ウクライナとロシア、最大規模の捕虜交換 プーチン氏はNATO拡大をけん制

画像提供, EPA
ロシアがウクライナ侵攻を続けるなか、双方は29日、これまでで最大規模の捕虜交換を実施した。ウクライナ当局が明らかにした。互いに、捕らえていた兵士ら約150人を相手国側に返したとされる。
ウクライナ国防省によると、ロシアの捕虜になっていた144人がウクライナ側に戻った。侵攻が始まって以降で「最大の」捕虜交換だと、SNSのテレグラムで説明した。
同省によれば、ウクライナ側に返された捕虜のうち95人は、ウクライナ南東部の港湾都市マリウポリのアゾフスタリ製鉄所を防衛していた兵士だった。半数近くは、評価が分かれる「アゾフ連隊」の所属だという。
ほとんどは、銃弾や砲弾の破片で負傷したり、爆発によるけが、やけど、骨折、手足の切断などによる重傷を負ったりしているとされ、すぐに前線に戻る可能性は低いとみられている。
解放された捕虜の最高齢は65歳、最年少はまだ19歳だったという。
ウクライナ当局は、ロシア側に返した捕虜の人数を明らかにしなかった。
ゼレンスキー氏、シリアと断交
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は29日、シリアとの外交関係を断つと発表した。
シリアは、ウクライナ東部でロシアの支援を受ける勢力が一方的に独立を宣言している自称「ドネツク人民共和国」と「ルハンスク人民共和国」を、正式に承認する動きを示している。
この2地域をロシア以外が承認するのは初めて。シリアはロシアの強力な同盟国。
ゼレンスキー氏の今回の発表は、こうしたシリアの動きを受けたもので、同氏は「価値のない話」だとしてシリアを非難した。
プーチン氏、NATO拡大をけん制
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、フィンランドとスウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)に加盟する見込みとなったことを受け、北欧の両国との間の緊張が高まる可能性があると発言した。
プーチン氏は、現在30カ国が加盟するNATOの拡大に一貫して反対してきた。
ロシアの通信社によると、プーチン氏は、フィンランドとスウェーデンとの間に新たな緊張が生じる可能性があると述べた。
また、両国にNATOのインフラが配備された場合、ロシアは同種の対応を取ると話した。
ウクライナで戦闘を続けていることについては、東部ドンバス地方全体の「解放」が最終目標だと説明。
ウクライナ中部クレメンチュクのショッピングセンターへのミサイル攻撃に関しては、ロシアが民間人を標的に攻撃することはないと言ったという。
このミサイル攻撃では、少なくとも18人が死亡。行方不明となっている人もおり、家族らが探している。
トルコ、北欧2国に「テロ」容疑者の引き渡し要求
トルコは29日、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟への反対を取りやめることで合意したのを受け、両国に33人の「テロ」容疑者の引き渡しを求めると表明した。
NATO加盟国のトルコは当初、フィンランドとスウェーデンの加盟に反対するとしていた。両国について、クルド人武装勢力を受け入れていると非難してきた。
しかし、スペイン・マドリードで開かれているNATO首脳会議で4時間にわたる協議の末、3カ国は28日遅く、妥協に達した。
トルコは、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟を支持。北欧両国は「トルコから出され保留中となっている、テロ容疑者の強制送還や引き渡しの要求に迅速に対応する」ことで、合意した。
トルコのベキル・ボズダー法相は29日、北欧両国に対して「約束を果たす」よう求めると述べた。

画像提供, Getty Images
フィンランドには、少数民族クルド人の武装組織「クルド労働者党」(PKK)のメンバー6人と、トルコ人宗教指導者で国外にいるフェトゥラ・ギュレン師の運動に関わっている6人の引き渡しを要求。
スウェーデンに対しては、PKKメンバー11人と、ギュレン師の運動の関係者10人の引き渡しを求めた。
PKKは、欧州連合(EU)、アメリカ、イギリスからテロ集団に認定されている。一方、ギュレン師の運動は、そうした認定がなされていない。
フィンランドとスウェーデンは、トルコの要求に対してまだコメントを出していない。

画像提供, Getty Images
NATO首脳らは、会議終了までに、フィンランドとスウェーデンを正式な加盟国として迎えるとみられている。
ロシアのインタファクス通信によると、同国のセルゲイ・リャブコフ外務次官は、「マドリードのサミットでは、ロシアを積極的に封じ込めるというNATOの方針が確認された」と述べた。
英政府、プーチン氏のいとこに制裁

画像提供, Alamy
イギリス政府は29日、ロシアのプーチン大統領のいとこら側近を対象とする、新たな制裁措置を発表した。
英外務省によると、プーチン氏のいとこで大手鉱業会社社長のアンナ・ツィヴィレヴァ氏が、制裁対象に含まれている。
ロシア第2の富豪で、プーチン政権の主要支持者であるウラジーミル・ポタニン氏も制裁の対象となった。両氏は、資産が凍結され、渡航を禁止される。
英政府は今回の措置について、「ロシアの戦争マシーンの弱体化」が狙いだとした。










