チャールズ新国王の即位、正式布告 女王の国葬は19日に

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英ロンドンで10日、チャールズ新国王(73)の即位が正式に布告された。英王室は同日、エリザベス女王の国葬が19日に行われると発表した。当日は休日となる。
国王夫妻の公務を管理するバッキンガム宮殿は、エリザベス女王の葬儀が19日午前11時から、ロンドンのウェストミンスター寺院で行われると発表した。イギリスでの国葬は、1965年に行われたサー・ウィンストン・チャーチル元首相の葬儀以来。
王室によると、女王の棺は11日に、亡くなった場所のスコットランド・バルモラル城からエディンバラの教会に運ばれ安置された後、13日に女王の長女アン王女に付き添われ、英空軍機でロンドン近郊の基地へ向かう。そこから同日夜には、バッキンガム宮殿で国王夫妻に出迎えられる予定という。
女王の棺は14日にはバッキンガム宮殿から国王夫妻をはじめとする王族や軍に付き添われ、テムズ川に面するウェストミンスター宮殿の大広間に運ばれ、葬儀まで4日間、安置される。
建物内には英議会もある宮殿の大広間で、女王の棺は棺台の上に安置される。棺には王旗がかけられ、ウェストミンスター宮殿についた後は、その上に大英帝国王冠のほか、宝玉と勺杖が(しゃくじょう)置かれる。
市民は棺の前を通り、最後のお別れができるようになる見通し。
女王の棺は葬儀後、ロンドン近郊のウィンザー城へ運ばれる。敷地内の聖ジョージ聖堂で納棺の儀式が行われる予定という。
ウェストミンスター寺院はイギリス王家の戴冠式や結婚式が行われる場所でもあり、女王は1947年にここでフィリップ殿下と結婚した。戴冠式はここで1953年に行われた。ただし、君主の葬儀がこの寺院で行われるのは18世紀以来となる。エリザベス女王の母、エリザベス皇太后の葬儀はここで2002年に行われた。
即位を正式布告

葬儀日程の発表に先立ち、「王位継承評議会」は10日午前10時、ロンドンのセント・ジェイムズ宮殿に集まり、チャールズ国王の即位を布告した。女王の死去に伴い国王は自動的に即位していたが、ここで正式に発表された。
王位継承評議会は、枢密院(現職・元職の下院議員幹部のほか、貴族などで構成される)、上級官僚、英連邦諸国の代表(高等弁務官)、ロンドン市長などからなる。評議会には現職のリズ・トラス新首相をはじめ、存命の首相経験者6人や野党・労働党のサー・キア・スターマー党首、カミラ王妃、ウィリアム皇太子らが出席した。
評議会は、エリザベス女王の死去とチャールズ国王の即位を宣言。この後、新国王がエリザベス女王の死去は「取り返しのつかない喪失」だと述べた上で、自分が「王権の重責」を担うにあたり、「憲法にもとづく政府を維持し、この島々と連邦と世界各地の英領における人々の平和と調和と繁栄を目指す」ため、母エリザベス女王による「目覚ましい手本にならうよう努力する」と述べ、宣誓書に署名した。
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チャールズ国王はさらに、女王の葬儀当日を国民の休日とすることを承認した。
国王の即位は同日午前11時、セント・ジェイムズ宮殿のバルコニーから国民に向けて布告された。



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布告の後、「国王陛下のため万歳三唱」のほか、「神よ女王を救いたまえ(God save the Queen)」ではなく「神よ国王を救いたまえ(God save the King)」と唱えられると、軍楽隊が国歌を演奏した。
同日正午には、ロンドンの金融街シティ・オブ・ロンドンにある王立取引所で、同じ布告が読み上げられた。翌11日正午にはスコットランド、北アイルランド、ウェールズでも読み上げられる。
ロンドンでの布告から、スコットランド、北アイルランド、ウェールズでの布告終了後1時間までの26時間は、新国王即位の発表を受けて、国旗は通常通り掲揚される。それ以降は、国の服喪中は半旗に戻される。
国王として初めて国民に

