ロシア黒海艦隊司令官ら重傷、海軍会合に合わせクリミアを攻撃=ウクライナ軍

satellite image

画像提供, Reuters

ウクライナ軍は23日、クリミアのロシア黒海艦隊司令部に対する前日のミサイル攻撃について、ロシア海軍当局者の会合に合わせて実施したと説明した。クリミアでは23日も攻撃が続いた。

ウクライナ軍は短い声明を発表。22日の攻撃でロシア側は「黒海艦隊の幹部を含む数十人が死傷した」と主張した。詳細は明らかにしなかった。

ウクライナ国防省のキリロ・ブダノフ情報総局長は、ロシア軍司令官2人が重傷を負ったと述べた。

ウクライナ軍関係者は、攻撃にはイギリスとフランスから供与されたミサイル「ストームシャドウ」を使ったとBBCに話した。

ロシア政府は22日、攻撃で兵士1人が行方不明になったと明らかにしている。

BBCは戦闘に関する双方の主張の多くを、独自に検証できていない。

港湾都市セヴァストポリに拠点を置くロシアの黒海艦隊は、同国海軍で最強の艦隊とみられている。

動画説明, ウクライナのミサイルがロシアの黒海艦隊司令部を直撃した瞬間

クリミアに連日の攻撃

セヴァストポリ周辺は23日も再び攻撃を受けた。ロシア側が任命したミハイル・ラズフォザエフ知事は、防空システムで撃ち落としたミサイルの破片が桟橋の近くに落下したと説明。防空シェルターに行きにくい、行っても状態が悪いなどの批判が出ているため、点検を命じているとした。

そして、「みなさんに心から願う。パニックの種をまいて敵を喜ばせるのをやめてほしい。パニックこそが向こうの主な狙いだ」と、ソーシャルメディア「テレグラム」に書いた。

<関連記事>

こうした中、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は同日、米ニューヨークで開催中の国連総会で演説し、西側は自分たち以外の世界と交渉できない「うその帝国」だと非難。その後、記者団に対し、西側勢力は「ウクライナ人の手と体を使って事実上、私たちと戦っている」と述べた。

crimea

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は昨年2月にウクライナへの全面侵攻を始め、国際的に非難されている。ロシアは、ウクライナのクリミア半島を2014年に不法に併合した。

クリミアの重要性

ウクライナ軍はこのところ、クリミア駐留のロシア軍に連日のように攻撃を繰り返している。

今月14日には、ロシアがクリミア半島の防衛に設置した防空システムS-400を、ウクライナ海軍が破壊したとされる。そのため、ロシアの防衛力は低下しているという。

その前日には、セヴァストポリでロシアの大型揚陸艦と潜水艦を損傷させた。ウクライナ側は、この攻撃にも「ストームシャドウ」ミサイルを使ったとしている。

クリミアへの攻撃は、戦略的にも象徴的にも重要だ。

黒海艦隊はロシアにとって、ウクライナを攻撃する際の基盤であると同時に、この地域における数世紀にわたる軍事的存在感を誇示する主要シンボルにもなっている。

ソヴィエト連邦崩壊後の1997年にウクライナは、黒海艦隊の大半の引き渡しとセヴァストポリ軍港の基地貸与で、ロシア側と合意した。そのため黒海艦隊はロシアによる2014年の併合前から、セヴァストポリを本拠地とし続けてきた。