ビヨンセが原因でスウェーデンのインフレ率上昇? コンサートでホテル料金などが高騰

ナタリー・シャーマン、ビジネス記者

Beyonce in Stockholm

画像提供, Sian Blackham/PA Wire

画像説明, ビヨンセのストックホルムでのコンサートには、4万人超が詰めかけた

物価上昇について、ロシアのウクライナ侵攻や、サプライチェーン危機などが原因だと言われることは多い。しかし、米歌手ビヨンセさんは? ビヨンセさんが、物価高騰の原因かもしれない?

ビヨンセさんが世界ツアーでスウェーデンを訪れた5月、同国ではホテルやレストランへの需要が一気に高まった。その結果が、経済指標にも表れている。

スウェーデン当局はこのほど、5月のインフレ率が予想を大きく上回る9.7%だったと発表した。

背景には、ホテル・飲食部門での価格上昇がある。

ダンスケ銀行のエコノミスト、ミカエル・ゲロン氏は、ビヨンセさんがホテル料金の高騰に寄与したと考えている。また、娯楽・文化施設の料金が予想外に高騰したのも、ビヨンセの影響かもしれないと語った。

ゲロン氏はBBCへの電子メールで、「高いインフレ率をビヨンセさんのせいにはしないが、彼女のパフォーマンスと、スウェーデンで彼女のパフォーマンスを見たいという世界的な需要が、どうやら少し拍車をかけたようだ」と説明した。

ビヨンセさんの7年ぶりのソロツアーが、経済的に大きく注目される出来事なのは間違いなさそうだ。少なくとも1件の推計が、このツアーが9月の終了時までに20億ポンドの収益を上げるとしている。

民泊アプリ「Airbnb(エアビーアンドビー)」も、ツアーが発表された後に、開催都市の宿泊施設の検索件数が急増したと説明している。多くのコンサートのチケットが数日で売り切れ、リセール(再販売)市場では価格が高騰した。

イギリスのカーディフ公演には、レバノンやアメリカ、オーストラリアから来たというファン6万人が集まった。ロンドン公演に向けてのホテル需要も強く、自治体にホテル暮らしをあっせんされていた複数の路上生活者の家族が、ビヨンセ・ファンのためにホテルにいられなくなったという報道もある。

スウェーデン・ストックホルムには4万6000人の観客が集まり、2日にわたって公演が行われた。コンサートには世界中からファンが集まったが、特にアメリカからのファンが多かったという。ドル高の影響もあり、北欧のチケットは相対的に割安とみられていた。

ストックホルム観光局は5月、米紙ワシントン・ポストへの電子メールで、同市への観光ブームを「ビヨンセ効果」と説明していた。

スウェーデンのインフレ率は昨年12月に12.3%を記録。5月の9.7%は前月の10.5%を下回っているが、市場は9.4%と予想していた

ゲロン氏は、1人のスターがこれほどの影響を与えることは「非常にまれ」だとBBCに語った。また、サッカーの大きな大会が同様の影響を与えることもあると付け加えた。

同氏は、インフレ率の傾向は6月には通常に戻ると予想していると、ソーシャルメディアに書き込んでいる。