これに先立ち国王は9日夜には、即位後初めて国民に向けてテレビ演説し、「エリザベス女王はよい人生を送りました」と語った。そして、一生を人々への奉仕にささげた「大好きなママ」のように、自分もそうすることを誓うと述べた。
国王として国民に初めて語りかけたチャールズ3世は、エリザベス女王の温かさやユーモア、人の長所を見抜く力を思いを込めて称賛した。
さらに、長男ウィリアム王子がプリンス・オブ・ウェールズ(皇太子)に、その妻のキャサリン妃がプリンセス・オブ・ウェールズ(皇太子妃)になるとした。プリンセス・オブ・ウェールズとは、ウィリアム王子の母ダイアナ元妃が最後に使っていた称号。
国王は、次男ハリー王子と妻メガン妃への愛情も語った。

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ひたむきな献身に感謝
新国王はテレビ放送された演説の中で、エリザベス女王の「君主としてのひたむきな献身は、時代が変わり進歩しても、うれしい時もお祝いの時も、悲しい時も喪失の時も、決して揺るぎませんでした」と語った。
また、「海外で生活を続けるハリーとメガンへの愛情も、ここで申し上げたいと思います」と述べた。
「王妃(Queen Consort)」となる妻カミラ夫人については、「愛する妻カミラの温かい支えを頼みにしています。17年前に結婚して以来、妻も忠実に公務にあたってきました。(中略)これまで私が大いに頼りにしてきた責務に対する普段の取り組みを、妻は新しい役割においても続けていくと承知しています」と述べた。
チャールズ国王は、新しい責務を担うことで自分の生活が変化することを認め、「自分にとって非常に大切なチャリティーやテーマについて、今までほど時間やエネルギーを割くことはできなくなります。けれどもこの大事な仕事は信頼できる他の人たちによって続きます」とした。

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ウィリアム皇太子はスコットランドの称号を引き継ぐほか、コーンウォール公爵となり、チャールズ国王が50年以上続けてきたコーンウォール公領の責任も引き継ぐ。
「キャサリンを伴い、新しい皇太子夫妻は引き続きこの国の国民的対話のきっかけを作り、その先頭に立ってくれるでしょう。そしてそれによって、隅に追いやられていることを中央に引き寄せて、不可欠な支援を提供できるようにするでしょう」と、国王は述べた。
「大好きなママ」
チャールズ国王は、エリザベス女王の葬儀を控え、イギリス国民と英連邦の人々が悲しみを感じる中、「母の手本を忘れず、その手本が示す光を力の源」としてほしいと話した。
そして、スピーチの最後に思いを込めて女王にこう語りかけた。
「そして大好きなママ。大切な亡きパパのもとへ、最後の偉大な旅路に出発なさるにあたって、これだけ言わせてください」
「ありがとうございます。私たち家族を愛して、尽くしてくださってありがとうございます。国同士の家族に、長年あれだけ勤勉に尽くしてくださって、ありがとうございます」
最後に国王は、シェイクスピア作「ハムレット」の終盤のせりふを引用し、こう結んだ。
「天を舞う天使たちの歌声で安らかに休まれますように」
新首相と初めて面会
演説に先立ちチャールズ国王は9日、カミラ夫人と共にスコットランドからロンドンへ戻った。
宮殿の外で王室の公用車から降り、集まった人々と握手を交わした。群衆からは歓声と「神よ王を救いたまえ」という声が上がった。

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それから間もなく、即位後最初の憲法上の義務の1つとして、バッキンガム宮殿でリズ・トラス新首相と直接面会した。トラス氏は6日にエリザベス女王から新首相に任命されたばかり。
トラス氏は女王を「世界が知る中で最も偉大な指導者の1人」だとたたえている。
チャールズ国王はエリザベス女王の死について、「多くの人と同様、私も恐れていた瞬間だったが、すべて滞ることなく継続するよう努力する」と述べた。


国歌は「神よ王を救いたまえ」に
エリザベス女王は8日夕、滞在中のスコットランド・バルモラル城で「穏やかに」亡くなった。96歳だった。
ロンドンのセント・ポール大聖堂では9日、閣僚らや約2000人の市民が参列して女王の追悼礼拝が行われた。
この中で、国歌がチャールズ3世の即位後初めて「神よ王を救いたまえ(God save the King)」と歌われた。
女王への弔意を示すため各地の教会では鐘が鳴り響き、年齢と同じ96発の弔砲が各地で発射された。















