アメリカ軍、イエメンのフーシ派に5回目の攻撃 紅海で船舶への攻撃続く

Biden speaks to reporters on his way to North Carolina

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米軍は18日、イエメン国内のフーシ派拠点に対して5回目の攻撃を実行した。米中央軍によると、紅海では同日夜、アメリカ企業所有のタンカーがイエメン沖でフーシ派のドローン(無人機)の攻撃を受けたが、損傷はなかったという。これに先立ちアメリカのジョー・バイデン大統領は同日午前、紅海周辺で船舶への攻撃を繰り返しているイエメンの武装組織フーシ派をアメリカが空爆しているものの、フーシ派による紅海での攻撃はまだ止まっていないと発言していた。

中央軍は18日夜、「現地時間午後9時(日本時間19日午前3時)ごろ、マーシャル諸島国旗を掲げるアメリカ企業所有のタンカー『ケム・レンジャー』に、フーシ派が対艦弾道ミサイル2発を発射した」と発表。「タンカー乗務員は船体に近い水中にミサイルが落下するのを見た」ものの、船や乗務員に損傷はなかったとした。

これに先立ち中東地域でのアメリカ軍の作戦を管轄する米中央軍は18日午後、「紅海南部に照準を定め発射準備をしていたフーシ派の対艦ミサイル2基に対して、爆撃を実施した」と発表。現地時間午後3時40分(日本時間午後9時40分)ごろに「イエメンのフーシ派支配地域でミサイルを特定」し、「海域の商船やアメリカ海軍艦にとって切迫した脅威だと判断」したため、「自衛のために」攻撃しミサイルを破壊したとした。

米ホワイトハウスのジョン・カービー戦略広報担当調整官は同日昼過ぎ、記者団に対して、紅海の南部へ向けて撃ち込まれようとしていた「フーシ派のさまざまなミサイル」を17日と18日に破壊したと説明した。

これに先立ちバイデン大統領は、フーシ派への攻撃は「効いている」と思うかと記者団に質問され、「『効いている』かというのが、フーシ派を止めているかという意味での質問なら、ノーだ。まだ続くか? イエスだ」と答えた。

国防総省のサブリナ・シン副報道官は18日の定例会見で、「アメリカはイエメンで戦争をしているのか」との質問に対して、「私たちは戦争を求めていない。戦争をしているとは思わない」と答えた。さらに、アメリカによる一連の攻撃は「防衛目的だ」と強調した。

タンカー「ケム・レンジャー」については、イエメン軍報道官も同日、「直撃」したと声明を出した。

イギリス海運貿易オペレーション(UKMTO)はこれに先立ち同日、イエメン沖でドローン4機がマーシャル諸島の国旗を掲げる商船に接近し、そのうち1機は船体の近くで海中に落下したと報告。イギリスの海上保安会社アンブリーも、アメリカ企業所有のばら積み貨物船が狙われたものの、損傷や人的被害はなかったとしている。

フーシ派の指導者アブドル・マリク・アル・フーシ氏は18日、イスラエルや米英と「直接対決」していることは「素晴らしい栄誉」だと発言。「親愛なる国民への攻撃は、イエメンの主権を侵害、侵略、直接侵入するもので、イエメン国民を直接襲撃するものだ」と強調した。

フーシ派は昨年11月、紅海で商船への攻撃を始めた。パレスチナ自治区ガザ地区に対するイスラエルの攻撃を受けたものと主張している。以来、フーシ派はタンカーなどへの攻撃を繰り返している。紅海は国際海運にとって有数の重要航路。

これに対抗して米英両軍は、紅海などでの攻撃を中止するよう求めた米英の最後通告を、フーシ派が無視したことを受け、今月11日深夜から12日未明にかけて、イエメン国内のフーシ派拠点に空爆を実施した。空爆作戦は、オーストラリア、バーレーン、オランダ、カナダの支援を受けている。