ニジェールから仏国民ら262人退避、パリに到着

People evacuated from Niger arrived into Paris Charles de Gaulle airport in the early hours of Wednesday morning

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画像説明, ニジェールから避難した人々が2日早朝、仏パリのシャルル・ド・ゴール空港に到着した

クーデターが起きたニジェールからのフランス国民らの退避が進められており、最初の退避便が2日、仏パリに到着した。

フランスが手配した航空機には、同国や欧州諸国の国籍をもつ262人が乗っていた。

先週のクーデターで、ニジェール国内では旧宗主国フランスへの反感が広がっている。

首都ニアメーのフランス大使館前では7月30日、抗議デモ参加者の一部が「ロシア万歳」、「プーチン万歳」、「打倒フランス」などと声を合わせた。大使館の敷地の壁に火をつけた人もいた。

ニジェールにはフランス人が推定600人、ドイツ人が100人弱いるとみられる。

フランスはほかの欧州出身者にも退避支援を申し出ており、ドイツは自国民に支援を受けるよう求めている。イタリアも航空機を手配している。

一方でフランスは、イスラム武装勢力に対抗するためニジェールに駐留している仏兵士約1000人を帰国させる計画はないとしている。

Protesters hold a sign taken from the French Embassy in Niamey during a demonstration that followed a rally in support of Niger's junta - 30 July 2023

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画像説明, デモ参加者はニアメーの仏大使館から看板を持ち出した(7月30日)

退避したフランス人の1人、アントニー・ガルシアさんは、できる限り荷物を少なくまとめたと話した。「スーツケースは持っていけず、必需品を入れた小さなバッグだけにするよう言われた」。

ロイター通信によると、今回の退避計画は、仏核燃料会社オラノのニジェール国内での操業に影響は及ぼさないという。

欧州諸国の対応

AFP通信はイタリア外務省の話として、ニジェール国内の500人弱のイタリア人のうち約90人はニアメーにいると伝えた。大半は軍に所属しているという。

スペインは、70人以上の市民を航空機で退避させる準備を進めていると、ロイター通信は報じた。

イギリスは自国民の退避は計画しておらず、ニジェール国内の英国民に屋内にとどまるよう求めている。

アメリカもまた、自国民や自国の施設に差し迫った脅威はないとして、退避は行っていないと、AFP通信は伝えている。

ニアメーの状況は1日、落ち着いていると報じられた。

西アフリカで続くクーデター

西アフリカでは近年、ニジェールの隣国マリやブルキナファソでもクーデターが発生している。ブルキナファソとマリはクーデター後、それぞれロシアに接近している。

ウラン資源の豊富なニジェールは、西アフリカでのジハード(イスラム教聖戦主義)過激派との戦いにおいて、西側諸国の重要な同盟国だった。フランスもアメリカも同国に軍事基地を置いている。

マリはクーデター後、軍事政権がイスラム武装勢力との戦いで、ワグネルに支援を求めた。マリに部隊を駐留させていたフランスは昨年、軍事政権からの敵意が高まる中で、撤退を発表した。

フランスはその後、現地の軍司令部をニジェールに移した。

地域指導者ら、大統領復権を要求

7月30日、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の緊急会合で、加盟国の指導者らは、拘束されているニジェールのモハメド・バズム大統領を1週間以内に復帰させるよう、クーデターを起こした軍事政権に求めた

フランスは自国民の退避に先立ち、ECOWASのこの通告を歓迎した。

ECOWASを代表してニジェールを訪問した、チャドのマハマト・イドリス・デビ・イトノ大統領は、バズム大統領と写真撮影を行った。チャド大統領府はこの写真を公開した。

こうした外交的な動きを受け、ブルキナファソとマリは共同声明を発表。ECOWASが軍事介入した場合、両国はECOWASから離脱し、隣国ニジェールの防衛に向かうと警告した。

両国は、こうした介入は悲惨かつ不安定な結果をもたらすだろうと述べた。

ブルキナファソとマリ、ギニアは現在、近年のクーデターを受けて、ECOWAS加盟国資格が停止されている。

ECOWASが最後に軍事介入したのは2017年で、セネガル軍がガンビアに派遣された。同国で長年の政権を握っていたヤヒヤ・ジャメ大統領(当時)が、選挙での敗北を受け入れなかったため、退陣に追い込んだ。ジャメ氏はギニアに亡命した。

ECOWASは昨年、ギニアビサウのクーデターが失敗に終わったことを受けて、同国政府を支援するために部隊を派遣した。

ニジェールの北側の隣国アルジェリアも、軍事介入の可能性について、「現在の危機的状況をエスカレートさせることになる」として注意を促している。

ニジェールの軍事政権はECOWASの要求についてはコメントしていないが、同地域や西側のいかなる「侵略」からも国を守るとしている。同国は、フランスが事介入を計画していると非難した。

しかし、フランスのカトリーヌ・コロンナ外相は7月31日夕、仏テレビ局BFMTVに対し、この主張は正しくないと述べた。

そして、ロシアの雇い兵組織「ワグネル」が歓迎する今回のクーデターは、ロシアにとって好機となる可能性を示唆した。

「ニジェールのだれもが、枕元にロシア国旗を置いて寝ているかどうかはわからないが、ロシアがこの状況を利用しようとする可能性はある。ロシアはこの地域のほかの国でもそうしているからだ。これは仮説ではあるが」

米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は、1日のブリーフィングで、クーデターの背後にロシアがいるという証拠はないとした。