持は罰金、懲役刑、公開むち打ち刑、国外追放(外国人の場合)など罰に処される。
通信各社が確認した文書によると、当局は外交官に「特定量」の種類の持ち込みを許可する「新たな規制枠組み」も計画しているという。
サウジ社会の自由化の一端
こうした動きは、サウジアラビアの事実上の支配者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子が進める、「ビジョン2030」と呼ばれる社会の自由化の最新例だ。
酒類については、他の湾岸諸国でもサウジアラビア同様の規制が実施されている。
ただし、アラブ首長国連邦(UAE)とカタールは、21歳以上の非イスラム教徒だけを対象に、ホテル、クラブ、バーで酒類を販売することを認めている。
今回の文書からは、サウジアラビアが同じ措置を検討している様子はうかがえない。
イスラム教はアルコールを禁じているが、サウジアラビアでは1952年まで、国内での酒類の存在を大目に見ていた。
しかし、1951年に当時のミシャリ・ビン・アブドゥルアジズ・アル・サウド王子が、イベントで酒を注ぐのを拒否したとして、在ジッダ英領事館のシリル・ウスマン副領事を射殺したことで、事態は一変した。
アブドゥルアジズ国王はその翌年に全面的な禁酒令を発布。ミシャリ王子は殺人罪で有罪となった。








