英慈善活動家、故エリザベス女王側近から直接謝罪受ける バッキンガム宮殿で

Lady Susan Hussey meeting Ngozi Fulani in Buckingham Palace

画像提供, PA Media

画像説明, バッキンガム宮殿で再会した慈善活動家ンゴジ・フラニさん(右)とレディ・スーザン・ハッシー

英王室関係者がイギリス出身の黒人慈善活動家に対して「本当は」どこから来たのか繰り返し尋ねたことが明らかになった問題で、2人は16日にバッキンガム宮殿で再会し、王室関係者が慈善活動家に直接謝罪した。

英王室によると、故エリザベス女王の側近だったレディ・スーザン・ハッシーは、活動家のンゴジ・フラニ氏に対面し、自分の「発言について、そしてその発言で相手を動揺させたことについて、誠心誠意謝罪した」。

これについてフラニ氏は、謝罪を受け入れ、ハッシー氏の発言は悪意あるものではなかったことが分かったとコメントを発表した。

フラニ氏との連名のコメントでバッキンガム宮殿は、2人の女性の和解は「温かく、お互いへの理解」に満ちたものだったとするコメントを発表した。

王室によると、レディ・スーザンは「いかにデリケートな問題がかかわっているか、自分の認識を深めると約束」。王室関係者は今後も「包摂(ほうせつ)性と多様性に注力」していくとも述べた。

王室はさらに、フラニ氏が主催する団体「シスタ・スペース」からどのようなことが学べるかを検討するなど、職員の研修を強化していく方針を示した。

イギリスで生まれ育ったフラニ氏は、アフリカやカリブ海地域にルーツがあり、家庭内暴力や性的虐待の被害に遭ったイギリスの女性たちを支える団体「シスタ・スペース」を主催している。

王室はさらに、フラニ氏が「ソーシャルメディアで不当にも、とんでもない量の暴言を浴びた」ことに触れた。

「シスタ・スペース」は9日、利用者やスタッフの安全への懸念から、一時的に活動を停止すると発表していた。

王室のは声明で、レディ・スーザンもフラニ氏も、「優しさと協力によって、そして差別が根を張ったらそれがどこだろうと非難することで、解決は見いだせる」と、自分たちの再会を通じて示したかったのだと説明した。

王室によると、今回の2人の再会について、チャールズ国王とカミラ王妃も歓迎しているという。

王室は、自分たちにとって恥ずかしい問題だった一件に区切りをつけたかったはずだと、BBCのショーン・コクラン王室担当編集委員は指摘している。

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Presentational white space

フラニ氏は「シスタ・スペース」の主催者として11月29日、家庭内暴力に取り組む団体や活動家を集めたバッキンガム宮殿でのチャリティー・イベントに招かれ、出席した。

83歳のレディ・スーザンは、故エリザベス女王と親しく、エディンバラ公爵フィリップ殿下の葬儀では女王に付き添った。ウィリアム皇太子のゴッドマザー(後見人、実の親に次いで親に代わり子供の面倒を見る人の意味)でもある。

フラニ氏は、自分の名札を見るためレディ・スーザンが自分の髪を動かした上で、「あなたの国籍は?」、「あなたは本当はどこから来たの?」、「あなたはいつここに来たの」など繰り返し質問してきたとツイッターで明らかにした。フラニ氏は、自分がイギリス生まれでロンドンで働いていると、説明したという。

動画説明, 「本当はどこから来たの」 英王室関係者に再三聞かれた黒人活動家「暴力だと感じた」

フラニ氏は、レディ・スーザンから「尋問」を受けているように感じたと話していた。

レディ・スーザンは長年にわたり故エリザベス女王の側近だったが、カミラ王妃の王室改革で「lady-in-waiting」と呼ばれたその役職は廃止され、代わりに王妃は「Queen's companions」と呼ばれる「コンパニオン」の補佐を受けることになった。この中でレディ・スーザンは、「lady of the household(王室付きの婦人)」という肩書を得ていた。

今回の問題を受け、レディ・スーザンはこの名誉職を退いた。

ウィリアム皇太子の広報担当は、「この社会に人種差別はあってはならない。発言は容認できず、この人がただちに辞任したのは適切なことだ」と述べていた。

レディ・スーザンことスーザン・キャサリン・ハッシー氏は、1939年にウォルドグレイヴ伯爵夫妻の娘として生まれた。1990年から保守党政権の保健相などを歴任したウォルドグレイヴ男爵は弟。夫は後に一代男爵となり、1986年から10年間、BBC理事長だった故マーマデューク・ハッシー氏。娘レディ・キャサリン・ブルックは、カミラ王妃のコンパニオンとして王室で働いている。