中国軍30機、台湾の防空識別圏に進入

ズバイダ・アブドゥル・ジャリル、BBCニュース

A J-11 air fighter takes off from a PLA military airport in a training session in east China's Zhejiang province in late August 2021.

画像提供, Getty Images

画像説明, 台湾は中国軍の戦闘機J-11(写真)などが防空識別圏に進入したと発表した(昨年8月撮影の資料)

台湾は30日、防空識別圏(ADIZ)に中国軍機30機が入り込んだため、警告して圏外に出すために戦闘機を発進させたと発表した。同種の進入事案では、今年1月以来の規模となった。

台湾をめぐっては、アメリカのジョー・バイデン大統領が中国に対し、侵攻しないよう警告したばかり。

またこの日は、アメリカのタミー・ダックワース上院議員が、台湾の蔡英文総統と地域の安全保障と貿易の問題を協議するため、予告なしに台北に到着した。

中国はここ数カ月、訓練の名目で軍機の飛行を増やしている。

台湾はこうした動きに怒っており、地域の緊張が高まっている。

中国は台湾を、必要な場合は武力で取り入れることができる、分離した省とみなしている。

戦闘機や偵察機などが進入

台湾国防部(国防省)によると、中国軍の戦闘機22機と電子偵察機、早期警戒機、対潜哨戒機などが、東沙(プラタス)諸島の北東の、台湾がADIZと定めている空域を飛行した。進入についていは、ツイッターでも発表した

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台湾の領空には入らなかったという。

ADIZとは、領土と領空の外側にある、安全保障を目的に外国機を識別、監視、制御する区域。独自に宣言するもので、国際空域であることに変わりはない。

台湾は1年以上前から、中国機によるADIZ進入を繰り返し発表している。また、中国について、台湾の軍事的反応を試し、消耗させるための「グレーゾーン」戦を繰り広げているとしている。

アナリストらは、中国機のこうした動きについて、台湾が正式な独立宣言に向けて動き出すことに対する、中国の警告だと分析している。

中国政府はこれまで、自国の主権を守るための演習だと説明している。

バイデン氏の中国への警告

バイデン米大統領は今月23日、就任後初のアジア訪問で日本を訪れた。その際の記者会見で、中国軍機が台湾の防空識別圏に侵入したとの報告が増えていることに関し、「中国軍機は現在、すぐそばを飛行し、あらゆる演習を行っており、すでに危険をもてあそんでいる」と述べた

また、中国が台湾を侵略した場合は、アメリカは軍事的に対応するだろうと話した。

この発言は、台湾に対するアメリカの長年の「戦略的曖昧(あいまい)」政策からの転換を示したと受け止められた。アメリカはそれまで、台湾有事の際の対応を意図的に曖昧にしてきた。

一方、中国軍は先週、台湾がアメリカと「共謀」していることに対する「厳粛な警告」だとして、台湾周辺で最近、演習を実施したと発表した。