「ウクライナ東部だけでなく南部も」視野に、軍事目標の拡大を明言 ロシア外相

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ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は20日、ウクライナ侵攻を続けるロシア軍について、焦点はもはやウクライナ東部「だけ」ではないと述べ、軍事目標を南部にも拡大していく方針を明らかにした。
ラヴロフ外相はロシア国営メディアのインタビューで、西側諸国がウクライナに長距離兵器を供給したことで、ロシア政府の戦略が変わったと示唆した。国営放送RTのマルガリータ・シモニャン編集長によるインタビューの中で述べた。
外相はその上で、ロシアは自国の安全を確保するために、ウクライナ軍を前線からますます遠ざける必要があると述べた。
侵攻開始以降、西側諸国はウクライナに大量の武器を供与しており、武器の攻撃力は大幅に増している。
ラヴロフ氏は、こうした動きを前にロシアは否応なく、軍事目標を拡大せざるを得なかったのだと主張。「(ウクライナ大統領のウォロディミル・)ゼレンスキーが支配するウクライナの一部地域に、わが国の領土に直接の脅威を与えるような武器の保有を許すことはできない」と述べた。
ラヴロフ氏は「地理はすでに変化している」と述べ、ロシアの最新の目標は南部ヘルソンとザポリッジャだとした。ロシア軍はすでに両地域の一部を占領している。
また、アメリカが最近になってウクライナに供与し、ウクライナ軍が一定の成功を収めることにつながったM142高機動ロケット砲システム(HIMARS)についても、明確に言及した。
ラヴロフ氏はウクライナに武器を供与した西側諸国の行動は「無力な怒り」のあらわれで、西側は「事態の悪化を望んでいる」とした。
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ロシアはウクライナ東部ドンバス地方のロシア語話者がジェノサイド(集団虐殺)に直面しており、解放される必要があると主張し、2月24日にウクライナへの侵攻を開始した。
それから5カ月近くが過ぎ、ロシア軍はウクライナ東部と南部の一部地域を占領した。ただ、首都キーウの占領という当初の目的は失敗に終わり、以降は東部ドンバス地方の解放を主要目標として掲げている。
アメリカは反論
ロシアの戦略をめぐっては、米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー報道官が19日、ロシアがウクライナの一部地域を併合する準備を進めていると非難していた。
さらにロイド・オースティン米国防長官は20日、国際社会の行動を駆り立てたのは「ロシアの残酷でいわれのない侵略行為」だと主張した。
長官は、ロシア側がアメリカによる提供に強く反発しているHIMARSについては、さらに4基を追加供与すると述べた。アメリカが供与するHIMARSは合わせて16基となる。
オースティン氏は、「ウクライナ側はHIMARSを見事に使いこなしている。戦場への影響は明らかだ」とも述べた。
ウクライナ軍は2日連続で、ロシアが占領するヘルソンにある戦略的に重要な橋をHIMARSで攻撃したと報じられている。アントニフスキー橋は、ドニプロ川西岸のケルソン市を含むロシア占領地域へ続く、ロシアの供給ルートとなっている2つの橋のうちの1つ。
こうした中、ウクライナのオレナ・ゼレンスカ大統領夫人は20日、訪問先のアメリカ議会で演説。「ウクライナ人に対するこのテロを阻止するため、力を貸してほしい」と述べ、防空システムの追加供与を求めた。









