米司法省、黒人女性射殺で警官4人を起訴 公民権侵害や共謀などの罪

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米ケンタッキー州ルイヴィルで2020年3月に黒人女性ブリオナ・テイラーさん(26)が白人警官に射殺された事件で、米司法省は4日、現職や元職の警官4人を公民権侵害、不法な共謀、憲法に反する武力行使、妨害の4件の罪で逮捕・起訴した。メリック・ガーランド司法長官が同日、記者会見で発表した。
病院職員のテイラーさんは2020年3月13日の真夜中過ぎ、ルイヴィルの自宅でボーイフレンドといたところ、室内に踏み込んで来た私服警官に銃で撃たれて死亡した。
警官隊は麻薬取引の捜査で、テイラーさんの自宅の家宅捜索令状を裁判所から得ていた。令状は、捜索の際には「ノック不要」としていたという。
テイラーさんの死は、全米各地で人種不平等に対する抗議行動を引き起こした。
連邦捜査当局は、警官4人のうち3人が共謀し、テイラーさんの死につながった逮捕状を偽造したとしている。
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4人のうちこれまでに訴追されたことがあるのは、ルイヴィルのブレット・ハンキソン元刑事の1人のみ。ただ、テイラーさんの死に関してではなく、テイラーさんの隣人を危険にさらした罪に問われたものだった。ケンタッキー州の陪審は今年3月、無罪評決を下していた。
4日に起訴された警官の中で事件現場にいたのはハンキソン被告だけだった。室内に踏み込む際に10発の銃弾を発砲し、その一部が隣家に命中した。
ハンキソン被告のほか、同じく解雇された元警官のジョシュア・ジェインズ被告、現職警官のケリー・ハナ・グッドレット被告とカイル・ミーニー被告が起訴された。ルイヴィル警察はミーニー被告とグッドレット被告を解雇する方針という。

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家宅捜索令状を偽造か
司法省は4人を公民権侵害、不法な共謀、憲法に反する武力行使、妨害の4件の罪で起訴した。
ミーニー被告とジェインズ被告は、虚偽の捜索令状宣誓供述書を作成し、テイラーさんの公民権を侵害したとされる。グッドレット被告はジェインズ被告と共謀して令状を偽造したとされる。
ハンキソン被告は閉じられた窓やガラス扉から銃弾を撃ち込み、テイラーさんの公民権を侵害した罪に問われている。
ガーランド司法長官は4日、「ブリオナ・テイラーは今日も生きているはずだった」と記者団に述べた。
警察が取得した家宅捜索令状には、テイラーさんの名前と住所が記されていた。当局はテイラーさんの元ボーイフレンドで麻薬取引で有罪判決を受けたジャマルカス・グローヴァー被告が、麻薬や金を隠すためにテイラーさんのアパートを使用していたとみていた。
テイラーさんの自宅からは薬物は見つからなかった。ジェファーソン郡のトマス・ワイン検察官は、銃撃の後に捜索は中止したと説明していた。
ジェインズ被告が署名した令状には、グローヴァー被告宛ての小包がテイラーさんの住所に送られていることを警察が確認したと書かれていた。しかし実際には、警察がこの小包について郵便監察官に確認した事実はなく、つまり家宅捜索令状の内容が事実とは異なることが、司法省の捜査で判明したという。
連邦検察によると、ジェインズ被告とグッドレット被告は銃撃の数日後に屋内駐車場で落ち合い、令状につながる証拠の改ざんを隠すために、つじつまを合わせていたという。
2020年、テイラーさんの遺族はルイヴィル警察を相手取り裁判を起こしたが、警察が1200万ドル(約12億6500万円)を支払うことで和解した。
警官4人の起訴を受け、遺族の弁護人は「今日は正義に向けた大きな一歩の日となった」と述べた。
事件当時テイラーさんと一緒にいたボーイフレンドのケネス・ウォーカーさんは、侵入者とみなしたジョン・マティングリー巡査部長の足を銃で撃ち、負傷させた。殺人未遂の罪に問われたが、ウォーカーさんは正当防衛を主張。後に不起訴となった。











