猛暑と大雨と台風……アジアと欧米に熱波 市街地でも40度超

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アジア各地で大雨の被害が連日続き、中国では台風4号のため約23万人が避難する中、アジアと欧米各地は猛烈な熱波に覆われ、中国北西部や北米の乾燥地帯では気温52度超を記録した。欧州の市街地でも連日、40度を超えるところが出ているほか、ギリシャでは山火事が多発している。
台風と大雨
15日午後に南シナ海で発生した台風4号(アジア名「タリム」)は海上を西に向かって進み、18日午前には広東省西部の沿岸に上陸した。中国気象局によると、現地時間午前10時20分ごろに上陸。気象局は4段階の警報システムのうち上から2番目の警報レベルを発した。これまでに23万人近くが避難し、多数の飛行機や鉄道が運行停止となった。
ヴェトナム政府も、北東部沿岸のクアンニン省とハイフォン市の約3万人に避難を指示した。台風は19日には「北部で勢いを失う」可能性があると予測している。

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台風のほか、雨季が続くインド、中国、日本、フィリピンなどアジア各地ではこの2週間ほど、大雨とそれに伴う土砂崩れや氾濫の被害が相次いでいる。
韓国中部の忠清北道・清州では18日朝、大雨により水没した地下車道から14人目の遺体が収容された。
韓国では今月13日以降、西部・忠清南道から東部・慶尚北道にかけての広い範囲で雨が降り続け、川の氾濫や土砂崩れが各地で発生。15日には清州で、水が急激に地下車道に流れ込み、バスの乗客や運転手らが車内に閉じ込められた。
内務省によると、17日午後までに雨の影響による41人の死亡が確認され、9人がなお行方不明という。
土砂崩れ現場などを視察した尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、異常気象には従来の方法では対応しきれないとして、「災害管理体制と対応方式を根本的に変えなければならない」と述べた。
日本では気象庁によると、東北の日本海側を中心に19日にかけて、北陸と新潟県は19日から20日にかけて激しい雨が降り、大雨となるおそれがある。東北では16日にかけて秋田県を中心に、記録的な大雨となったばかり。
気温40度前後

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イギリス気象庁によると、中国では週末にかけて新疆ウイグル自治区で52度超と過去最高の気温を記録した。北京は6月22日に、6月の気温としては過去60年超で最高の41.1度を記録している。
北京では今週末まで、最高気温は30度台後半に達すると予報されている。週末には雨の影響で気温が下がる可能性があるという。
日本では17日、暑さの影響で東京ディズニーランドやディズニーシーで予定されていたパレードとショーあわせて3つのイベントが中止された。近くの千葉県船橋市では最高気温が36.9度に達した。
日本の気象庁は18日、東京周辺を含む23都府県・地方に熱中症警戒アラートを発表した。

欧州の17日の最高気温は、スペイン南部アンドゥハルで観測された44.8度。イタリア・シチリアでは43.5度が観測された。イタリア、ギリシャ、トルコの各地でも40度を超えた。
欧州宇宙機関(ESA)によると、18日にはイタリア・サルディーニャで48度に達するおそれがあり、今後10日間はイタリア各地で極端な高気温が続く可能性がある。ローマでは今後15日間、最高気温が40度超で推移するおそれがあるという。
世界気象機関(WMO)は、南欧と地中海周辺での猛暑は8月半ばまで続くとみている。

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北米でも熱波と山火事が多発している。アメリカの国立気象局(NWS)によると、アメリカ南東部を中心にきわめて危険な熱波が今月28日ごろまで続く見通しという。
40度に迫る高温と乾燥の続く西岸カリフォルニア州では、少なくとも4カ所で山火事が発生。リヴァーサイド郡では8000エーカー(約3240ヘクタール)が焼失した。
カナダ国内の900カ所近くで森林火災が進行中。17日には、そのうち590カ所が制御不能の状態だという。

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こうした状況で、北米の複数の個所で大気の状態が悪化を続けている。アメリカ政府の大気汚染監視サイトAirNowによると、西はモンタナから東はニューヨーク、南はアラバマの各州に至る広い範囲の20州で大気汚染警報が出されている
ニューヨーク州や中西部イリノイ、ミシガン、ウィスコンシン各州の当局は住民に、屋外で過ごす時間を控えるよう呼びかけている。
カナダでもカルガリー、モントリオール、ケベック、トロントといった複数の主要都市で、煙による大気汚染警報を出している。

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<解説>熱波と二酸化炭素の関係は――ジョージーナ・ラナード、気候・科学担当記者
「いま目にしている現象はまさに、化石燃料を燃やし続けている世界ならこうなるだろうという姿そのもの」。英インペリアル・コレッジ・ロンドンの著名気候研究者フリーデリーケ・オットー博士はこういう。
世界的な気温上昇は100%、人間の活動が原因だと博士は言明する。
人類は約200年前に産業革命が始まるとともに、石炭、石油、ガスを大規模に燃やし始めた。二酸化炭素(CO2)の排出量は増え続けている。
各国政府はエネルギー使用を大幅に再生可能エネルギーに転換すると約束しているものの、国際エネルギー機関(IEA)によると、2022年の排出量は0.9%(3億2100万トン)増えたという。
アメリカ海洋大気庁(NOAA)によると、現在の大気中のCO2濃度は、少なくとも過去400万年で最高レベルだという。
把握するには大きすぎる数字だが、地球温暖化と気候変動を動かしているのが大気中のCO2で、現在のような激しい気温上昇を頻繁に引き起こしている。CO2には温室効果があり、陽によって暖められた地球の地表から逃げていく熱を地表近くにとどめておく。
オットー博士は、気候変動の影響を受けない世界では、地球の気温上昇は起こらないだろうと説明する、とはいえ、「新しい普通」がどういうものかも、まだわかっていないのだという。
「気候が安定していない。化石燃料を燃やすのをやめて初めて、新しい普通が何なのかわかるようになる」









