ロシア、ウクライナ4州の「住民投票」で勝利主張 西側は「茶番」と非難

A voter in Donetsk, 27 September

画像提供, Reuters

画像説明, ドネツク州で投票する人(27日)

ロシアが支配するウクライナの4州で開かれていた「住民投票」が27日、終わった。ロシアへの編入に対する賛成票が圧倒的多数とされており、ロシアはこの結果を、ウクライナ領土をさらに併合する根拠として使う可能性がある。

投票は、東部のドネツク、ルハンスク、南部のヘルソン、ザポリッジャの各州で行われた。ウクライナ領土の約15%の住民ら最大400万人が、戦乱が続く中で4日間、投票を求められた。

それらの州からロシアやクリミア(ロシアが2014年に併合)に避難した人たちも、投票できるとされた。投票は国際的に承認されておらず、独立した監視もなかった。

ドネツク、ルハンスク両州の親ロシア派当局が運営する通信社は、ロシアへの編入に対する賛成票は最大99.23%に達すると報じている。この種の投票では異例の高率だ。

クリミアでの投票の部分的な結果も、ロシアへの編入に賛成する人が圧倒的多数であることを示している。

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ロシアでは30日に連邦議会が開かれる予定。ウラジーミル・プーチン大統領が演説し、4州の併合を発表するのではないかとの見方が出ている。

2014年3月のクリミア併合の際には、プーチン氏は今回と同様の承認されていない「住民投票」を行ったわずか数日後に、併合を発表した。

ロシアが完全には支配していないこれら4州を併合すれば、ウクライナでの戦争は新たな、より危険なレベルに入る可能性がある。ロシアは、併合した地域をウクライナが奪還しようとすれば、ロシアの主権領土に対する攻撃とみなすとしている。

ウクライナ内外から非難

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は27日夜、ロシアが武力で制圧した地域を併合しようとしているとし、「国連憲章に残忍な方法で違反している」と非難した。

「占領地でのこの茶番は、住民投票のまね事とさえ呼べない」

ゼレンスキー氏はまた、「ウクライナ国内の占領地にいる人々をロシア軍に動員し、祖国と戦わせようとする、あまりにシニカルな試みだ」と述べた。

非難の声は国際社会からも出ている。

イギリスは、投票の実施に関わったロシア政府高官に対する新たな制裁を発動。

アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は、ロシアによる併合を西側諸国は決して認めないと改めて強調し、ロシアは「素早く厳しい追加的なコスト」を払うことになると警告した。

27日にウクライナを訪問したフランスのカトリーヌ・コロンナ外相は、投票を「見せかけ」だとした。

一方、ロシアの同盟国の中国では、外務省の汪文斌報道官が記者からの質問に答えて、「すべての国の主権と領土の完全性は尊重されなければならない」と述べた。

動画説明, 絶え間ない爆撃の中で暮らす人、逃げる人、犠牲者も……ウクライナ東部バフムートを取材
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プーチン氏は「住民投票」について、ウクライナによるロシア民族やロシア語話者への迫害を阻止するためだとし、正当性を主張。

「住民投票が行われているすべての地域の人々を救うことは、私たちにとっての最優先事項であり、私たちの社会と国全体が注視していることだ」とテレビで発言した。

ウクライナ政府は、迫害を否定している。

<分析> 誰も驚かない結果――ジェイムズ・ウォーターハウス・キーウ特派員

4州の「住民投票」の結果は、誰にとっても、とりわけウクライナの人々にとっては、驚くようなものではないだろう。

ロシアへの編入を支持する票は、これらの地域のウクライナ人を「解放」するのだという、ロシアの以前からのシナリオに沿うものだ。ロシアがウクライナにいることを正当化しようとする試みと合うものでもある。

ウクライナと西側諸国は、投票は信用できないとしてきた。BBCは、武装した兵士が家々を一軒ずつ訪ねて票を集めていたとする証言や、投票が全く行われていないという主張を聞いている。

ロシアは、これら4つの係争地の併合に関する新たな法案を、素早く起草するとみられている。併合した地域が将来、攻撃された場合には、より殺傷力の高い兵器を使用すると脅している。

ウクライナ政府は一貫して、ロシアがどんな声明(そして投票結果)を出そうと、ウクライナの目標は変わらないとしている。

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