移動に困難のある男性、自ら飛行機を降りて転倒後に死亡 英ガトウィック空港

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英ロンドン郊外のガトウィック空港で15日、自力移動が難しい乗客が自力で旅客機を降りた後、エスカレーターで転倒し、同日午後に亡くなる事故があった。
ガトウィック空港によると、英格安航空イージージェット機で到着した82歳の男性は、スタッフが移動に支障のある他3人の乗客の降機を手伝っていた間に、自力で降りることにした。しかし、エスカレーターを上る途中で転倒した。
サセックス警察は、この男性が現地時間同日午後12時50分に死亡したと発表した。
同空港広報によると、男性は滑走路から短い距離を歩き、北ターミナルへ至る通路へのエスカレーターに向かい、そのエスカレーターで転倒した。近くにはイージージェットの乗務員がいたため、空港の医療班が到着するまで手当てをしていたという。
ガトウィック空港は、事実関係の正式調査に着手したとコメントした。
同空港では、旅客機が到着した時点で、自力移動に支障のある乗客を介助するため空港が事業委託している会社のスタッフが機内に入る。このスタッフがそうした乗客3人の降機を手伝っている最中に、事故が起きたという。
先に介助を受けていた乗客には、亡くなった男性のパートナーも含まれていた。
「人員不足は今回の事故の要因ではなかった。介助を必要とする乗客3人の降機のため、スタッフ1人が乗客を1人ずつ、近くに待機するバギーへ連れていくのは通常の対応だ」と空港は述べた。
乗客介助支援を請け負うウィルソン・ジェイムズは、転倒して死亡した乗客は降機を待ちながら放置されたわけではないと説明した。
「担当者は旅客機の駐機から1分以内にゲートに到着し、事故そのものも着陸10分後のことだった」
「担当者は非常に経験豊富で、数年前からこの業務にあたっていたほか、その前も介護セクターで複雑な障害がある人や複雑な介助が必要な人の支援にあたっていた」

<解説> フランク・ガードナーBBC安全保障担当編集委員
ガトウィックでこの悲劇がいったいどのように起きたのか、状況の詳細は明らかになりつつある段階だが、この気の毒な乗客とその家族に、私は同情せざるを得ない。
私自身も、空港に到着してほかの乗客が全員降りていくのに、自分は残される、あの強いいらだちを嫌というほど体験しているからだ。地上スタッフが私の車いすを見つけ出して、私を降ろしてくれるまで、私はがらんとした機内でひとり残されてしまう。
それだけに、自力移動が難しい乗客が、自力で何とかしようとしたのはこれが初めてではない。
2017年8月に、ロンドン郊外のルートン空港でジャスティン・レヴィーンさんが自力で床をはって移動した出来事は有名だ。関係スタッフが彼の車いすを見つけられなかったからだ。空港スタッフは、椅子にレヴィーンさんを固定し、ターミナル内を押して行くのはどうかと提案した。しかし、熱心にトレーニングをしていたレヴィーンさんは、空港側の提案は自分の独立性を損なうものだとして辞退した。
ガトウィックでの今回の事故について、調査が行われている。しかし、障害のある乗客や移動が困難な乗客の扱いについて、あらためて問題が浮上したことになる。イギリスの多くの空港では長年にわたり、そうした乗客への対応は優先順位が特に高くなかったように思えるだけに。








