イラン抗議デモは「アメリカとイスラエルが仕組んだ」 最高指導者が非難

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イランで、女性に髪の毛を覆うよう義務づけた法律に違反したとして逮捕されたマサ・アミニさん(22)が死亡した問題で、同国の最高指導者は3日、抗議デモが広がっているのはアメリカとイスラエルのせいだと非難した。
イランの最高指導者アリ・ハメネイ師が、この問題で公にコメントするのは初めて。
ハメネイ師は3日にあった警察と軍士官の学校の卒業式で、アミニさんの死は「私たちの心を痛めた」と述べた。
同時に、「異常なのは、一部の人たちが証拠も調査もない状況で、通りを危険な場所に変え、コーランを燃やし、女性から着けているヒジャブ(スカーフ)を奪い取り、モスクや車に火をつけたことだ」とした。具体的にどの事案のことなのかは示さなかった。
その上で、イランが「あらゆる分野で力をつけている」ことを容認できない外国勢力が、「暴動」を計画したと主張。
「私は断言する。この暴動と社会不安は、アメリカと、占領を続ける偽のシオニスト政権(イスラエル)、それらが雇った工作員らが、海外にいる裏切り者のイラン人の助けを借りて仕組んだことだ」と述べた。
また、治安部隊への全面的な支持を表明し、同部隊は騒動の中で「不当」な扱いを受けたとした。
ハメネイ師にとって今回のデモは、この10年で直面した最大の抗議行動となっている。同師は治安部隊に、さらなる事態に備えるように指示している。

米英が弾圧を非難
これについて、アメリカのジョー・バイデン大統領は声明を発表。「平和的なデモ参加者に対する、暴力的な弾圧が激化している」と報じられていることについて、「深く懸念している」とした。
また、抗議デモ参加者らについて、「正当で普遍的な道理」を求めていると理解を示した。そして、「勇気をもって世界を鼓舞」している「イランの女性たちを支持する」と付け加えた。
イギリスも、こうした姿勢に同調。3日にはロンドンでイランの外交トップを呼び出し、「政情不安を外部のせいにせず、自らの行動に責任を持ち、国民の懸念の声に耳を傾けるべきだ」と、イラン指導層に伝えるよう求めた。
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イランの首都テヘランでは9月13日、クルド系のアミニさんが、頭髪を覆うスカーフを適切に着けていなかったとして道徳警察に逮捕された。しばらくしてアミニさんは意識不明に陥り、3日後に死亡した。
アミニさんの家族は、警官らが警棒で彼女の頭を殴り、警察車両に頭を打ち付けたと主張。一方、警察は暴行の証拠はなく、アミニさんは心臓発作で死亡したと主張している。
133人が死亡と人権団体
アミニさんの葬儀の後、女性たちが抗議デモを主導。スカーフを取って振りかざしたり火をつけたりし、「女性、生命、自由」、「独裁者に死を」と唱えている。「独裁者」はハメネイ師を指しているとみられる。
ノルウェーを拠点とする団体「イラン・ヒューマン・ライツ」は2日、これまでに少なくとも133人が治安部隊によって殺害されたと発表した。
国営メディアは、治安当局者を含む40人以上が死亡したと報じている。
アメリカはすでに、イランの道徳警察に制裁を科している。バイデン大統領は最新の声明で、平和的なデモ参加者に暴力を振るう者には今週、「さらなるコストを強いる」とした。

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ハメネイ師の発言があった前日の2日には、イランで最も権威のある理工系大学、シャリフ工科大学(テヘラン)の学生による抗議行動を、治安部隊が激しく取り締まった。数十人が逮捕されたと報じられている。
BBCのカスラ・ナジ記者によると、2日夜に同大学のキャンパス周辺で銃声がし、多くの市民らは、当局が学生を見せしめにするつもりではないかと心配したという。
学生たちは、キャンパスに入ろうとする治安部隊をはね返し、すべての門を閉めた。学内に閉じ込められる格好となり、隣接する駐車場から出ようとした学生もいたが、治安部隊に捕まって殴られ、目隠しをされて連行されたと、同記者は話した。
ソーシャルメディアに投稿された動画には、大勢の人々がバイクに乗った男たちに追われながら、駐車場内を走っている様子が映っている。

大学の包囲網は、教授や閣僚の介入により、夜遅くに解除された。
同大学の学生らは3日、拘束された学生全員が解放されるまで授業に戻らないと表明。大学側は「学生を保護する必要」があるとして、授業をオンラインに移行したと発表した。
抗議デモは、テヘランの他の大学や、マシュハド、イスファハン、シラーズ、タブリーズ、ケルマンシャーなど国内各地でも報告された。
カラジとシラーズでは、女子学生がスカーフを振りかざしながら「独裁者に死を」と唱える様子が撮影された。













