イラン、反政府デモめぐり2例目の死刑執行 公開で
デイヴィッド・グリテン、サム・ハンコック、BBCニュース

画像提供, IHRights
イランは12日、国内各地で続く反政府デモに関連した2例目の死刑として、23歳の男性の絞首刑を公開で執行したと発表した。
司法当局によると、男性はマジドレザ・ラフナヴァルド氏。12日の早い時間にマシュハド市で絞首刑が執行された。
裁判所は、男性が準軍事組織バシジのメンバー2人を刺殺したと認定。「神への敵意」の罪で有罪判決を出していた。
逮捕からわずか23日後の死刑執行となった。
これまでに複数の人権団体が、デモ参加者たちが正当な手続きを踏まない見せかけの裁判で、死刑を宣告されていると抗議している。
ラフナヴァルド氏の母親が処刑について知らされたのは、死刑執行の後だった。
同氏の家族は、墓地の名前と区画番号を通知された。その場を訪れると、警備当局が遺体を埋葬していたという。
反政府活動家集団の1500tasvirはツイッターに、家族は午前7時に当局者から電話を受け、「あなたの息子を殺し、死体をベヘシュテ・レザ墓地に埋葬した」と告げられたと書き込んだ。
また、母親はこれに先立って、息子への面会を許可され、すぐに釈放されると思いながら笑顔で別れていたと、写真つきで投稿した。処刑については全く聞かされていなかったとした。

司法当局が運営するミザン通信は、ラフナヴァルド氏の絞首刑を「マシュハド市民らが集まった場で」執行したと伝えた。さらに、夜明け前に撮影されたとみられる、処刑の様子だとされる写真数枚を公表した。
この写真には、見物人の前で男性がケーブルでつるされているのが写っている。どのような人が何人くらい処刑を見ていたのかは不明だ。
ラフナヴァルド氏は裁判で、自分が選んだ弁護士をつけることを認められなかった。公選の弁護士は弁護をしなかった。
ミザン通信のこれまでの記事によると、ラフナヴァルド氏は、先月17日にマシュハドの路上でバシジのメンバー2人を刺し殺した罪に問われた。バシジは、イラン当局が反政府の動きを弾圧するためによく利用する志願者の部隊。
ノルウェーに本拠を置く非営利人権団体「イラン・ヒューマン・ライツ」のディレクター、マフムード・アミリー=モハダム氏はツイッターで、ラフナヴァルド氏の判決は「強要された自白」に基づくもので、「著しく不公平な手続きと見せしめ裁判の末に」出されたと批判した。
そして、「イスラム共和国(イラン)はこの犯罪について、重大な結果に直面しなければならない」と主張。さらに、「デモ参加者らに対する集団処刑の深刻な危険性」があるとした。
全ての州で抗議デモ
イランの宗教指導者を中心とした体制に対する女性主導の抗議デモは、22歳の女性マサ・アミニ氏が道徳警察に拘束され、その後に死亡したことが発端となった。同氏は9月13日に、ヒジャブ(スカーフ)を「不適切に」着用していたとして拘束された。
抗議デモは全31州の計161都市に広がっている。1979年のイラン革命以来の、最も深刻な反体制の動きとみられている。
イランの指導者たちはこの抗議デモを、外敵が扇動している「暴動」だと位置づけている。しかし、デモ参加者の圧倒的多数は非武装で平和的に抗議している。

ラフナヴァルド氏は先月19日に逮捕された。その後に国営テレビが放送した映像には、目隠しをされ、左腕にギブスを着けた同氏が映っていた。その中で同氏は、バシジのメンバーを攻撃したことは否定しないが、正常の精神状態ではなかったため詳細は覚えていないと話した。
国営テレビは12日、革命法廷での同氏の「自白」だとする映像を流した。
活動家らによると、イランの国営メディアは日常的に、拷問や虐待によって拘束者に強要した虚偽の自白を放送している。
欧州連合(EU)は12日、強要による自白を放送したとして、イラン国営テレビとそのディレクターに制裁を科した。また、デモ参加者らへの弾圧をめぐって、イラン軍のトップと革命防衛隊の地域司令官も制裁の対象とした。
対するイランは、自分たちを非難したドイツやイギリスの政治家数名に制裁を科す予定だとしている。
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反政府デモに関連した最初の死刑は8日に執行され、国際的な非難が沸き起こった。処刑されたモフセン・シェカリ氏(23)は、9月にテヘランでバシジのメンバー1人をなたで負傷させたとして、「神への敵意」の罪で有罪判決を受けていた。
BBCペルシャ語のカスラ・ナジ記者は、今回の処刑が、全国に広がっている抗議デモを終わらせるのに役立つのか、火に油を注ぐことになるのか、明らかではないとしている。
マシュハド市では11日夜、反政府デモが繰り広げられた。12日にラフナヴァルド氏の墓の前で撮影されたとみられる映像では、人々が「国の殉教者マジドレザ・ラフナヴァルド」と声を合わせている。
人権活動家通信(HRANA)によると、イランではこれまでに少なくとも488人のデモ参加者が治安部隊によって殺害され、1万8259人が拘束されている。治安当局側の死者も62人に上っているという。
イランは年間の死刑執行件数で、中国に次ぐ世界2位となっている。











