インドやカナダで大雨被害 インド地滑りで22人死亡、100人超不明

Relatives of the people who lost their lives in a landslide, weep in a house at Irshalwadi village in Raigad district of India's Maharashtra state on July 20, 2023.

画像提供, Getty Images

画像説明, 大規模な地滑りで親族を亡くした人々(20日、インド・マハラシュトラ州)

南アジアと北米で今週、大雨による地滑りや洪水が発生した。インド西部マハラシュトラ州では大規模な地滑りで22人が死亡し、現在も100人以上が生き埋めになっているとみられる。一方、カナダ東部ノヴァスコシア州での洪水では、子供2人を含む4人が行方不明になっている。

マハラシュトラ州ライガド地区イルシャルワディ村で19日夜に発生した地滑りでは、複数の家屋が倒壊した。

救助活動は大雨のため20日夜に中断されたが、22日までに再開された。

関係者によると、現場は丘の上に位置し、厳しい地形が救助活動を妨げている。

マハラシュトラ州政府は、105人ほどが現在も行方不明だとしている。

インドの一部の州では、過去2週間にわたる大雨の影響で洪水や地滑りが起きている。同国の気象当局は、ライガド地区を含むマハラシュトラ州の一部地域では今後数日間、雨が続くとしている。

「突然地面が揺れた」

19日の地滑りは、丘の斜面にある人里離れた村を襲った。この地域の家屋50軒のうち17軒が被害を受けた。

複数の目撃者はBBCマラーティー語に対し、現地時間19日午後10時30分ごろに地滑りが村を直撃したと語った。

「突然地面が揺れたので、家から飛び出した」と、家族数人を失ったという男性は話した。

「ここでは1度も(地滑りは)起きたことがなかった。山が崩れるなんて思ってもみなかった。だから、みんなここで暮らしていた」と、別の人は話した。今も大勢が家族の行方を探している。

現場は傾斜地帯で、雨のため地面は滑りやすくなっている。重機の搬入が困難で、泥の大部分は手作業で取り除かなければならなかったと、関係者は述べた。

現在、救助隊や警察、医療チームが救援活動に当たっている。地元住民やトレッキング客も活動に加わっている。

丘のふもとには救援キャンプが設置され、これまでに98人ほどが助け出されたという。

「現場から人々を避難させ、負傷者を直ちに治療することが優先事項だ」と、アミット・シャー内相はツイートした。

エクナート・シンデ・マハラシュトラ州首相は、遺族の世帯ごとに50万ルピー(約86万円)の補償金を支払うと発表した。

豪雨で非常事態宣言

Rescue personnel operates, in this video screengrab, in Bedford, Nova Scotia

画像提供, Halifax Search and Rescue

画像説明, カナダ・ノヴァスコシア州の一部地域では、わずか24時間で3カ月分の雨が降った。画像は同州ベッドフォードの洪水被害

カナダ東部で大西洋に面するノヴァスコシア州では豪雨に見舞われた後、洪水が発生。警察によると、子供2人を含む4人が行方不明になっている。

子供たちが乗っていた車は水没した。同乗していたほかの3人は脱出したという。別の車も水没し、2人は車内から助け出されたが、男性と若者の行方が分からなくなった。

州内の道路は流され、橋はもろくなっている。同州には非常事態宣言が出されている。

ティム・ヒューストン州首相は、「恐ろしく、重大な事態が起きている」とし、少なくとも7つの橋については交換あるいは建て直す必要があると付け加えた。

「家屋の物的被害は(中略)想像を絶するものだ」と、州首相は記者会見で述べた。

また、水が引くまでには数日かかるとの見方を示した。

一部地域では、わずか24時間で3カ月分の雨が降った。

危険な状況が続いていることから、住民は行方不明者の捜索に加わらないよう呼びかけられている。

大規模停電も

カナダを襲った過去50年間で最悪の大雨は、数千戸の停電も引き起こした。一時は8万人以上が電力を失った。

ジャスティン・トルドー首相は洪水について非常に懸念しているとし、政府はノヴァスコシア州のために「ここにいる」と約束した。

カナダ環境省は、同州東部の豪雨は23日まで続く可能性があるとしている。

「大変な状態はもう終わったなどと思わない方がいい。事態は大きく動いている状況だ」と、州都ハリファックスのマイク・サヴェージ市長は記者会見で語った。

市長はさらに、ハリファックスは「まるで聖書に出てくるみたいな大雨」に見舞われていると付け加えた。

カナダ北東部ではこのところ、極端な異常気象が続いている。この地域では最近の森林火災で記録的な面積が焼失し、煙がアメリカにまで流れ込んだ。

アメリカでも今月、洪水が発生している。ペンシルヴェニア州では、先週末に鉄砲水で流され行方不明になっていた子供2人のうちの1人とみられる、2歳の女の子の遺体が見つかった。生後9カ月の弟はまだ見つかっていない。

こうした極端な降雨の原因が気候変動なのか、科学的な断定はしにくいものの、洪水の多発は温暖化が進む世界で気候の専門家が予想する変化と一致している。地球が暖かくなればなるほど、大気がたくわえられる水蒸気の量が増えて降雨量も増す。時には短時間の局地的な大雨が降ることもある。

世界気象機関(WMO)はかねて、温暖化に伴う極端な気象現象の発生が、「残念ながら、新しい普通のこと」になりつつあると警告している。