チャールズ英国王とカミラ王妃が戴冠 パレードに多くの人々

画像提供, PA Media
昨年9月に即位したイギリス国王チャールズ3世の戴冠式が6日(日本時間同日夜)、ロンドンのウェストミンスター寺院で行われた。国王は王冠をいただき、即位を国内外に示した。宗教典礼と華やかな様式を組み合わせた象徴的な儀式を、国内外で多くの人が祝った。
戴冠式は1953年に故エリザベス女王のために行われて以来70年ぶり。1000年以上の歴史があり、ウェストミンスター寺院で王冠をいただいたのはチャールズ国王で40人目となった。
チャールズ国王は昨年9月のエリザベス女王の死去に伴い、イギリスと、オーストラリアやバハマなど14カ国の元首となった。
ウェストミンスター寺院での式典には、外国の元首や代表約100人と芸能界や政界の著名人らを含む、約2300人が出席した。

戴冠式の前後には、同寺院とバッキンガム宮殿を結ぶ片道約2.3キロメートルの道のりでパレードが行われた。沿道にはイギリス国旗を手にした多くの人々が参集。同宮殿の近くには観覧席が設けられ、退役兵や医療・介護関係者を含む招待客約4000人が座った。
ロンドン中心部のトラファルガー広場では、王室制度に反対する人々による抗議デモがあり、「私の王ではない」といったかけ声が響いた。反君主制団体「リパブリック」の指導者グレアム・スミス氏らはこの日朝、同広場付近でプラカードを車から降ろしていたところを逮捕され、そのことへの抗議も目立った。

画像提供, Stephanie Lecocq / Reuters

画像提供, Reuters
聖書に手をのせ宣言
戴冠式は午前11時(日本時間午後7時)ごろ始まった。
バッキンガム宮殿を出てウェストミンスター寺院に到着したチャールズ国王は、寺院の中央まで、宗教指導者や英連邦の一部の国の国旗を掲げた代表や総督らとともに進んだ。

画像提供, Reuters

国王とカミラ王妃が「王と配偶者の椅子」に座ると、カンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビー氏が、チャールズ国王を「まごうかたなき、疑いようのない国王」と宣言。集まった人々は「神よ王を救いたまえ!」と声を合わせ、トランペットが鳴り響いた。
その後、ガーター勲章の女性団員とシッスル(アザミ)勲章の女性団員、ならびに軍の聖ジョージ十字受勲者が、王をたたえ仕えるよう会衆へ呼びかけた。ガーター勲章とシッスル勲章はそれぞれ、イングランドとスコットランドで最古の騎士団の団員に与えられるもの。これら女性団員による呼びかけは今回の戴冠式が初めて。
続いて、大主教は国王に、自らの治世において法とイングランド教会を護持すると確認するか尋ねた。国王は聖書に手をのせ、その約束を「実践し守る」と宣言した。そして「継承宣言の誓い」を述べ、自分は「忠実なプロテスタント教徒」だと表明した。
リシ・スーナク首相は、新約聖書から「コロサイ人への手紙」を朗読した。
戴冠の瞬間に各地で祝砲
チャールズ国王は続けて、儀礼用のローブを外すと、「聖エドワードの椅子」や「エドワード王の椅子」と呼ばれる戴冠用の椅子に腰を下ろした。
1300年にカシの木で作られたこの椅子は、これまで26人の君主が座り、王冠を受けてきた。製作時の用途で今も使われる家具としてはイギリス最古といわれる。
大主教は金色の聖油入れ「アムプラ」から、特別な油を戴冠用のスプーンに注ぐと、それを国王の頭、胸、両手へと塗り、十字を切った。
その後、ムスリム(イスラム教徒)、ヒンドゥー教徒、ユダヤ教徒、シク教徒(シーク教徒)の人々が、キリスト教を表さない腕輪やローブ、指輪、手袋といった戴冠式用のレガリア(王権を象徴する宝物)を国王に手渡した。

画像提供, PA Media

続けて大主教が、国王の頭に「聖エドワードの王冠」をのせた。王冠の名称は、アングロ・サクソンの王、エドワード懺悔(ざんげ)王のために作られた、より早い時代のものにちなんでいる。古い王冠は1220年以来、クロムウェルが溶かすよう命令するまで、戴冠式に使われたという。
今も使われる聖エドワード王冠は、チャールズ2世が製作を命じたもの。この王冠を戴冠式に使う君主は、チャールズ3世で7人目。
国王が戴冠した瞬間、ロンドン、エディンバラ、ヒルズバラなど国内13カ所で祝砲が響いた。ウェストミンスター寺院の鐘は2分間鳴り響いた。
一方、バッキンガム宮殿前の通りザ・マルに集まった群衆からは「神よ、王を救いたまえ」のかけ声が沸き起こった。酒瓶のコルクを抜く音も聞こえた。

