プーチン氏、ドイツ戦車に「再び脅かされている」 独ソ戦80周年演説

President Putin laid a wreath at the Mamayev Kurgan memorial complex in Volgograd

画像提供, Reuters

画像説明, ママエフ・クルガン記念施設で花輪を手向けるプーチン大統領(2日、ロシア・ヴォルゴグラード)

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2日、第2次世界大戦で旧ソ連がナチス・ドイツに勝利した「スターリングラードの攻防戦」の終結80周年式典に出席した。プーチン氏は演説の中でウクライナ侵攻をこの攻防戦になぞらえ、ロシアがまたしてもドイツ戦車の脅威に直面していると述べた。

ロシアの侵攻が続くウクライナをめぐっては、多くの国が軍事支援を提供。ドイツも同国製の戦車「レオパルト2」をウクライナに供与すると発表している。

ドイツのこうした決定を引き合いに、プーチン氏は歴史は繰り返されると主張した。

「信じられないことだが事実だ」、「我々はドイツのレオパルト戦車に再び脅かされている」とプーチン氏は述べた。

従来型兵器を超える手段の模索も

ヴォルゴグラード(スターリングラードの現在の名称)で演説したプーチン氏は、従来型の兵器を超える手段を模索する可能性を示唆した。

「戦場でロシアを打破しようとする者たちは、ロシアとの現代戦が以前とは大きく異なる経験になると、理解していないようだ」

「我々は、向こう国境に戦車を派遣していない。しかし、我々には対抗手段がある。それは、装甲兵器の使用に限定されるものではない。誰もがこの点を理解する必要がある」

ロシア政府のドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、プーチン氏の発言について詳しい説明を避けたが、「西側諸国が集団として、新たに兵器を提供すれば、ロシアは自分たちの潜在的な反撃能力をこれまでよりも大きく活用することになる」と記者団に述べた。

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ナチスとの戦いと

「スターリングラードの攻防戦」では旧ソ連軍が約9万1000人のドイツ兵を捕らえ、戦況を一変させた。100万人以上が死亡し、第2次世界大戦でも特に被害の大きい激戦のひとつとなった。

プーチン氏は侵攻開始当初から、ロシアによるウクライナ侵攻について、「特別軍事作戦」はウクライナ政府を率いるナショナリストやナチスとの戦いだとする虚偽の主張を続けている。

2日の演説でも、プーチン氏はこの主張に立ち返った。

「残念ながら、ナチズムのイデオロギーがすでに現代的な姿かたちをとり、我が国の安全保障を直接的に脅かしている」

「我々は何度も何度も、西側による集団的な侵略行為を撃退しなくてはならない」

プーチン氏はロシアが再びドイツの戦車に脅かされていることは「信じられないことだが事実だ」としつつ、ロシア政府はどの国に脅かされても、対応することができると強調した。

「スターリングラードの攻防戦」の終結80周年を記念して、ヴォルゴグラードという地名は一時的にスターリングラードに戻された。今週初めには、旧ソ連の指導者ヨシフ・スターリンの胸像が公開された。

1924年から1953年までソヴィエト連邦を率いたスターリンは、1932年から1933年にかけてウクライナで起こった飢饉(ききん)を画策したと非難された。

ウクライナで「ホロドモール」と呼ばれるこの大飢饉では推定500万人が死亡した。ブルガリアでは今週初めにジェノサイド(集団虐殺)として認定された。

ヴォルゴグラードで行われた軍事パレードには数千人の市民が集まった。

頭上では航空機の轟音(ごうおん)が鳴り響き、街中には近代的な戦車と第2次世界大戦時代の戦車が登場した。近代的な車両の中にはロシアによる侵攻を象徴する「Z」マークが描かれたものもあった。

地元メディアによると、プーチン氏に同行してヴォルゴグラードにあるママエフ・クルガン記念施設を訪れたアンドレイ・ボチャロフ・ヴォルゴグラード州知事はパレードに姿を見せなかった。ボチャロフ州知事は1月24日以降姿を見せていなかったため、孤立しているのではないかとの憶測を呼んでいた。

西側に「報復を準備」

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ウクライナを支援する西側に対してロシアが「復讐(ふくしゅう)」を準備していると述べた。

「ロシアはいま、戦力を集中させている。周知のことだ。ロシアはウクライナだけでなく、自由な欧州と世界に対しても復讐する準備をしている」

キーウを訪問した欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長と共に演説したゼレンスキー氏は、ロシアが「制裁に適応するペースを上げている」とし、ロシア経済に追加制裁を科すようEU指導者に促した。

ゼレンスキー氏はその後、アメリカで開催された「National Prayer Breakfast」(国家朝餐祈祷会)にビデオリンクを通じて出席。ジョー・バイデン米大統領の支援に感謝すると共に、ウクライナ軍が来年中にロシアの侵略行為を打ち負かすという目標を掲げた。

「来年2月の第1木曜日(2月1日)に、私たち全員で悪から救われたことに感謝する、ただそれだけのために祈ることができるよう、私たちは共にできる限りのことをしなくてはならない」と、ゼレンスキー氏は述べた。