53人死亡の放置トラック、運転手は「冷房故障を知らず」と供述 米テキサス州

The alleged driver seen in the truck on CCTV

画像提供, Reuters

画像説明, 移民希望の53人が死亡した大型トラックの運転手。検問所の防犯カメラ映像より

米テキサス州サンアントニオの郊外に放置されていた大型トラック内で、移民希望者53人が熱中症などのために死亡した事件で、逮捕された運転手は冷房が故障していたと知らなかったと供述していることが、訴追資料などから明らかになった。

連邦裁判所に提出された訴追資料によると、テキサス州出身の運転手ホメロ・ザモラノ容疑者(45)は、荷台の空調故障を知らなかったと供述している。捜査筋によると、容疑者はトラックの近くの植生の中で隠れているところを発見され、逮捕された。メキシコ当局によると、容疑者は当初、生存者のふりをしたという。

ザモラノ容疑者は事件発覚当日の6月27日、発見されたトラックを運転しながら、テキサス州ラレドにある米税関・国境警備局の検問所を通過した際、監視カメラに撮影されていた。テキサス州議会の議員によると、逮捕時には覚せい剤を使用していたという。

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調べによると、共犯とされるクリスチャン・マルティネス容疑者(28)とザモラノ容疑者は、トラック発見の前後、不法移民の密入国手配について互いに短文メッセージを送りあっていた。米移民関税捜査局(ICE)と現地警察に協力している連邦政府の情報提供者は当局に、被害者たちの死亡が発覚後、両容疑者と会話をしていたと明らかにしたという。

裁判所に提出された捜査資料によると、マルティネス容疑者は情報提供者に、「運転手は空調設備の故障を知らず、それが被害者死亡の原因だった」と話したという。

アメリカへの密入国で過去最悪の被害を出したこの事件では、4人が逮捕・訴追されている。ザモラノ容疑者とマルティネス容疑者は、密入国の仲介や共謀などの罪で有罪となれば、死刑判決を受ける可能性がある。

ほかにメキシコ国籍の容疑者2人が、銃器の違法所持やアメリカへの違法入国などの容疑で訴追されている。

メキシコ当局によると、大型トラックの中にいた移民希望者は67人。テキサス州サンアントニオの検察当局は、64人としている。

テキサス州ベクサー郡の検視官事務所は1日、被害者53人のうち6人の身元を「決定的に特定」したほか、42人の身元がおそらく確認できたと発表した。5人は身元不明のままという。

被害者のうち27人がメキシコ出身、14人がホンジュラス出身、7人がグアテマラ出身、2人がエルサルバドル出身だという。

近くで別のトラックに13人

さらに1日には、現場近くで別の大型トラックが放置されているのが見つかり、13人ほどが車内で見つかった。BBCがアメリカで提携する米CBSニュースによると、6月末に発覚した事件現場から数キロ北の住宅地だという。

ベクサー郡保安官事務所はフェイスブックに、「現時点では、体に大きな損傷を受けた個人はいない様子」だと書いている。

メキシコから国境を越えてアメリカへ移民希望者を密入国させる仲介業は、現地でさかんに行われる一大産業になっている。

今年5月には、メキシコからアメリカへ、正規の査証などがないまま入国しようとして、過去最多の23万9000人が拘束されている。

近年ではアメリカだけでなく欧州やアフリカでも、大型トラックで移動する多くの移民希望者が一度に死亡する事件が相次いでいる。犠牲者の特に多かった事件の一部は次の通り。

2015年8月27日、オーストリア: ハンガリーに車両登録されていた放置トラックから、計71人の遺体が見つかった。イラク、シリア、アフガニスタンからの移民希望者だった。3年後にハンガリーで男性4人が、事件に関連して禁錮25年の実刑判決を受けた。

2017年2月20日、リビア: 貨物コンテナに閉じ込められたアフリカからの移民希望の数十人が発見された。このうち13人は窒息死していた。