ハマス人質解放は「24日以降」とイスラエル高官、「小さな問題」生じ 戦闘休止にも遅れ

ガザ市上空に上る黒煙

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画像説明, ガザ市上空に上る黒煙(22日)

イスラエル政府高官は22日深夜、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織と合意した、同地区で拘束されている人質の解放について、24日まで行われないと明らかにした。イスラエル政府筋は、戦闘の休止時期も延期されたとBBCに語った。

イスラエルのツァヒ・ハネグビ国家安全保障顧問は声明で、人質の解放が24日まで行われないと明らかにした。「人質解放のための交渉は絶えず進んでおり、継続中」だとしている。

イスラエルは22日、人質の解放に関するハマスとの合意案を承認。少なくとも50人の人質(女性と子供)が4日間にわたって解放され、その間に戦闘が休止されるとした。

一方のハマスは、今回の合意によってイスラエルに収容されているパレスチナ人150人が解放されると発表していた。

戦闘の休止は23日にも始まるとみられていたが、その時期も延期されたと、イスラエル政府筋はBBCに語った。

イスラエルの外相は当初、最初の人質解放は23日になりそうだと述べていた。

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ハマスは10月7日にイスラエルを奇襲し、イスラエル側で約1200人を殺害し、推定240人をガザ地区へ連れ去ったとされる。

ハマスが運営するガザ地区の保健省は、イスラエルの報復攻撃で1万4000人以上が殺害されたとしている。このうち5000人以上は子供だという。

「比較的小さ問題」生じる

イスラエルは、早ければ23日朝にも人質の解放を実現する準備を進めていた。

しかし、イスラエル・テルアヴィヴで取材するBBCのオーラ・ゲリン記者によると、ハマスが人質解放合意に批准しておらず、解放に遅れが生じているとの情報がある。合意には、解放される人質のリストの提示が含まれているはずだが、ハマスは解放初日にイスラエル側に引き渡す人質のリストを、イスラエルに渡していないとの情報もあるという。

イスラエル政府筋はゲリン記者に対し、問題は比較的小さいもので、23日には解決されるだろうと語った。その場合、合意内容の実施は24日には再び軌道に乗るだろうと、同記者はみている。

動画説明, 身内を抱きしめるまで解放の発表信じないとイスラエルの家族……遺体を抱き嘆くガザの家族

戦闘休止は「作戦上の一時停止」に過ぎない

イスラエル国防軍(IDF)のダニエル・ハガリ報道官は22日、今後実施されるとみられる4日間の戦闘休止について、「作戦上の一時停止」に過ぎないと改めて強調した。

「イスラエルはまだ、ハマスと戦争状態にある」とした上で、IDFはすべての人質を連れ戻すために全力を尽くしているとハガリ少将は述べた。

少将は声明で、「10月7日のハマスによる大虐殺はジェノサイド的な攻撃だった」とした。

イスラエル国防軍(IDF)のダニエル・ハガリ報道官

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画像説明, イスラエル国防軍(IDF)のダニエル・ハガリ報道官

こうした中、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、赤十字国際委員会(ICRC)の人道支援スタッフが今後、ガザ地区に残る人質を訪問し、必要な支援を提供できるようにすることでハマス側と合意したと述べた。

「赤十字が自分たちの仕事をし、すべての人質のもとを訪れ、必要な薬を持って行くことを期待している」

ICRCはこれより先に、ガザ地区の人質との面会について何も情報を受け取っていないとしていた。

イスラエルのメディアが引用したICRCの声明では、10月7日の残忍な攻撃以降、人質全員の解放と人道的な扱いを求め続けてきたが、ICRCスタッフと人質との面会に関して、イスラエルとハマスが合意に達したという知らせは受けていないと述べていた。

ICRCは人質と面会する用意はあるが、紛争当事者間の交渉には参加しないとしている。

BBCはネタニヤフ首相の発言を受け、ICRCにコメントを求めている。

国連機関、4日間の戦闘休止では「時間が足りない」

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の広報担当タマラ・アルリファイ氏はBBCに対し、現在100万人近い人々をUNRWAの避難所で受け入れていると語った。

同氏は、イスラエルがガザ市民に避難を促しているガザ地区北部に、UNRWAが行けるようにする必要があると訴えた。「イスラエル当局が私たちに安全を保証してくれるならば」、戦闘休止の間はそれが可能になるとした。

UNRWAは避難所に移動式診療所を派遣し、南部で行ってきたように北部でもパンや小麦粉、飲料水を配給したい考え。ただし、4日間の戦闘休止では「この人道的大惨事の規模と範囲からすれば、間違いなく時間が足りない」とした。

戦闘が休止される4日間は、1日あたり200台まで、援助物資を積んだトラックのガザ地区への通過が認められる。しかし、今回の軍事衝突が始まる以前は1日約500台のトラックがガザ地区に入っていたことを考えると、1日200台では「まったく足りない」という。

また、今回の合意で、燃料を積んだトラック4台のガザ地区への通過が認められたものの、UNRWAのトラックや発電機、水のくみ上げや海水淡水化プラント、病院やパン屋に供給するのに必要な燃料の半分しかまかなえないと、同広報官は付け加えた。

ガザ地区南部ハンユニスで配布する小麦粉の搬入

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画像説明, ガザ地区南部ハンユニスで配布する小麦粉の搬入(22日)