イスラエルとハマスの戦闘休止が開始 24日午後にも人質13人解放へ

戦闘が続くガザ地区北部のアル・シファ病院(22日)

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画像説明, 戦闘が続くガザ地区北部にあるアル・シファ病院には現在、患者約250人と病院スタッフらが残っているとされる。すでに病院の機能は失われている(22日)

イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスの仲介役を担っているカタールは23日、戦闘休止が現地時間24日朝、人質解放が同日夕に始まると発表した。ガザ地区では23日も戦闘が続き、病院にも影響が及んでいるもよう。現地は24日午前7時((日本時間同日午後2時)、戦闘休止の時間を迎えた。

イスラエル南部で取材するアナ・フォスター記者は、イスラエル軍は戦闘休止開始の午前7時のギリギリ直前までガザ砲撃を続け、その後も約15分間は散発的な爆発が聞こえたと報告している。

イスラエルとハマスは4日間のガザ全域での戦闘休止と、その間に人質の一部を解放することで合意している。ハマスは10月7日のイスラエル襲撃で拘束した人質約240人のうち50人を、イスラエルは以前から収監しているパレスチナ人のうち150人を、それぞれ解放するとしている。

当初は23日にも戦闘休止と人質解放が行われるとみられていたが、実現しなかった

カタール外務省のマジド・アル・アンサリ報道官は23日、戦闘の休止は24日午前7時に始まると発表。同日午後4時(日本時間同日午後11時)に、ハマスが最初の人質13人を解放するとし、全員女性か子どもだとした。

13人が選ばれた基準は「純粋に人道的なもの」だと説明。「女性や子どもたちを一刻も早く危険から解放する」ことが重要だとした。25日以降に解放される人数は不明だという。

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人質らは解放後、赤十字に引き渡され、可能な限り安全に移送される見通しだという。同報道官は、「ここが戦場であることを忘れてはならない」と付け加えた。

イスラエルで拘束されているパレスチナ人の解放については、ハマスによる人質解放を受けて実施される見込みだと、同報道官は説明。人数は明らかにできないとした。

ガザへの支援物資の搬入に関しては、戦闘が休止されてから「できるだけ早く」開始されることを望んでいるとした。ただ、「ガザで必要な量のごく一部になるだろう」と述べた。

動画説明, 身内を抱きしめるまで解放の発表信じないとイスラエルの家族……遺体を抱き嘆くガザの家族

イスラエル軍は停戦ラインにとどまると

イスラエル軍報道官のダニエル・ハガリ少将は23日の記者会見で、ハマスから最初に解放される予定の人質13人について、親族に連絡したと述べた。

同報道官は、「私たち全員にとって、特に身内を拉致された家族にとって、困難で緊迫した夜だった」、「これから複雑な日々が続くだろう。実現するまでは何も確実ではない」と話した。

イスラエル軍の動きについては、「ガザ地区で戦闘を続けている」と説明。戦闘が休止される間は、「ガザ地区内」の停戦ラインにとどまる予定だと述べた。

その上で、「ガザ北部の制圧は長い戦争の最初の一歩だ。私たちは次の段階に備えている」と話した。

戦闘続く、病院近くでも

ガザ地区では23日も北部の病院周辺などでイスラエル軍による激しい攻撃があった。

ガザ北部のインドネシアン病院の医療責任者は、同病院がイスラエル軍戦車の激しい砲撃を受けており、状況はエスカレートしているとBBCに話した。

病院内の状況は「非常に困難」で、「15分おきに戦車からの激しい砲撃が病院周辺で続いている」という。「みんな病院の廊下にいる。私のオフィスも何度か狙われた」。

責任者はまた、「現在医療関係者10人と患者200人がいる。院内にイスラエル兵はいないが、停戦が実現しない限り、アル・シファ病院と同じことになるだろう」と説明。院内にいる人々を避難させるため、バス3台と救急車13台をガザ保健当局に要請したとした。

同病院の医師によると、イスラエル軍は院内にいる人々に完全避難を命じたという。同軍はこれについて確認中だとした。

イスラエル軍は23日朝の時点で、同病院のすぐ南にあるジャバリア地区で「テロの標的を攻撃している」と発表していた。

同病院をめぐっては、20日に患者12人と民間人がイスラエルの攻撃で殺害されたと、ガザ地区の保健当局が発表しているた。イスラエル軍は当時、病院内から発砲した「テロリストら」を標的にしたと説明した。

ガザ地区北部のインドネシアン病院から南部ハンユニスのヨーロピアン病院に避難した患者たち(23日)

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画像説明, ガザ地区北部のインドネシアン病院からは患者ら約500人が避難し、南部ハンユニスのヨーロピアン病院に到着した(23日)

一方、23日にはガザ南部ハンユニスでもイスラエル軍の攻撃があり、死傷者が出たと報じられている。

ハマスが運営するガザ地区当局は同日、イスラエルによる10月7日以降の攻撃で、パレスチナ自治区で1万4500人以上が殺害されたと発表した。国連は人道的危機が生じていると警告している。

アル・シファ病院の院長を連行

イスラエル軍は23日午後、同国の国内治安当局シンベトが、ガザ市のアル・シファ病院のハンマド・アブ・サルミヤ院長を尋問のため連行したと明らかにした。

イスラエル軍は、同院長の下で同病院が「ハマスの司令・統制センターとして機能していたことを示す証拠が見つかった」と主張。

「病院の地下にあるハマスのテロのトンネル・ネットワークは、病院からの電気と資源を利用していた。さらに、ハマスは病院内や病院敷地内に多数の武器を保管していた」とした。

また、「10月7日のハマスの大虐殺の後、ハマスのテロリストらは病院内に避難し、うち何人かはイスラエルからの人質を連れて行った」とした。

イスラエル軍はアル・シファ病院がある地域で、地下のトンネルと施設を報道陣に公開した(22日)

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画像説明, イスラエル軍はアル・シファ病院がある地域で、地下のトンネルと施設を報道陣に公開した(22日)

イスラエル当局はBBCに、院長をハマスのメンバーだとみなしているわけではないと述べた。また、院長は起訴されていないとした。

アル・シファ病院の医師によると、院長は患者らを南部に避難させていたところ、検問所で拘束されたという。

ハマスは、同病院が戦闘員の避難場所として使われていたとするイスラエルの主張を、繰り返し否定している。病院スタッフやガザ保健当局も否定している。

同病院はガザ最大の医療施設だが、現在は稼働していない。患者約250人とスタッフが残っているとみられている。

国連によると、同病院からは22日、負傷者と病人190人と付き添いの人々、医療関係者らが、救急車の車列で南部へと避難した。世界保健機関(WHO)などの人道支援機関が避難を支援した。

人道危機の改善なるか

戦闘の一時休止が、ガザ地区での悲惨な人道状況の改善につながることが期待されている。イスラエルとハマスの合意には、ガザへの支援の大幅な増加も含まれている。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長は23日、最近ガザを訪問し、「言葉にできないほどの人々の苦しみ」を目の当たりにしたとソーシャルメディアに投稿。戦闘の休止によって支援物資がガザ北部に届くことを期待しているとした。

世界食糧計画(WFP)は、約1300トンの食料を積んだトラック100台以上がガザ地区に入る準備を整えているとしている。

WFPのアベール・エテファ中東担当報道官は、戦闘の一時休止は「一歩前進」だが、ガザの人道的ニーズを満たすのは完全な停戦だけだとBBCに話した。