ロシア当局、ノーベル平和賞団体の幹部宅を捜索 「ナチズム復権」容疑

Oleg Orlov, co-chair of the Memorial rights group, smoking a cigarette as he is taken to the Russian Investigative Committee in Moscow

画像提供, Reuters

画像説明, メモリアル共同代表のオレグ・オルロフ氏(左)はモスクワでロシア捜査当局によって連行された

昨年のノーベル平和賞を受賞したロシアの人権団体「メモリアル」のリーダー9人が、ロシア当局の家宅捜索を受けた。同団体が21日、明らかにした。

メモリアルは1989年設立で、ロシアで最も古い人権団体の一つ。旧ソヴィエト連邦の弾圧で迫害された何百万人もの無実の人々を記憶にとどめる活動をしていた。

しかし2021年12月、ロシアによるウクライナ本格侵攻を前に、ロシア最高裁からの命令で解散した。

今回の家宅捜索は、ロシア連邦捜査委員会がメモリアルを「ナチズムの復権」の疑いで、刑事事件として捜査に着手したのを受けたもの。

メモリアル共同代表のオレグ・オルロフ氏も家宅捜索の対象に含まれている。同氏はロシア軍の「信用を失墜させた」罪で刑事裁判にかけられている。

メモリアルはツイッターで、メンバーらが家宅捜索を受けていると明らかにした。

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メモリアルは長年、政治的な圧力を受けてきた。2014年にロシアがウクライナのクリミアを併合し、ロシアの代理的な勢力がウクライナ東部地域を制圧すると、圧力はいっそう強まった。

メモリアルは昨年、ウクライナの人権団体「市民自由センター(CCL)」、ベラルーシの人権活動家アレシ・ビャリャツキ氏とともに、ノーベル平和賞を受けた。

ビャリャツキ氏は今月、ベラルーシで禁錮10年の刑を言い渡された。国外からは見せかけの裁判だとの非難が出た。

メモリアル代表のヤン・ラチンスキー氏も、21日の家宅捜索の対象となった。同氏はノルウェー・オスロでノーベル賞を受賞した昨年12月、ロシア当局からオスロに行かないよう忠告されていたとBBCに話した。

反体制派への締め付け

ロシアのリベラル系メディアは今回の家宅捜索を、当局による反体制派への新たな締め付けだと伝えた。

ウラジーミル・プーチン大統領は最近、西側諸国が「くずと裏切り者」のグループを利用して内乱を引き起こそうとしていると非難している。

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メモリアル共同代表のオルロフ氏は、ロシアがウクライナ侵攻を開始して数日後に導入された法律に基づき、捜査対象になっている。

「軍の信用を失墜させた」罪は、ウクライナでの戦争を批判するロシア国民を長期刑に処する目的で繰り返し使われている。これまでに、反体制派政治家のイリヤ・ヤシン氏や、モスクワのアレクセイ・ゴリノフ区議会議員などに適用されている。

先週も、エカテリンブルクの元市長エフゲニー・ロイズマン氏が、ソーシャルメディアに「過激派」のシンボルを投稿した罪で禁錮2週間の刑を受けた。同氏はこれを否定している。

「ナチズムの復権」の疑い

メモリアルにかけられた「ナチズムの復権」の疑いは、2021年の事案を指しているとみられる。

メモリアルによると、迫害被害者300万人以上のデータベースに、当局が問題視する男性3人を登録したとして、元スタッフが不法行為に問われた。当局が問題とする3人は、国家反逆罪で有罪判決を受けた2人と、ナチスの警察組織で働いた罪で有罪となった1人だったという。

プーチン氏は当時、この3人を名前を挙げて強調した。

メモリアルは、この3人をデータベースから除いたと説明。大規模データベースではエラーは避けられず、問題の特定と修正に努めているとした。