画像提供, Reuters
カミラ王妃も戴冠
式典では続けて、国王が王座に移動。ウィリアム皇太子が国王の前にひざまずき、忠誠を誓った。大主教は「神よ、王を救いたまえ」と唱え、出席者らが「神よ、チャールズ国王を救いたまえ。チャールズ国王に長寿を。国王が永遠に生きますように」と続けた。
その後、国王の隣の別の王座に座ったカミラ王妃も冠を頭に受けた。王妃の戴冠には、ジョージ5世の妃メアリー王妃のために作られた冠が使われた。
式典は約2時間続き、国王夫妻は午後1時(日本時間午後9時)すぎ、ウェストミンスター寺院を後にした。

画像提供, PA Media

画像提供, Reuters
パレードで初めて別の馬車
戴冠式があったウェストミンスター寺院までの往路のパレードは、午前10時20分(日本時間午後6時20分)ごろ、バッキンガム宮殿をスタートした。
国王夫妻は、故エリザベス女王の即位60年を記念して2012年に作られた金色の馬車「ダイヤモンド・ジュビリー・ステイト・コーチ」に乗り、宮殿前の通りザ・マルを進んだ。
1830年代以降の戴冠式のパレードではすべて、別の金色の馬車「ゴールド・ステイト・コーチ」(1762年完成)が使われてきたが、今回は往路でその伝統を破った。

画像提供, PA Media

画像提供, Reuters


行列はトラファルガー広場へ出て、官庁街ホワイトホールと議事堂前のパーラメント通りを経た後、議会前広場からブロード・サンクチュアリ通りへ入り、ウェストミンスター寺院の西の大扉へと移動した。
パレードには、イギリス軍のほか、英連邦諸国やイギリス海外領土の代表も加わった。
バッキンガム宮殿への復路のパレードでは、国王夫妻は「ゴールド・ステイト・コーチ」に乗った。

画像提供, Reuters
国家元首や有名人らが出席
戴冠式には世界中から多数の招待客が出席した。アメリカからは、ジル・バイデン大統領夫人が孫娘のフィネガンさんを連れて出席した。2人とも、ウクライナ国旗の色である青と黄色の服を着ていた。
アメリカからはほかに、歌手ケイティ・ペリーさんも出席した。ペリーさんは7日の戴冠記念コンサートに出演の予定。ファッション誌「ヴォーグ」イギリス版のエドワード・エニンフル編集長と共に、ウェストミンスター寺院へと入って行った。
アメリカ人歌手ライオネル・リッチーさんも同コンサートに出演を予定している。リッチーさんは戴冠式の会場で、ロンドンのサディク・カーン市長と言葉を交わしていた。

画像提供, Gareth Cattermole / POOL

モナコのアルベール公とシャルレーヌ公妃、ブータンのジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王とジェツン・ペマ王妃、日本の秋篠宮さまと妻の紀子さまなど、海外の王族・皇族も出席した。
スペインのフェリペ国王とレティシア王妃、ベルギーのフィリップ国王とマティルド王妃らの姿も確認された。

画像提供, Reuters

式典の最前列には王室メンバーも並んだ。ウェールズ公ウィリアム皇太子とウェールズ公妃キャサリン妃、夫妻の子どものシャーロット王女とルイ王子らがいた。
夫妻の長男のジョージ王子は、式典で国王夫妻に仕える「侍者」の1人となり、国王が寺院に入る時に後ろを歩いてローブを持った。

画像提供, PA Media

サセックス公爵ハリー王子も出席した。物議を醸した回顧録「スペア」の発刊以来、初めて家族に会ったとみられる。妻のメーガン妃は米カリフォルニアの自宅に、夫妻の子どもリリベットさんとアーチーさん(この日に4歳となった)ととどまった。

画像提供, Reuters

英政界からは、スーナク首相のほか、ボリス・ジョンソンさん、ジョン・メイジャーさん、トニー・ブレアさんなどの首相経験者らが出席した。最大野党・労働党のキア・スターマー党首の姿もあった。
外国の政治指導者としては、カナダのジャスティン・トルドー首相とフランスのエマニュエル・マクロン大統領が、いずれも妻と共に出席した。ウクライナからはオレナ・ゼレンスカ大統領夫人が列席した。

画像提供, PA Media
宮殿バルコニーに家族と立つ
国王夫妻は午後2時半(日本時間午後10時半)前、バッキンガム宮殿のバルコニーに姿を見せた。雨が降る中、宮殿前で待っていた人々に手を振った。
国王夫妻と一緒に、ウィリアム皇太子夫妻とその子どもたち、国王の妹のアン王女、弟のエドワード王子らもバルコニーに立った。
カミラ王妃の孫も数人、一緒に並んだ。一方、ハリー王子の姿はなかった。
まもなくして、空軍のアクロバット飛行隊「レッド・アローズ」による儀礼飛行があり、歴史的な式典の1日を締めくくった。

画像提供, Reuters

画像提供, Reuters











