爆発物による死傷者が過去最多、イスラエル・ハマスの戦争が主要因=英団体調査

ジョナサン・ビール防衛担当編集委員、BBCニュース

イスラエルによるとみられる攻撃があったパレスチナ自治区ガザ地区南部ラファの住民たち

画像提供, AFP

画像説明, パレスチナ自治区ガザ地区における戦争が民間人の死傷者が大きく増加した要因だとAOAVは分析している(ガザ地区南部ラファ)

爆発物で死傷した民間人が昨年、過去10年以上で最も多かったとする調査結果を、英団体が8日に発表した。

調査は英ロンドンに拠点を置く慈善団体「Action on Armed Violence(AOAV)」が実施。2023年に爆発物で死傷した民間人は、前年より122%増えたとした。

AOAVによると、この増加は、パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラム組織ハマスとイスラエルの戦争によるところが大きい。

ほかに、ウクライナ、スーダン、ミャンマー、ソマリアでの紛争も原因となっている。

この調査は国連など国際的な会合で利用される。AOAVは英議会にも証拠を提出している。

ガザ地区での攻撃が主因

AOAVの調査では、爆発物が使われた出来事を、世界各地で2023年に少なくとも7307件確認。前年の4322件から大きく増加した。

爆発物によるこれらの攻撃によって、少なくとも1万5305人の民間人が死亡したという。これは前年比で122%の増加だった。このほか何万人も負傷した。

AOAVは、ガザでのイスラエルの戦争が、「このような(民間死傷者の)劇的な増加の主因」だと説明。世界全体の約3分の1を占めているとしている。

調査では、ガザでは920件の爆発兵器の仕様が確認され、9334人が殺害されたとの結果が出た。これは他の推定より少ない。

AOAVは、すべての被害を把握できてはいないものの、爆発物を使った暴力行為に関して明確な傾向が浮き彫りになったとしている。集計したデータには、信頼できる報道機関の報道も含まれているという。

AOAVはまた、空爆についても、ハマスの攻撃を受けて10月7日に始まったイスラエルの軍事作戦が記録件数を大幅に増加させる一因となったと解説している。

AOAVによると、爆発兵器を空中発射する攻撃は2023年、1694件に上った。これは前年の519件から226%増えた。

イスラエルは、空爆の前には警告を発するなど、民間人の犠牲を避けるため前例のない措置を取っていると繰り返し主張している。

しかしAOAVの調査では、爆発兵器が人口密集地で使われた場合、負傷者の大半は民間人になりやすい。

AOAVのディレクターであるイアン・オーヴァートン氏は今回のデータについて、都市部で爆発兵器を使えば民間人に大きな被害を及ぼすことを、各国に厳しく警告するものだとしている。

AOAVはまた、地上発射の兵器の使用も2023年に大幅に増加したとした。

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イスラエルは「最も傷を負わせる国家」

世界各地の爆発物による民間人の死傷者のうち、77%は国家による行為が原因だった。

AOAVはイスラエルについて、「2023年にずば抜けて多くの人に傷を負わせた国家」だったと説明。1000回超の攻撃で1万2950人の民間人の死傷者を出したとした。

2位はロシアで、ウクライナでの戦争で8351人の民間人を死傷させたという。

スーダン、ミャンマー、シリア、ソマリアで続く紛争も、今回のAOAVの調査で民間人の死傷者が2010年以降で最も多くなった原因となった。

武装勢力や非合法組織など国家以外による行為も、爆発兵器の使用が昨年増加した背景となった。ただAOAVは、国家以外によって殺害された民間人は前年比8%減少したとしている。