ウクライナ、ロシアのドローンがNATO加盟国ルーマニアに落下と発表

ポール・アダムス国際問題担当編集委員、ロバート・プラマー、BBCニュース

Emergency Service of Ukraine picture shows rescue workers after a drone hit the Danube River port infrastructure, Ukraine, 3 September 2023

画像提供, EPA

画像説明, 3日夜にドローン攻撃を受けたドナウ川沿いのウクライナ港湾施設。ロシアは1カ月以上にわたり、こうした施設への攻撃を続けている

ウクライナは4日、隣国ルーマニアの領内にロシアのドローン(無人機)が落下したと発表した。ロシアがルーマニアとの国境沿いにあるウクライナの都市を攻撃中に、起きたとしている。

ウクライナのドミトロ・クレバ外相は、キーウでの記者会見後、同国の主張を裏付ける証拠写真があると記者団に述べた。

一方、ルーマニアはウクライナの説明を否定している。

BBCヴェリファイ(検証チーム)は、クレバ氏が証拠だとする画像が本物か確認できていない。

ロシアのドローンが迎撃されたためではなく、ルーマニア領内に落下したのならば、偶発的なこととしても、北大西洋条約機構(NATO)加盟国にロシアの兵器が直接落ちた初のケースとなる。

昨年11月にはポーランドにミサイルが着弾し、ウクライナは当初、ロシアのミサイルだと主張した。しかしその後、ウクライナの防空ミサイルだった可能性が高いとされた

トルコとロシアが首脳会談

こうした中、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は4日、ロシアの都市ソチを訪れ、ウラジーミル・プーチン大統領と会談した。

エルドアン氏は、ウクライナが黒海からの穀物輸出を安全に行うための協定を復活させるよう、プーチン氏にはたらきかけた。ロシアはこの協定を7月に離脱した

プーチン氏は、西側諸国がロシアの農産物に対する制裁を解除するまで、復活はないと述べた。

また、ロシアはアフリカ6カ国に対し、穀物を無償提供し「輸送も無償で行う」計画を進めているとした。

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Presentational white space

穀物輸出が問題の中心

ドローン落下をめぐりウクライナとルーマニアの主張が対立しているが、その核心にも、行き詰まり状態の穀物輸出の協定がある。

ロシアは、ウクライナがドナウ川経由で穀物を輸出するのを阻止しようと、川沿いのウクライナ港湾施設を1カ月以上にわたって攻撃している。黒海に代わるルートを確保させないのが、ロシア側の狙いとみられる。

3日夜には、ロシアはイズマイル港を攻撃。その前日にも、近くのレニ港をドローンで攻撃した。

今回、ウクライナは1機以上のドローンがドナウ川を越えてルーマニア国内に落下したと主張。一方、ルーマニアはそうしたことはなかったとしており、両国の言い分が異なっている。

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ルーマニアのルミニツァ・オドベスク外相は、「もちろんリスクはある。私たちの国境のすぐ近くで起きたことだからだ」と述べた。

「ロシアは皮肉にも民間インフラを攻撃し続けており、ウクライナに穀物を輸出させていない」

「もちろん事故が起こるリスクはあるが、差し当たり、そうしたことにはなっていない」

これに対し、ウクライナのクレバ外相は怒りをあらわにしながら、何が起きたのかは「極めて明白だ」と発言。

ウクライナのパートナーの中には争いに巻き込まれるのを避けようと、事実上、見て見ぬふりをしている国もあるとした。

ウクライナが「証拠」公開

BBCヴェリファイは、ルーマニア領内でのドローン落下の様子だとされる静止画像と動画を検証している。画像は4日朝、ウクライナ外務省のオレグ・ニコレンコ報道官がソーシャルメディアで公開した。

画像も動画も、森に覆われた川岸で夜間、火の玉が上がっている状況を示している。ただ、暗闇の中、離れた場所から撮影されたもので、解像度も低く、かなり質が悪い。ところどころぼやけたところもあり、細部が不明瞭だ。

そのため、BBCヴェリファイはウクライナの主張が事実か確認できない。爆発がドローンによるものか、別の原因によるものなのか、判断できない。