COP27、各国首脳が対策強化訴え 英首相はウクライナの戦争に言及
ジョージーナ・ラナード、気候変動・科学記者、BBCニュース

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イギリスのリシ・スーナク首相は7日、国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)の首脳会議で、迅速な気候変動対策が必要なのはロシアのウクライナ侵攻があるからだと演説した。
6日からエジプトのシャルム・エル=シェイクで始まったCOP27には120以上の国と地域が参加し、気候変動の影響を抑えるための対策を協議している。
中でも、特に被害を受けている国々への補償や支援が主な議題となっている。
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就任後、初の外交の場となったこの会議でスーナク氏は、「気候(変動対策)とエネルギー安全保障は手を取り合って進む」と話した。
「(ロシアのウラジーミル・)プーチン大統領の忌まわしい戦争と世界的なエネルギー価格の上昇が、気候変動対策を遅らせる理由になってはならない。むしろ、対策を迅速に進める理由そのものだ」
「我々は子供たちにもっと緑の多い惑星、もっと繁栄した未来を渡すことができる(中略)希望の余地はある」
首脳会議では、各国の指導者が5分ずつ方針を表明。富裕国にウクライナでの戦争と世界的な財政問題の中でも気候変動対策を予定通り進めるよう求めた。
また、特に影響の大きい国々からは、温暖化や干ばつ、洪水などが人々や環境に及ぼしている厳しい被害が報告された。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、「我々は気候の地獄への高速道路について、アクセルに足をかけている」と厳しく指摘した。
元米副大統領で環境活動家のアル・ゴア氏もこれに同調し、政府は化石燃料という「死の文化への援助」をやめるべきだと訴えた。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は各国首脳に対し、気候に対する正義を行うべきだと熱弁した。
COP27に参加しているボリス・ジョンソン元英首相は、気候変動対策に「弱腰でぐらついては」いけないと述べた。
ドイツのオラフ・ショルツ首相は、再生可能エネルギーへの転換は「緊急の安全保障政策だ」と述べた。イタリアのジョルジア・メローニ新首相も、引き続き目標に「力強く貢献していく」と語った。
アメリカのジョー・バイデン大統領は11日から同会議に参加する予定。現在はジョン・ケリー特別大使が参加している。
カリブ海の島国バルバドスのミア・モットリー首相は、この1年に「地球上で起きた恐怖と破壊」について語った。
「パキスタンのこの世の終わりのような洪水も、欧州から中国までを襲った熱波も、ここ数日で我々の地域で起きた、暴風雨『リサ』によるベリーズの被害やセント・ルチアでの大洪水も、繰り返す必要はない」
今回のCOPが気候変動の影響を非常に受けやすいアフリカで開催されている点に触れる演説も多かった。
ケニアのウィリアム・ルト大統領は、時間こそが重要だと指摘。「これ以上(対策が)遅れれば、人命や生活の糧が大災害によってなぎ払われるのを手をこまねいて見ているしかなくなる」と語った。
また、2030年までに水不足でアフリカ大陸の7億人が住み場所を離れることになると説明した。
8日には、気候変動の影響を受けやすい途上国首脳がさらに多く登壇する予定。1700人以上が亡くなった洪水被害を受けたパキスタンのシャバズ・シャリフ党首のほか、小島嶼国(しょうとうしょこく)連合を代表し、アンティグア・バーブーダのガストン・ブラウン首相が演説する。
若い活動家も参加
COP27には多くの若い活動家も参加している。

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メキシコの活動家シエ・バスティダさん(20)は、決定権を持つ人々に「自然保護」をうったえるためにやって来たと話した。
バスティダさんはBBCニュースの取材に対し、COP27では気候変動の将来の影響だけでなく、これまでの被害への支援を求めるいわゆる「損失と損害」が議題の1つとなったことなどに触れ、今のところの進捗(しんちょく)に満足していると話した。
しかしスコットランド出身のミカエラ・ローチさんは、指導者らが正義や人権を優先した気候変動対策に全面的に取り組んでいないと懸念を表した。
「すべての気候変動対策が、人々にとって良いものであるとは限らない。排出量を削減するだけでなく、私たちはすべての取り組みを、人々や私たちが創造する世界について組み立てなくてはならない」
こうした中、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんは、国連が「グリーンウォッシング(環境保護などをうたいながら、実際には違うことをしてあざむく行為)」をしていると非難し、COP27から距離を置いている。











